先週、ターミナルケアに入っていた利用者さんが、ご家族さんが見守る中静かに旅立たれました。
享年99歳。
2年半前、うちの入所施設に入所された時は・・・
実は夜勤者泣かせの困った利用者さんでした。
他の特養や有料老人ホームをたらい回しにされて・・・ここが最後の砦。
片麻痺があるのにベッドから這い下りて廊下に出て大声を出す。
壁やテーブルなど硬いモノが近くにあると、わざと額をぶつけ流血。
デイに来所されても、やはりトラブルは絶えず・・・。
でも!明るい性格の方で、若かりし頃の武勇伝を披露してくださる時は目がキラキラと輝き、とても素敵な方でした。
一昨年の冬、もうこの冬は越せないだろう・・・と宣告されて
去年の夏の猛暑、夏も越せたね!と主治医をビックリさせ・・・
3月の初めには、もう・・・と家族さんが呼ばれ・・・・
そこから3週間も!!!驚異の生命力!!!
先々週の月曜日
デイに来られた時、その日は何故か顔色も良く
このところ、何も喉を通らなかったのに、エンシュアを少し固めたモノをひとくち・・
またひとくち・・・時間をかけて少しだけ食べ・・・
体温も血圧も正常値!
ただ血中酸素濃度の値だけが、命の灯がわずかな事を物語っています。。。。
『シャワー浴しますか?』
担当のナースに聞くと
『施設長(ナース&ケアマネ)に聞いてみます』と。。。。少し間が空いての返事。。。
通常ならこの状態でシャワー浴をすることはあり得ません。
でも・・・・・
担当ナース、介護職員、そして施設長・・・・皆口には出さなかったけれど、ひとつの共通した思いが・・・・。
施設長が迷いに迷った最終の決断。
『最後のチャンスになると思うので綺麗にしてあげて』との返答でした。
Mちゃんと私。
息の合ったコンビで、手早くシャンプー、身体もそっと丁寧に洗わせていただきました。
その日から4日後の早朝
ご家族様に見守られながら旅立たれたとの知らせを受けました。
担当ナースは
『あの場面でシャワー浴を申し出てくれてありがとう。綺麗な身体で逝けて良かった。
なかなかできない事ですよ』と言ってくれました。
確かに、怖かった。
もし入浴中息を引き取られたら・・・・というあの時の不安は言葉では表せません。
頑張ってくださってありがとう。。。
こんな貴重な経験をさせてくださってありがとう。。。
胸がいっぱいになりました。。。。
お孫さんやお嫁さん、息子さん娘さん、ご家族さんは毎日誰かが付き添いにいらして
たくさんの人に愛されていた・・・。
『できる限りの事をしたので、悔いはない』と
ずっとお世話をされてきたお嫁さん。
そう。。。。。
人の最期は誰にもわからない。だから・・・
毎日が大切なのだと思います。
こんな接し方をしたら・・・
あの言い方は良くなかったかも・・・・
介護の現場で日々起こる心の葛藤と反省、そして自責の念。
一期一会、一瞬一瞬を大切にしていかなければいけないと思います