私たち家族が仙台に永住することになったとき、
母は何度もつぶやいていた。
「ヒメちゃんとタローくんは、
東北弁の子になっちゃうのかしらねぇ…」
沼津にも聞き捨てならない
ダサダサな方言が数多くあるのを棚に上げ
「東北弁になっちゃう」
とはまた東北弁に対して失礼だが、
やはり東北地方に縁のない者からすれば、
東北=東北弁=聞き取れない
と言うイメージを拭い去れないのは理解できる。
しかし心配御無用。
仙台市内は転勤族の街。
ママ友にも子供たちにも
役所やお店の人にも
東北弁を話す人はほとんどいない。
青森や岩手の出身で、
お年寄りの東北弁を字幕なしで
理解できるという友達も何人かいるが、
彼女たちも普段話しているのは
関東の友達と変わらない標準語。
完全なバイリンガルである。
こちらへ来てから
「東北弁で何言ってるのか
全然わからない…!!!」
と意思の疎通困難を感じたのは
自動車学校のおじいちゃん先生と
うちを建ててくれた大工の棟梁ぐらい。
だからヒメとタローは
まったく東北弁はしゃべれないよ、
安心してお母さん、
と最近まで思っていたのだが。
あったのである。
いかに転勤族が全国各地から集まれど
ご当地色を拭い去れないジャンルが。
それは…
わらべうた(&伝統的な子供の遊び)!!
例えば「どちらにしようかな」。
お菓子を一つだけ選んでいいよと言われたのに
いくつかで迷ってしまったときなどにやる
あれである。
まず私が慣れ親しんだ
静岡県沼津市片浜地区バージョンを
ご披露しよう。
♪どちらにしようかな
神様の言う通り
ぎったんばっこんしようかな
隣のバカ娘に訊けば分かるよ
幼いころは当たり前のように口にしていたが
「隣のバカ娘」はひどい。
どこぞの教育機関の方が聞いたら
この地域の子は差別用語を口にしている!
などと問題にされそうだ。
とは言え私はこれに慣れ親しみ、
もちろん他の地域バージョンを知らなかったから、
自分の2人の子供たちが
当たり前のように仙台バージョンを
口にするのを聞いていささか驚いた。
♪どちらにしようかな
神様の言う通り
あべべのべのべ
鉄砲撃ってバンバンバン
柿の種
鉄砲を撃つのは何となくニュアンスが分かる。
だが「あべべのべのべ」は何だ。
なぜ柿の種に選択を任せる!?
最初は違和感だらけで
沼津バージョンに替えさせようかと思ったが、
どう考えても「隣のバカ娘」はおすすめできないので
あきらめた。
もっともタローなぞは
「…鉄砲撃ってバンバンバン!
かきのたね!!
え~っ、これ~~~?
これはちょっとなー…。
よし、これを抜かしてもう1回やってみよう。
♪どちらにしようかな…」
という調子なので
何でもいいっちゃ何でもいいのだが。
詳細は割愛するが
「花いちもんめ」なども
私がやっていた沼津バージョンと
子供たちの定番仙台バージョンはかなり違う。
同じ遊びをしているのに
自分がやってきたことを受け継いでもらえていない。
なかなか寂しいものである。
それからもう一つ。
カルチャーショックを受けるほどに違っていた
子供の遊びに必須の文言があるのだが
それはまた次回。
お楽しみに!
母は何度もつぶやいていた。
「ヒメちゃんとタローくんは、
東北弁の子になっちゃうのかしらねぇ…」
沼津にも聞き捨てならない
ダサダサな方言が数多くあるのを棚に上げ
「東北弁になっちゃう」
とはまた東北弁に対して失礼だが、
やはり東北地方に縁のない者からすれば、
東北=東北弁=聞き取れない
と言うイメージを拭い去れないのは理解できる。
しかし心配御無用。
仙台市内は転勤族の街。
ママ友にも子供たちにも
役所やお店の人にも
東北弁を話す人はほとんどいない。
青森や岩手の出身で、
お年寄りの東北弁を字幕なしで
理解できるという友達も何人かいるが、
彼女たちも普段話しているのは
関東の友達と変わらない標準語。
完全なバイリンガルである。
こちらへ来てから
「東北弁で何言ってるのか
全然わからない…!!!」
と意思の疎通困難を感じたのは
自動車学校のおじいちゃん先生と
うちを建ててくれた大工の棟梁ぐらい。
だからヒメとタローは
まったく東北弁はしゃべれないよ、
安心してお母さん、
と最近まで思っていたのだが。
あったのである。
いかに転勤族が全国各地から集まれど
ご当地色を拭い去れないジャンルが。
それは…
わらべうた(&伝統的な子供の遊び)!!
例えば「どちらにしようかな」。
お菓子を一つだけ選んでいいよと言われたのに
いくつかで迷ってしまったときなどにやる
あれである。
まず私が慣れ親しんだ
静岡県沼津市片浜地区バージョンを
ご披露しよう。
♪どちらにしようかな
神様の言う通り
ぎったんばっこんしようかな
隣のバカ娘に訊けば分かるよ
幼いころは当たり前のように口にしていたが
「隣のバカ娘」はひどい。
どこぞの教育機関の方が聞いたら
この地域の子は差別用語を口にしている!
などと問題にされそうだ。
とは言え私はこれに慣れ親しみ、
もちろん他の地域バージョンを知らなかったから、
自分の2人の子供たちが
当たり前のように仙台バージョンを
口にするのを聞いていささか驚いた。
♪どちらにしようかな
神様の言う通り
あべべのべのべ
鉄砲撃ってバンバンバン
柿の種
鉄砲を撃つのは何となくニュアンスが分かる。
だが「あべべのべのべ」は何だ。
なぜ柿の種に選択を任せる!?
最初は違和感だらけで
沼津バージョンに替えさせようかと思ったが、
どう考えても「隣のバカ娘」はおすすめできないので
あきらめた。
もっともタローなぞは
「…鉄砲撃ってバンバンバン!
かきのたね!!
え~っ、これ~~~?
これはちょっとなー…。
よし、これを抜かしてもう1回やってみよう。
♪どちらにしようかな…」
という調子なので
何でもいいっちゃ何でもいいのだが。
詳細は割愛するが
「花いちもんめ」なども
私がやっていた沼津バージョンと
子供たちの定番仙台バージョンはかなり違う。
同じ遊びをしているのに
自分がやってきたことを受け継いでもらえていない。
なかなか寂しいものである。
それからもう一つ。
カルチャーショックを受けるほどに違っていた
子供の遊びに必須の文言があるのだが
それはまた次回。
お楽しみに!