初回記載:2018年2月10日
追記:2018年2月14日
民間療法に関する主張は、新たに民間療法反対論(https://blogs.yahoo.co.jp/gcpmamoru)というブログに記載していくことにしました。
カテゴリー:民間療法と医療事故の継続記事です。側弯症情報から離れてしまっていますが、民間療法の弊害を明確に
しておくことは、特発性側弯症の治療環境に大切なことですので、もう少しこのカテゴリーで情報を検索し
考察してみました。
カイロプラクティックのホームページを見ますと、頻回に次のような文章を目にします。
・カイロプラクティックは世界保健機関(WHO)が代替医療の中で正規に認めたヘルスケアであり、
アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、スイスなど、
先進国40カ国以上において法律において認可されている。
・カイロプラクターになるには専門大学を卒業しなければならず、
欧米では医学部に匹敵する教育レベル(4200時間・医学部は約4300時間)の履修が必須
そして、そのWHOガイドラインには、施術.....ここではその中でももっとも危険性の高い頚椎の部分を引用してみます....について下記が記されています。 太字はaugust03によるものです。
◇世界保健機関 - カイロプラクティックの基礎教育と安全性に関するWHOガイドライン
スラスト(Thrust)
患者の身体の適切な部位に、調節された一定方向の力を手で素早く加えることであり、
アジャストメントとしての効果がある。
-極めてまれな例では、血管が脆弱な患者へのマニュピレーション・アジャストメントは、
万が一の重大な事故を引き起こす最終的な侵襲となるかもしれない。
-頚椎マニュピレーションに起因する椎骨動脈症候群は若年性に起こる。
平均年齢は40歳以下の、男性より女性に多くみられる。
(略) 500万回の治療が行われたが、マニュピレーションに関連する椎骨動脈症候群は
1回も起こらなかったと評価された。
-(略)様々な意見がある。数千回のマニュピレーションのうち致命傷になるのは
1回しかないというものから、1千万回に1回、100万回に1回、
もう少し高い確率としては40万回の頚椎マニュピレーションの
うち1回重大な合併症が起こる」という報告まである。
-重大な合併症は非常にまれであり、副作用は純粋に治療方法に起因するとは考えにくい。
(comment by august03)
・上記のWHOガイドラインの記載を要約すると、次のようになるでしょう。
①WHOガイドラインでは頚椎への施術「スラスト」が認められている
②きわめてまれではあるが、重大事故が起こるかもしれない。
しかし、これは本当にごくごく稀なことであって、無視しえるものである。
←←ネツトで「カイロ、米国モデル、ケイテイメイ」を参照下さい。
・このようなWHOガイドラインの示唆に基づいて、国内のカイロプラクティックのホームページには、次のような説明が示されています。 太字はaugust03によるものです。
「頚椎スラストについて: 1991年7月に厚労省は三浦レポートをもとに
「通達」において非国家資格であるカイロプラクターによる頚椎アジャストを禁止しました。
詳しく言うと、通達は「法律」ではないため、法的に禁止されたというわけではありません
行政内部でのお達しという位置づけであり、直接、規制処罰できるものではありません。
整体やカイロプラクティックに関する法律はないので
厚労省や保健所などが管理できる状況ではありません。
よって実際の運用としては、頚椎アジャストは処罰の対象になる「禁止」ではなく
「警告」にあたるものとなっております。
ただし、脊髄損傷、半身不随などの障害が起こった場合は、
事故・傷害事件となり警察が動き、処罰されます。
つまり、こういうことです。
・頚椎スラストを施術として実施することは、禁止されていない。
整体、カイロプラクティック等の民間療法は、厚生労働省が管理しているわけではないので、我々は自由に施術ができる。ただし、重大事故を起こすと、警察に捕まるので、そこは注意が必要。
・そして、このような考え方で施術しているカイロプラクターが所属している団体のホームページには、消費者庁の注意喚起に対する正式抗議として、次の文章が掲載されています。 太字はaugust03によるものです。
(1)通達の内容が架空の被害報告ではない、
(2)カイロプラクティックの名称を用いる施術者の教育背景を明らかにする、
(3)施術者が用いる手技と患者の訴える被害の間に因果関係がある 、の三点が検証されていない。
・つまり、要約しますと、
・我々はWHO基準に基づいた適正な教育を会員に施してる。
WHO基準を満たした会員の施術でミスが起こるわけがない。
また、報告事例と施術との間に因果関係があることを証明できたのか?
