
(伊吹有喜著)
★★★★(ベアの満足度)
第3回ポプラ社小説大賞特別賞受賞作。
「四十九日のレシピ」と同じ著者のデビュー作が、
気になって読み始めた。
ココロの風邪で休職中の39歳の男、哲司。
亡くなった母の「岬の家」に休養のため
帰ってくる。
大型トラックをヒッチハイクし、
ペコちゃんと呼ばれ、
彼女に会うと幸運が舞い込むという
39歳の女、貴美子。
数年前に家族を亡くしている。
2人が海辺の街で出逢い、6週間の夏休みを
一緒に過ごすお話。
岬の家に住んでいたお母さんというのが
小物まですべておしゃれな、ステキなウチ。
ウチを片付けるために貴美子は
岬へ通うようになる。
クラシックを教えてもらうという約束で。
(ちょっと「49日..」と似てる?)
大人になるとこんな風に
贅沢な夏休みはそうそう手に入らない。
人が一歩進むためには、
時間と出逢いが必要なのかもしれない。
さあて、春休みはどう過ごすかな。
生きてることを楽しみたいな。

(角田光代著)
★★★★(ベアの満足度)
食についてのエッセイ。
私の愛するもの、春夏秋冬の食べ物、とくべつな記憶。
若い頃、野菜をほとんど食べなかった著者。
大人になってから、食の好みが変わったのと
克服しようという気持ちから
食べられるようになった食べ物を紹介。
この挑戦する姿勢と
同世代(著者の方が上)だからわかる時代感。
一日3回、絶対にご飯を食べるところも同じ。
あっ、これは私食べられる、これはまだダメ。
などと食べ物というのは、
人を饒舌にさせる。
そして、直木賞作家が語ると
本当にリアルに食べ物が伝わってくる。
作ってみようという気になったのと
子供の好き嫌いに目くじらたてなくって
いいっかという気持ちになりました。