~step by step~[ 側弯症ライブラリー]患者の皆さんへ

側弯症(側わん症/側湾症/そくわん)治療に関する資料と情報を発信するためのブログです

実質的に抜去することのないインプラント。しかし添付文書には「医師と患者の判断で抜去せよ」と書かれている現実。これって?

2019-08-19 22:15:24 | 手術による合併症

 8月17日「全ての利益は医療メーカーに、全ての責任は医師に、

 そして全ての苦労は患者に 。この現実に変革を!」
において

 骨癒合後に体内に埋め込まれたインプラント(インスツルメンテーション)はどうすべきか?

 という切り口で記載しました。


 体調不良もあり、下調べが不足でしたので、少なくとも本日、現時点で 幾つかの

 キーワードでグーグル検索してみた結果をここに記載してみました。

 ただ、以前のように深堀した調査するには体力気力がありませんので、ここでも

 舌足らず的な内容になってしまっているかもしれませんこと、お許しいただきたいと

 思います。


 国内の医学文献として明確に骨癒合後のインプラントを抜くかどうかを主題と

 するものは新しく発見することはできませんでした。

 ですので、文献としての情報は過去に報告した次の記事を参照いただきたいと

 思います。

 カテゴリー : 脊椎インスツルメンテーション抜釘のリスクとベネフィット

 2017年11月16日「AIS側弯症脊柱固定術後のインスツルメンテーションの抜釘は必要?


 2007年12月17日「(重要) 術後何年かでインスツルメンテーションは抜去する? No.2」


 2007年6月8日「術後何年かでインスツルメンテーションは抜去する?



 本日の時点で、グーグルから得られたのは、脊椎専門のサイトからの次の記載です


 ・脊椎手術.comより

 →手術で挿入したネジやロッド(支柱)は基本的には抜去しません。

  まれに、感染や、ネジの頭が皮膚に当たって痛みがある場合、

  また本人の希望により抜くこともあります。


 →背中に金属が入っていることで心配される場合があります。

  金属があたって痛いということもありませんし、

  これまでに250人以上の患者さんを手術していま すが、

  不都合で金属を抜去しなければならないことはありませんでしたので、

  あまり気にせずに生活されると良いと思います。



 ・日本脊柱変形協会 Q &A より








 
 
 海外のサイトでも状況は同様でした。

 そこに記載されている内容は、国内での説明とほぼ同じであり、より言葉多く説明

 している、という感じです。


 ・spine universe

  SPINAL FISION INSTRUMENTATION REMOVAL : Pros and Cons

 原文のまま少しここに転記します。




 However, it’s important to call your surgeon between those appointments if you experience pain outside what was described to you as typical post-operative pain. Severe pain could indicate a problem with your instrumentation, including loosening, displacement, infection, or irritation of the surrounding spinal structures

 Below are some of the most common spinal instrumentation problems:


 典型的なインプラントにより不具合を示す。

 Loosening of instrumentation: インプラントの緩み
 Broken instrumentation: インプラントの破損
 Moved instrumentation:  インプラントが固定した位置からズレる
 Subsidence of a cage or interbody device: インプラントが沈下する

 Why Your Surgeon May Remove Your Spinal Instrumentation
Your surgeon may decide to remove your spinal instrumentation for any of these reasons:

 医師がインプラントを除去しようと考える主な理由

 If the pain is relentless  
 痛みが取れず、持続している

 If the hardware has loosened
 インプラントの緩み

 If the hardware has become infected
 感染が生じた場合

 If the hardware is irritating other tissues such as the nerves or spinal cord
 インプラントが神経や脊髄を圧迫して、痛みが発生している場合


 Why Your Surgeon May Recommend Not Removing Your Spinal Instrumentation

 除去すべきかどうかで医師も悩むのは、

 While it may be clear that problematic spinal instrumentation is causing your pain after surgery, your surgeon may recommend not removing the instrumentation. Why? Because undergoing a second surgery puts you at risk for additional complications. Remember, spine surgery is a major procedure and should not be taken lightly. Plus, removing the instrumentation alone may not eliminate your pain.

 インプラントを除去する再手術というのは簡単なものではなく、

 新たなリスクを患者に与えるうるものである

 ときには、インプラントを除去したからといって“痛み”が直ちに消える事を
 保証するものではない



Ultimately, it’s essential to have an open and honest dialogue with your spine surgeon about the pros and cons of undergoing a second surgery to remove spinal instrumentation. Simply because the instrumentation did not perform as expected may not warrant an additional surgery. Understanding the clear risks and benefits of undergoing a second surgery will help you make a decision that is best for you. Always remember “the decision is far more important than the incision.”


 再手術に伴うリスクとベネフィットについては、医師から十分に説明を聞き
 
 十分に話し合う必要があります

 「決断を下すことは、手術以上に難しく、そして重要なことです」






   私august03も、頚椎症性脊髄症と診断され、確かに自分の身体が以前のようでは

   ない、という自覚のなかで、いつかは手術をするしかないと頭では理解している

   のですが、やはり躊躇うものがあります。

   命を奪われるものではない (手術ミス・麻酔による合併症などで)

   その確率が非常に小さいことも理解しています

   でも、できれば身体にメスはいれたくありません

   でも、脊髄のダメージが大きくなりすぎた場合、それは手術する以上の

   肉体的ダメージとデメリットを私に与える。ということも知っています

   傷ついた脊髄は回復しませんから。


   ですから、そういう意味では、特発性側弯症で手術をするかどうかで

   悩まれる患者の皆さんとほぼ似たような状況と言えるでしょう。

   ただし、手術を先延ばしにすればするほど肉体的ダメージは

   私以上に側弯症の皆さんのほうが大きい、ということも

   どうか皆さんは忘れないで欲しいと思います。


   牽引療法を受けながら、私の頭に去来するのは、いざとなった場合

   どこの病院(先生)で手術を受けるか? ということです。

   地元のクリニックで診てもらつていて、現時点ではまだ先生には

   どこの病院が紹介されるかについては聞いていません。

   そろそろそれも聞いておかねばと思うこの頃です。



  すみません、話が本題から逸れてしまいました。

  

  体内にインプラントを埋め込まなければならない手術というのは

  その初回手術だけではなく、次のことも考えておく必要があります。

  それはもしかすれば、5年後かもしれませんし、10年後かもしれません。

  幸いにも、再手術をせずに一生を終えることができたら、

  それは本当に神様に感謝をささげたいと素直に思います。

  初回の手術をしたことで、その後多少の痛みや生活上の不自由があったとしても

  再手術せずに一生を終えられたら、それはまさに幸運の極みだと私は考えています。


  「手術」がどういうもので、「インプラント」がどういうもので

   そして「再手術」というものがどういうものであるかを知っているがゆえに

  できれば、手術は受けたくはありませんし、まして再手術はごめん被りたい


  だからこそ、初回手術が非常に重要となるわけです


  手術とは すなわち 技術 ですから

  

  それは 上手いか 下手かの 世界ですから



  ですから、実態として手術後に インプラントは抜かずに、そのまま一生を終える

  という道が本筋であるときに、


  なぜに医療機器メーカーの添付文書には「インプラントは骨癒合が終えたら抜くこと」

  と記載されているかに疑問を感じるのです。




  この疑問について、引き続き記事を書いていきたいと思います。


 august03

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