証明できないことで、カイロプラクティックを一方的に批判するのは止めて欲しい。
ということでしょう。
医療事故において、医療処置と事故との因果関係を証明することは、実際非常に難しいことです。ここでその難しさを説明するまでもなく、ニュースやテレビドラマ等でも見聞きしておられると思います。そして、うがった見方をすれば、WHOガイドラインを記載した人たちも、それを見越しているがゆえに、重大事故はあるかもしれないが、まず考えられない。あったとしても、因果関係はわかるわけもないし。というスタンスをとったように、私には見えます。
さらに、彼らの主張は、WHO基準の教育を施された者は「ミス」しない。ということなわけですが、では、日本の教育制度にもとづいて、大学医学部で学んだ医師は、いかがなのでしょうか? WHO基準の教育と諸外国の医師教育とはほぼ同一のようです。おそらく、それは日本の医学部教育とも同等なのではないでしょうか? では、当然、医師は「ミス」をしない?
彼らの主張は下記を印象づけようとしているのでしょう
医学部教育を受けた「医師」はミスをするけれど、WHO基準で教育された「カイロプラクター」はミスはしない。
もう一度 書きます。
日本の医学部教育を受けた「医師」はミスをするけれど、
WHO基準で教育された「カイロプラクター」はミスは絶対しない。
これと同じ言説もよく整体、カイロプラクティック等の民間療法のホームページで目にします。
日本の医者には治せない。しかし、私の施術では「治せる」
・事故が起こるかどうかは、確率という切り口で考えることはできます。そして、確率上、1/1千万回であろうと、1/1万回であろうとそれはゼロではない。ということです。自分の身になって考えてみたとき、あなた(私)が、その 1/1千万回 になることはありえるわけです。1/1千万回だから仕方ないと諦めろと言うのでしょうか? 「私」はたったひとりであり、「私」にとってのそれは絶対発生して欲しくないことなのです
・でも、それが発生した場合、「因果関係」を証明するのは被害者である「私」です。
・ネットで「カイロプラクティック 保険」で検索してみてください。そこには「施術者の賠償責任補償」という保険の広告を見つけることができます。この保険は、カイロプラクティックや整体施術者側が「事故」に備えてのものですが、そこに記載されているのは
-患者との対応は「このマニュアルどうりにすること」
-当社に相談せずに、勝手な回答はせずに、いったん保留にすること
というような、患者とのトラブル対応方法を親切丁寧にお教えします。というビジネスが展開されているのを見ることができるでしょう。
さらに、その補償事項を注意深く読んでいただければわかりますが、この保険は「施術にもとづく事故には保険金はでません」と書かれています。
これは、保険会社も「因果関係」は証明できるわけないのだから、裁判になるならそれでいいではないか、なまじ施術の事故に保険金を補償したら、保険会社が赤字になってしまう。というようなビジネス思考から生まれたものなのだろうと思います。
☞ ほんとに良くできたビジネスモデルです。
・日本の医学教育を上回る WHO世界保健機構 を背景として
・日本の医師では治せない病気も全て治すことができ
・なにかトラブルがあった際には、その相談窓口となる上部団体があり
・事故があったとしても、「因果関係」の証明はできないのだから、と会員を教育し
・厚生労働省は忙しすぎてこちらには手が回らないから、警察沙汰にだけは気をつける
☞ ビジネスの実態がどうであれ、その「施術」がすぐれているのなら、
それで良いではないですか ?
