寿迎夢・寿迎夢

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死生観

2011-08-14 | Weblog
命は金で買うもの??

京大の山中教授グループのiPS細胞の基本技術が米国で特許を取得しました。
iPS細胞の特許はこれからの日本を支える基幹技術だけに、大変喜ばしいことです。

これからの日本は、チャイナに真似の出来ないこういう物や抗がん剤を
作っていく以外にないのだろう。

話は飛んで、私の母が生きていたら96歳の誕生日を迎えます。
88歳の時、胃癌の手術をして3年程は元気にしていました。

胃癌を発見した時、医者は「2ヵ所は取るが、1ヶ所は小さい事と取り難い
場所なので取らずにおきましょう。癌が先か寿命が先かでしょう」と言われた。

最後の入院となる時も、車で送りはしたが、自分で保険証とカードを握り締めて
受付を済ませていた。

「アリ様」は、遂に癌の発病で退院は出来ないと知っていたが、自分の足で
歩いて入院する気丈さに感心しました。

戦争を生き抜いてきた世代の生命力は、戦後生まれのひ弱な私たちから見ると、
驚愕するものがあります。

そんなひ弱な戦後世代の寿命の切り札がiPS細胞なのかも知れません。
失われた臓器の再生までが可能になると、人の寿命とか、死生観とか言う物は
どうなるのでしょう?

しかも、特定の高度先端治療を受けることの出来る医療保険に加入している
人たちだけがその恩恵を受けられる、と言うことになったりすると、
「命は金で買う」時代なのでしょうか?


先日仕事で知り合った社長さんが、「がんセンターで「放射線カプセル」を
埋め込む手術を受けて来ました」との話をされました。


そんな告白にも驚きますが、そんな治療を受けられる幸せ感があるのも事実です。
多分、これからはお金の無い人は従前医療の範疇で寿命を迎え、
お金のある人は「不老不死」に向けて生きながらえていくのではないかと
思ったりします。

どちらが幸せなのか?
最後を決めるのは「死生観」なのではないでしょうか?

久石譲 Joe Hisaishi -Summer-(菊次郎の夏・高音質)