想い出の歌~その9、というタイトルは今回から改めたい。
内容が直接伝わるもののほうがもっといいかと思ったから。
今日はその第1号で、ご案内のタイトルがその内容。
Roseyと出会った頃の話を以前書いた。
バス停で着物姿の彼女と出会い、一緒に銀座までお供して仲良くなった話である。
そのバス停近く、寮と研修センターを結ぶ道に小さな橋があった。
その橋を、寮生たちは昔から「思案橋」と呼んでいたそうだ。
朝、寮から研修センターへ行く時に渡りながら考える。
「授業に出ようか、サボって寮に戻ろうか」
それで「思案橋」と名付けたらしいが、私もずいぶん戻ったクチである。
そこで歌の話。Roseyはフランク永井の声がお気に入りだった。
「低音の魅力」で人気があったが、前回の三浦洸一と同じく、
あまり崩さずに歌うところも彼女は好きだったようだ。
ジャズ歌手なのに、即興性が欠けるよな、なんて私は思っていたけれど。
さて本題の歌は、フランク永井のカバー曲「思案橋ブルース」。
これはもともと男性グループの歌で、幾つかのグループが歌っていたはずだ。
たまたま私が見つけてRoseyに聴かせたら、「いいじゃない? これっ!」と喜んでくれた。
女性コーラスが入っていて、これがけっこういい味を出しているのだ。
聴きながら思った。歌詞に思案橋が出てこないのは何故だ?
調べてみると、長崎には丸山という遊郭があり、その近くに思案橋があったらしい。
「遊びに行こうか、散財せずに戻ろうか」というわけだ。
でも、遊郭が無くなったら、思案橋の意味も消え、歌詞にも出しずらい。
そこで歌詞をよく聴いてみた。
♪泣いているような長崎の町 雨にうたれて流れた二つの心は
帰らない帰らない無常の雨よ あ~あ長崎思案橋ブルース
♪呼んでくれるな俺の名前を 戻りはしないさ昔の気儘なこの俺
忘れてよ忘れてよ冷たい雨よ あ~あ以下同じ
♪夢は捨てたのさ今のこの俺 じっと孤独を噛みしめお前を好きだと
言ってみた言ってみた冷たい雨に あ~あ以下同じ
これって著作権法違反かも・・・と思いながらほとんど書いてしまった。
それはともかく、この歌の彼自身はやはり思案橋を渡っているのだ。
ただ、「昔」と「今」を「行きつ戻りつ」しているところが違うだけで。
「おヌシ、やるではないか」と作詞者を調べてみた。
最初に歌った何とかコロラティーノのバックバンドで、ペットを吹いていた男性らしい。
残念ながら作詞はこの一曲だけ。作詞者としてもやれて行けたのに・・・。
歌の思案橋はこれでおしまい。
でも、思案橋の想い出はまだ他にもあるので続きは明日にでも・・・。
[Rosey]