と考えている方もおられると思います。
「結果」がよければ、施術の理屈なんて知る必要もないし、聞いてもわからないから。
と思っている方もおられると思います。
実際、私august03にも、どうして「彼らの施術」が効果を持つのか、
その機序・医学的原理がわかりません。
なぜなら、私のような「西洋医学」を勉強してきた者には、わかるわけがない、
とWHOガイドラインでも述べられているのです。
☞ 「西洋医学」とは全く異なるのだ、ということは、日本の整形外科医の文献にも記載されていました。下記は、日本腰痛会誌 11, 2005年「急性腰痛に対するカイロプラクティック的手法」竹谷内宏明医師 からその説明をコピーしたものです
・カイロプラクティックは現代医学とは病気に対する概念が全く異なる
・病因論も治療体系も同列に論じることはできない。
(病気の原因の説明や、その治療方法も西洋医学とは異なる、ということ)
・医学的な病名のどれにカイロプラクティックが有効かを述べても無意味。
・カイロプラクティックではサブラクゼーションを医学でいう亜脱臼とは異なる意味で持ちいている
・「神経系の健全さに影響を及ぼす、機能的/構造的/病理的関節変化の複合であり、
それは各器官機能や健康全般に影響を与える」
・サブラクゼーションは西洋医学的観点からは難解で理解しにくい概念
☞ 西洋医学とは異なるものなのだから、西洋医学の知識で理解しようとしてもそれは無理。と明確に述べておられるわけです。
まさに「神経系の.....」などは何を言っているのか、まったく理解できません。
そして、カイロプラクティックの有効性は、次によって証明されているのだから、
西洋医学を学んだ人も、謙虚にそれを認めれば良い、と結論づけられています。
過去の歴史が証明している、と。
☞ 上記をまとめてみます。
①カイロプラクティックは、
西洋医学とは異なるものである。西洋医学の学問では理解できないものである。
②その効果は、歴史的事実であり、それを WHO世界保健機構 は 認めている。
③認めていないのは日本くらいのものだ。
④WHO世界機構が定めた教育プログラムで学んだ者は、
日本の医学教育で学んだ医師よりも優れている。
⑤だから、定められた教育プログラムで学んだものはミスは起こさない
⑦ミスをして問題を起こして居るのは「自称カイロ」であって、
WHOが認めた団体会員はそのようなことは起こさない
と、こういう感じになるかと思います。 整体、カイロプラクティック等の民間療法を利用するかどうかは「自己責任」というのが日本の現状です。 ネットを検索しますと、適正なカイロプラクティックと「自称カイロ」を区別して、適正なカイロを保護、育成して、日本にも法律のもとでのカイロプラクティックを広めることが国民の医療に貢献する道ではないのか? と論陣を張っておられるサイトもあります。行政が怠慢で、既存の医学会からの圧力に負けて岩盤規制を敷いてきた為に、あれよあれよというまに、「自称カイロ」「整体」等が雨後の筍のように生えてしまったのだ、と行政を非難する声もあります。
カイロプラクティックを巡る問題は根が深いようです。さらに勉強させてていただいてあらためてご紹介したいと思いますが、ここでは、私の私見として次のことを述べさせていただきたいと思います。
・「医学書」....WHO流に言えば「西洋医学書」かもしれませんが....を読めば、
ある病気や疾病についてそれがどういう原因や病態であるかが、時には細胞レベルで、
時に臓器や骨格、血管、神経の解剖レベルで説明され、そしてどうすることで
「治療」するかについて記載されています。
・この「治療」とその結果は、他の大学、医療機関、医師、医療関係者や科学者達により
追試や検証などが行われることが「医学システム」として構築されてきました。
EBMエビデンスベースドメディシン「科学的根拠にもとづく医療」です。
・医学、医療の進歩は、行ったり来たり、三歩前進二歩後退のように、
一筋縄ではいかないことが多々ありますしそれは現在でも
状況は変わってはいません。
・しかし、日本が世界に冠たる医療先進国であることは世界中の人たち、
世界中の国が認めるところです。
それは単に医療技術にとどまらず、国民皆保険制度に代表される
「医療制度、保健制度」がシステムとして構築されている、ということを含めてです。
・これらの基本は「医学」の上に成立しています。
・そこに「医学」とは異なり、「医学」では理解できない「治療法」を持ち込み、
WHOが認めているのだから「正しい」「歴史が証明している」
それに反対するのは後進国の発想だ、という。
・この論理展開は「科学」ではありません。「非科学」と「科学」とを同一に並べて、
日本の医療環境をどうやって構築するのでしょう。
・「非科学」は「これは非科学です」と正直に告知し、
それが非科学であることを納得した人が自己責任でその「サービス」を受ける。
・現在の混沌は、「非科学」であると自らが認めている WHOの言葉を正確に伝えずに
カイロプラクティックは「代替医療としてWHOも認めている」という
フレーズを用いた印象操作をすることでカイロプラクティックが
「代替医療」という名前の「医療」の一部だ、
という一般市民の「善意の理解?」を利用したビジネス展開をしていることに、
そもそもの原因があるのではないでしょうか ?
