豊島ミホとの出会いの一冊。★★★☆☆
私立の男子中学に通う夕陽、
二十四にしては幼く見える雪枝、
十五で雪枝に拾われて四年になる聡。
思いがけない夏が、いま始まる。
初めて夕陽が雪枝の家を訪ねる日、
押入れの中には、後ろ手に縛られた聡がいた・・・。
不安と希望の間で揺れる、青春の物語。
~以上、本の帯の紹介文(原文のまま)でした。
現在の自分に納得ができずに、苦しむ雪枝。
何かを掴もうとするのだけれど、ままならず、
聡を巻き込み四年が過ぎ、そして、夕陽をも巻き込もうする雪枝。
そんな雪枝の姿を、夕陽と聡が交互に語って、ストーリーは展開していく。
しかし、膠着した日々の終わりは、近づいていた。
雨があがるように~
雨の描写が多い作品で、梅雨空が似合う作品でした。
装丁も、とてもきれいです。
(上の画像よりも、オレンジとブルーがもっと鮮やか。なのに、すっきりした感じ)
でも、設定が少々強引です。
雪枝は、こころが幼すぎるし、夕陽は、こころが落ち着きすぎてるし、
バランスが取れてるのは、聡だけかな。
本を読み始めたときは、夕陽に近いきもちだったのが、読み終わる頃には、聡に近くなっていました。
ラストは好きです。
雨上がりに、虹をみたようなきもちがしました。