心の山を歩いていこう!

単に山頂を目指すより、山歩きそのものを楽しみたい。
そんな思いを備忘録として綴ります。

妙高、夏の楽園を訪ねて。(その1)

2017-08-01 16:35:13 | 山日記
妙高山の近くにある、長助池。
メインの登山道から少し離れてはいるが、小さいながらも隠れた眺望スポット。
行こう、行こうと思いつつも、いたずらに時間だけが過ぎ、実現出来ずにいた。
今回はそんな思いを叶えた山旅。


燕温泉がスタート地点。温泉街を通り抜け、深い谷沿いの林道を歩いていくと、終点が見える。
登山道は橋を渡った先から始まる。


ブナの生い茂る森。
まとわりつく湿気、ぬかるんだ地面。
普段歩く山とは違う豪雪地帯の山なんだ、と身をもって実感。



大倉沢を渡る。
決して渡れない川幅ではないけど、過去に滑って、川に落ちたこと、腿を強打したことが浮かんできてつい腰が引けてしまう。
 


無事に対岸に渡ると、ズルズル滑りやすい登りが始まる。



メインの登山道ではないので、植物が我が物顔で道を覆わんとしている。野鳥たちも警戒なくのびのび囀ずってている。


植生が変わり、ダケカンバが多くなってきた。
ガスが深く、足元の急峻な谷間が見えず、流れの音だけが響く。



天気は雨に向かうかと思っていたが、次第に明るくなってきた。
もしかすると晴れ間が覗くかも。



木々の先には青い空が見える。
あの稜線は三ツ峰だろうか。


黄金清水に到着。
細やかな冷たい流れを口にすると、身体の疲れだけでなく、緊張感もするするほどけていく。



急坂はなくなったが、雪の重みで曲げられた木々が道を覆っている。
頭をぶつけないようにしないと。



この辺りは最近まで雪があったのだろう。夏の盛りの今、ようやく芽吹きが始まっている。


ついに念願の長助池へ到着。
ガスが絶え間なく流れては消えを繰り返し、幻想的な景色が見られる。


ワタスゲが湿原の景色を引き立ている。
それにしても、白い点でなく、面になるほどの群落とは。



この景色を見ることが叶えられた。
静かな感動に包まれているこの時間が
止まってしまえばいいのに、と思う。 



振り返れば妙高山が見下ろしている。
こちらも、丁度ガスが切れ、山頂が見える。



大げさだが、今日この日にこの場所にいることは自分の運命だったと考えてしまう。それにしてもこのタイミングで青空が広がり、嬉しさも倍増。
 
(続く)