august03
参照:
http://www.sciencecomlabo.jp/alternative_medicine/chiropractic.html
疑似科学とされるものの科学性評定サイト
追記:2018年2月14日
民間療法に関する主張は、新たに民間療法反対論(https://blogs.yahoo.co.jp/gcpmamoru)というブログに記載していくことにしました。
カテゴリー:民間療法と医療事故の継続記事です。側弯症情報から離れてしまっていますが、民間療法の弊害を明確に
しておくことは、特発性側弯症の治療環境に大切なことですので、もう少しこのカテゴリーで情報を検索し
考察してみました。
カイロプラクティックのホームページを見ますと、頻回に次のような文章を目にします。
・カイロプラクティックは世界保健機関(WHO)が代替医療の中で正規に認めたヘルスケアであり、
アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、スイスなど、
先進国40カ国以上において法律において認可されている。
・カイロプラクターになるには専門大学を卒業しなければならず、
欧米では医学部に匹敵する教育レベル(4200時間・医学部は約4300時間)の履修が必須
そして、そのWHOガイドラインには、施術.....ここではその中でももっとも危険性の高い頚椎の部分を引用してみます....について下記が記されています。 太字はaugust03によるものです。
◇世界保健機関 - カイロプラクティックの基礎教育と安全性に関するWHOガイドライン
スラスト(Thrust)
患者の身体の適切な部位に、調節された一定方向の力を手で素早く加えることであり、
アジャストメントとしての効果がある。
-極めてまれな例では、血管が脆弱な患者へのマニュピレーション・アジャストメントは、
万が一の重大な事故を引き起こす最終的な侵襲となるかもしれない。
-頚椎マニュピレーションに起因する椎骨動脈症候群は若年性に起こる。
平均年齢は40歳以下の、男性より女性に多くみられる。
(略) 500万回の治療が行われたが、マニュピレーションに関連する椎骨動脈症候群は
1回も起こらなかったと評価された。
-(略)様々な意見がある。数千回のマニュピレーションのうち致命傷になるのは
1回しかないというものから、1千万回に1回、100万回に1回、
もう少し高い確率としては40万回の頚椎マニュピレーションの
うち1回重大な合併症が起こる」という報告まである。
-重大な合併症は非常にまれであり、副作用は純粋に治療方法に起因するとは考えにくい。
(comment by august03)
・上記のWHOガイドラインの記載を要約すると、次のようになるでしょう。
①WHOガイドラインでは頚椎への施術「スラスト」が認められている
②きわめてまれではあるが、重大事故が起こるかもしれない。
しかし、これは本当にごくごく稀なことであって、無視しえるものである。
←←ネツトで「カイロ、米国モデル、ケイテイメイ」を参照下さい。
・このようなWHOガイドラインの示唆に基づいて、国内のカイロプラクティックのホームページには、次のような説明が示されています。 太字はaugust03によるものです。
「頚椎スラストについて: 1991年7月に厚労省は三浦レポートをもとに
「通達」において非国家資格であるカイロプラクターによる頚椎アジャストを禁止しました。
詳しく言うと、通達は「法律」ではないため、法的に禁止されたというわけではありません
行政内部でのお達しという位置づけであり、直接、規制処罰できるものではありません。
整体やカイロプラクティックに関する法律はないので
厚労省や保健所などが管理できる状況ではありません。
よって実際の運用としては、頚椎アジャストは処罰の対象になる「禁止」ではなく
「警告」にあたるものとなっております。
ただし、脊髄損傷、半身不随などの障害が起こった場合は、
事故・傷害事件となり警察が動き、処罰されます。
つまり、こういうことです。
・頚椎スラストを施術として実施することは、禁止されていない。
整体、カイロプラクティック等の民間療法は、厚生労働省が管理しているわけではないので、我々は自由に施術ができる。ただし、重大事故を起こすと、警察に捕まるので、そこは注意が必要。
・そして、このような考え方で施術しているカイロプラクターが所属している団体のホームページには、消費者庁の注意喚起に対する正式抗議として、次の文章が掲載されています。 太字はaugust03によるものです。
(1)通達の内容が架空の被害報告ではない、
(2)カイロプラクティックの名称を用いる施術者の教育背景を明らかにする、
(3)施術者が用いる手技と患者の訴える被害の間に因果関係がある 、の三点が検証されていない。
・つまり、要約しますと、
・我々はWHO基準に基づいた適正な教育を会員に施してる。
WHO基準を満たした会員の施術でミスが起こるわけがない。
また、報告事例と施術との間に因果関係があることを証明できたのか?
