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民間療法による医療事故の立証責任は誰にあるか ?

2018-02-05 18:10:00 | 民間療法による医療事故
初回記載:2018年2月5日


追記:2018年2月14日
民間療法に関する主張は、新たに民間療法反対論(https://blogs.yahoo.co.jp/gcpmamoru)というブログに記載していくことにしました。




 本日は関連する記事を他にも2本書いていますので、そちらも参照ください (またカテゴリーは特発性側弯症と民間療法になります)

 「消費者庁よりの 注意喚起 - 法的資格のない施術者による事故

 「整体というビジネス...... 全ての病気、疾患、痩身、そして精神疾患さえも、全て「整体」で治る、という世界


 類似カテゴリーとして-カイロプラクティック&そくわんヨガ-もあり、下記はその中の1トピックスからコピーしました。 

 「民間療法の危険から身を守る方法は ?



2010年4月17日ケルトさんより寄せられたコメントより :

「.......アメリカで資格を取ったカイロの先生にカイロ台で治療してもらった事があります。
首を左右に回転させてからカイロ台でゆがみを矯正してもらいました。

矯正後すぐは姿勢が真っ直ぐになりスッキリした身体になり「凄い」と思ったのですが、
治療院をでて駅に向かって歩いている途中で急激に凄まじい吐き気、眼まい、気持ち悪さ
熱がでて帰宅して横になるまで地獄のようでした。

次の日から体調は急激に崩れ学校を休学するほどになりました。

本屋などで民間療法での過激な治療で被害をうけたかたの本があります。
裁判になっても勝つことが難しく非常に大変なようです」

(comment by august03)
・上記の患者さんからのメモは、ネツト上の匿名さんからのものであり、カイロ業界流にいえば、事故が発生したことの何の証拠も証明にもならない。ウソでないことを証明できないだろう、因果関係があると証明できないだろう」という範疇のものになります。 まさにそのとうりです。一種の印象操作と言われても反論はできません........印象操作は民間療法者がもっとも得意とする宣伝方法ですが、今回の消費者庁の注意喚起も、カイロ業界からは印象操作だ、根拠はない、と消費者庁を責め立てているわけです。自分たちのことは棚に上げても、他者がそれをすると許せないようです。

・私はさきのブログ内で、次のように記載しました。

  この世界に100%はありえない。完全無欠なカイロプラクティックというものもありえない。
  その思想が根底にあってこそ、事故や不具合を検証し、そこから次のステップに進める、というものです。

  業界団体の主張は、自分達は100%完全無欠な施術だ、どこにも事故を起こす要素はない。という思想を根底においた主張をしている
  そのこと自体がすでに、考え方・あるべき姿から逸脱していることに気づくべき。



 カイロプラクティックとて、人間のしていることですから、不具合・事故は起こり得ます。そして実際にはそれは起こっています。それをここでは医学文献を用いて証明したいと思います。


 Manipulation of the cervical spine: a systematic review of case reports of serious adverse events, 1995-2001. メディカルジャーナルオーストラリア 2002年

頸椎に対する施術:文献アブストラクトとリンクを貼りましたで、原文(英語)も読むことができます。ここに述べられていることの要旨は次のとおりです。

・1995~2001年までの医学文献をレビューした ・31件の事故報告があった (生後3か月~87歳) ・多くの事故はカイロプラクティック施術であった
・脳卒中を引き起こしうる動脈解離は少なくとも18例あった 


Risks associated with spinal manipulation. アメリカンジャーナルメディシン 2002年 脊椎に対する施術に関するリスク

・脊椎に対する施術を受けた人の約半数で一時的な不具合を経験していた ・重篤な事故としては、椎間板ヘルニア、馬尾症候群などもあった
・発生率の推定としては、40万回に1例~200万回に1例 ・施術に対する厳格な安全性調査が求められる


被害を受けているのは大人だけありません。下記は児童における施術事故の調査報告です。

Adverse events associated with pediatric spinal manipulation: a systematic review. 小児学 2007

・重篤例としては、くも膜下出血、脊髄損傷 ・中等度の事故としては、激しい頭痛など
・また施術を受けていることで、間接的なトラブルとしては、医療機関への受診が遅れて病気の発見が遅れた というようなことが発生していた


また下記の文献本体はPDFで入手することが可能な文献です。

Manual medicine related injuries experienced by physicians: a missing aspect in therapies using manipulation of joints.
エビデンスベースドメディシン 2015年

これはドイツの正式な資格を持つ「整形外科医師」等から集められたデータを集計したものですが、正規に教育訓練を受けた医師であっても、施術による事故が起こりうることをデータとして示している、という意味でたいへん貴重な報告です。




・カイロプラクティック業界は、

  「自分達は、適正な教育訓練をしており、施術によるリスクも学ばせている」

  「したがって、当団体の正規会員は施術による事故など起こすはずがない」

  「事故を起こしたとすれば、それは当団体とは関係のない施術者によるものだ」

  「そもそも その事故は本当にあったものなのか? .....カイロプラクティックでは事故などありえない」

  「もしそれがかいろカイロプラクティックによる事故だというなら、その因果関係を証明しろ」

  「因果関係が証明できないのなら、それはカイロプラクティックによる事故ではない」


このような主張がいかにまやかしであり、腹立たしいほどの開き直りであるか、ということは述べるまでもないのと思います。

上記に示したものはグーグルで英語検索した結果ですが、引き続き、国内での施「カイロ、整体などの施術による事故」に関する文献を検索してみたいと思います。

(この項、続く)

august03

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