最近は、忙しい日々が続いており、CDは何とか聞き続けているものの、なかなかブログ更新の時間が取れない状況が続いています。
今回、連休でやっと少し時間がとれたので、CDショップへ行った所、私がお気に入りのヘンゲルブロック指揮の新譜が出ていたので思わず買ってしまいました。これは買って超!正解でした。「ヘンデル:ディキシット・ドミヌス&カルダーラ:悲しみのミサ曲」(BMG:BVCD 31018)(トーマス・ヘンゲルブロック指揮、バルタザール=ノイマン合唱団&アンサンブル)(録音:2003年3月10-14日、バーデン=バーデン、フェストシュピールハウス、ドイツ)です。
ゲルハルト・ホッペの解説によれば、ヘンデルの『ディキシット・ドミヌス(主は、わが主に言いたまいぬ)』は、ヘンデルがイタリア滞在中の1707年(22歳)に作曲されており、ヴェネツィア時代の音楽を手本として作曲されたと推測されています。とにかく聞いてみて、ヘンデルの若いエネルギーに圧倒されます。曲に勢いがあり、迫力に満ちており、また、多彩な表現力はヘンデルの天才さを再認識させられました。誰の作品か知らずに聞いたら、おそらくヘンデルの曲とはすぐには推測出来ないのではないでしょうか。
アントニオ・ガルダーラ(c1670-1736)は今回初めて聞きました。ヴェネツィアでヴァイオリンとテオルボの奏者の息子として生まれ、存命中にはヨーロッパにおける最も高名な作曲家の一人として見なされていたようで、作品の数は3400を超えるとされています。このCDには、『悲しみのミサ曲(ミサ・ドロローサ)(4声)』と『クルチフィクス「十字架につけられ」(16声)』の2曲が収められています。ゼレンカと同様に、大バッハにも劣らない凄い作品と思いました。今までに聞いたことの無いような不思議な感覚で、神聖、荘厳さの中にもイタリアの陽気さが漂い、しかも新鮮で活気に満ちており、思わず聞き入ってしまいました。ガルダーラの曲を聞いて久しぶりに深い感動を覚えました。『クルチフィクス「十字架につけられ」(16声)』は、大バッハのロ短調ミサ曲を彷彿とさせますが、それ以上の魅力を感じました。
このCDはバロックファンであれば感動すること請け合いの名盤と思います。ヘンデルの若き日の作品、ガルダーラの作品群をもっともっと聴いてみたいと思ってしまいました。