証明できないことで、カイロプラクティックを一方的に批判するのは止めて欲しい。
ということでしょう。
医療事故において、医療処置と事故との因果関係を証明することは、実際非常に難しいことです。ここでその難しさを説明するまでもなく、ニュースやテレビドラマ等でも見聞きしておられると思います。そして、うがった見方をすれば、WHOガイドラインを記載した人たちも、それを見越しているがゆえに、重大事故はあるかもしれないが、まず考えられない。あったとしても、因果関係はわかるわけもないし。というスタンスをとったように、私には見えます。
さらに、彼らの主張は、WHO基準の教育を施された者は「ミス」しない。ということなわけですが、では、日本の教育制度にもとづいて、大学医学部で学んだ医師は、いかがなのでしょうか? WHO基準の教育と諸外国の医師教育とはほぼ同一のようです。おそらく、それは日本の医学部教育とも同等なのではないでしょうか? では、当然、医師は「ミス」をしない?
彼らの主張は下記を印象づけようとしているのでしょう
医学部教育を受けた「医師」はミスをするけれど、WHO基準で教育された「カイロプラクター」はミスはしない。
もう一度 書きます。
日本の医学部教育を受けた「医師」はミスをするけれど、
WHO基準で教育された「カイロプラクター」はミスは絶対しない。
これと同じ言説もよく整体、カイロプラクティック等の民間療法のホームページで目にします。
日本の医者には治せない。しかし、私の施術では「治せる」
・事故が起こるかどうかは、確率という切り口で考えることはできます。そして、確率上、1/1千万回であろうと、1/1万回であろうとそれはゼロではない。ということです。自分の身になって考えてみたとき、あなた(私)が、その 1/1千万回 になることはありえるわけです。1/1千万回だから仕方ないと諦めろと言うのでしょうか? 「私」はたったひとりであり、「私」にとってのそれは絶対発生して欲しくないことなのです
・でも、それが発生した場合、「因果関係」を証明するのは被害者である「私」です。
・ネットで「カイロプラクティック 保険」で検索してみてください。そこには「施術者の賠償責任補償」という保険の広告を見つけることができます。この保険は、カイロプラクティックや整体施術者側が「事故」に備えてのものですが、そこに記載されているのは
-患者との対応は「このマニュアルどうりにすること」
-当社に相談せずに、勝手な回答はせずに、いったん保留にすること
というような、患者とのトラブル対応方法を親切丁寧にお教えします。というビジネスが展開されているのを見ることができるでしょう。
さらに、その補償事項を注意深く読んでいただければわかりますが、この保険は「施術にもとづく事故には保険金はでません」と書かれています。
これは、保険会社も「因果関係」は証明できるわけないのだから、裁判になるならそれでいいではないか、なまじ施術の事故に保険金を補償したら、保険会社が赤字になってしまう。というようなビジネス思考から生まれたものなのだろうと思います。
☞ ほんとに良くできたビジネスモデルです。
・日本の医学教育を上回る WHO世界保健機構 を背景として
・日本の医師では治せない病気も全て治すことができ
・なにかトラブルがあった際には、その相談窓口となる上部団体があり
・事故があったとしても、「因果関係」の証明はできないのだから、と会員を教育し
・厚生労働省は忙しすぎてこちらには手が回らないから、警察沙汰にだけは気をつける
☞ ビジネスの実態がどうであれ、その「施術」がすぐれているのなら、
それで良いではないですか ?
と考えている方もおられると思います。
「結果」がよければ、施術の理屈なんて知る必要もないし、聞いてもわからないから。
と思っている方もおられると思います。
実際、私august03にも、どうして「彼らの施術」が効果を持つのか、
その機序・医学的原理がわかりません。
なぜなら、私のような「西洋医学」を勉強してきた者には、わかるわけがない、
とWHOガイドラインでも述べられているのです。
☞ 「西洋医学」とは全く異なるのだ、ということは、日本の整形外科医の文献にも記載されていました。下記は、日本腰痛会誌 11, 2005年「急性腰痛に対するカイロプラクティック的手法」竹谷内宏明医師 からその説明をコピーしたものです
・カイロプラクティックは現代医学とは病気に対する概念が全く異なる
・病因論も治療体系も同列に論じることはできない。
(病気の原因の説明や、その治療方法も西洋医学とは異なる、ということ)
・医学的な病名のどれにカイロプラクティックが有効かを述べても無意味。
・カイロプラクティックではサブラクゼーションを医学でいう亜脱臼とは異なる意味で持ちいている
・「神経系の健全さに影響を及ぼす、機能的/構造的/病理的関節変化の複合であり、
それは各器官機能や健康全般に影響を与える」
・サブラクゼーションは西洋医学的観点からは難解で理解しにくい概念
☞ 西洋医学とは異なるものなのだから、西洋医学の知識で理解しようとしてもそれは無理。と明確に述べておられるわけです。
まさに「神経系の.....」などは何を言っているのか、まったく理解できません。
そして、カイロプラクティックの有効性は、次によって証明されているのだから、
西洋医学を学んだ人も、謙虚にそれを認めれば良い、と結論づけられています。
過去の歴史が証明している、と。
☞ 上記をまとめてみます。
①カイロプラクティックは、
西洋医学とは異なるものである。西洋医学の学問では理解できないものである。
②その効果は、歴史的事実であり、それを WHO世界保健機構 は 認めている。
③認めていないのは日本くらいのものだ。
④WHO世界機構が定めた教育プログラムで学んだ者は、
日本の医学教育で学んだ医師よりも優れている。
⑤だから、定められた教育プログラムで学んだものはミスは起こさない
⑦ミスをして問題を起こして居るのは「自称カイロ」であって、
WHOが認めた団体会員はそのようなことは起こさない
と、こういう感じになるかと思います。 整体、カイロプラクティック等の民間療法を利用するかどうかは「自己責任」というのが日本の現状です。 ネットを検索しますと、適正なカイロプラクティックと「自称カイロ」を区別して、適正なカイロを保護、育成して、日本にも法律のもとでのカイロプラクティックを広めることが国民の医療に貢献する道ではないのか? と論陣を張っておられるサイトもあります。行政が怠慢で、既存の医学会からの圧力に負けて岩盤規制を敷いてきた為に、あれよあれよというまに、「自称カイロ」「整体」等が雨後の筍のように生えてしまったのだ、と行政を非難する声もあります。
カイロプラクティックを巡る問題は根が深いようです。さらに勉強させてていただいてあらためてご紹介したいと思いますが、ここでは、私の私見として次のことを述べさせていただきたいと思います。
・「医学書」....WHO流に言えば「西洋医学書」かもしれませんが....を読めば、
ある病気や疾病についてそれがどういう原因や病態であるかが、時には細胞レベルで、
時に臓器や骨格、血管、神経の解剖レベルで説明され、そしてどうすることで
「治療」するかについて記載されています。
・この「治療」とその結果は、他の大学、医療機関、医師、医療関係者や科学者達により
追試や検証などが行われることが「医学システム」として構築されてきました。
EBMエビデンスベースドメディシン「科学的根拠にもとづく医療」です。
・医学、医療の進歩は、行ったり来たり、三歩前進二歩後退のように、
一筋縄ではいかないことが多々ありますしそれは現在でも
状況は変わってはいません。
・しかし、日本が世界に冠たる医療先進国であることは世界中の人たち、
世界中の国が認めるところです。
それは単に医療技術にとどまらず、国民皆保険制度に代表される
「医療制度、保健制度」がシステムとして構築されている、ということを含めてです。
・これらの基本は「医学」の上に成立しています。
・そこに「医学」とは異なり、「医学」では理解できない「治療法」を持ち込み、
WHOが認めているのだから「正しい」「歴史が証明している」
それに反対するのは後進国の発想だ、という。
・この論理展開は「科学」ではありません。「非科学」と「科学」とを同一に並べて、
日本の医療環境をどうやって構築するのでしょう。
・「非科学」は「これは非科学です」と正直に告知し、
それが非科学であることを納得した人が自己責任でその「サービス」を受ける。
・現在の混沌は、「非科学」であると自らが認めている WHOの言葉を正確に伝えずに
カイロプラクティックは「代替医療としてWHOも認めている」という
フレーズを用いた印象操作をすることでカイロプラクティックが
「代替医療」という名前の「医療」の一部だ、
という一般市民の「善意の理解?」を利用したビジネス展開をしていることに、
そもそもの原因があるのではないでしょうか ?
august03
参照:
http://www.sciencecomlabo.jp/alternative_medicine/chiropractic.html
疑似科学とされるものの科学性評定サイト