Beer & I

ビール好きによる、ビール好きの為のビール記とあれこれ。

ビールのスタイル

2022-01-10 18:00:00 | ビールの種類
2022年も無事に迎え、何やかんやでもう10日が経過。
年末、というより師走は文字通り走る様に過ぎ、年始も3日には仕事初め。
飲み初めは勿論元旦からしましたが、外飲みはまだこれからです。
遅くなりましたが、今年もよろしくお願い致します^^
 

今年の初投稿は基本的なビールの種類「スタイル」について。
私自身も気持ち新たに基礎から紹介・勉強していこうと思います!

ビールの「スタイル」は、その酵母によって大きく3つに分けられます。

一つ目は「上面発酵」【エール】と呼ばれるタイプ。
発酵の時に、酵母が炭酸ガスの泡と一緒に上に浮かび上がるので“上面”発酵なんですねー。
特徴としては、豊かな味わいと香りがあるので、じっくりと味わって飲むのに適しています。
発酵温度が15~25℃と高めで、発酵期間は3~5日と短め。
歴史的には次に紹介する「下面発酵」タイプよりも古いのですが、世界的に飲まれているのは「下面発酵」タイプの方が今の所多いです。
有名所ではイギリスの「バスペールエール」やアイルランドの「ギネス」、最近のクラフトビールでは主流になっているスタイルの“IPA(インディアペールエール”もエールタイプになります。

 
そして二つ目が「下面発酵」【ラガー】と呼ばれるタイプ。
こちらは発酵の時に、酵母が凝集して下に沈むので“下面”発酵なんですねー。
特徴は、爽快で飲みやすいのでクイクイ行けます(私は行きます笑)。
発酵温度が10℃前後と低めで、発酵期間は1週間~10日程と長め。
今市場に出回っている多くがこのタイプで、日本の大手ビールはラガーなので一般的なビールとも言えますね。
「スーパードライ」「一番搾り」「黒ラベル」「プレミアムモルツ」などがそう。
海外ビールでは「ハイネケン」「バドワイザー」などなど、有名なものは今の所多くがラガータイプなのです。


三つ目は「自然発酵」と呼ばれるタイプ。
これは空気中や土の中などあらゆる所にいる野生酵母を使って発酵する、特別なタイプです。
主にベルギーで造られていて、基本的にビール醸造の現場にはいない特別な(繰り返して言ってみる)酵母で、醸造所によって香りや味が変わります。




と、ビールのスタイルは以上の「上面発酵」「下面発酵」「自然発酵」の三つに分けられますが、近年ではその他のタイプも出てきているのです!
ビール業界も日進月歩であります!!
例えば下面発酵の酵母を常温で発酵させた「ハイブリッド」、上面発酵の酵母と下面発酵の酵母を一緒に入れた「ミックス」、ハーブやフルーツなどの特別な原料をブレンドした「ハーブスパイス」「フルーツビール」などがそう。
ミックスタイプはアサヒビールさんが「アサヒ・ザ・ダブル」という商品を出していて、一度飲んだ事があるのですが記事にはしていませんでした。
丁度数日前に店頭で見かけたので、今度改めて飲んでみようと思います。

このブログも開設から2年が経ち、その間で自分の環境も変わりビールに対しての取り組み方や姿勢も都度都度変わっています。
今までと同じ事を続けるのではなく、その時に応じた方法でよりビールの世界を深め・広げて行く所存でございます。
皆様にとっての2022年がより良い年となりますように。
そして楽しいビールライフを送れますように。


IPA(India Pale Ale)

2020-06-10 18:00:00 | ビールの種類

CHESTER'S IPA」を飲んだ所で、久しぶりにビールの種類のお話です。
今回は「IPA」=インディア・ペール・エール(India Pale Ale)、
今やビールの種類としてスタンダードになっています。

中程度かそれよりもやや高いアルコール度数を持つエールビール。
液体は銅のような明るい琥珀色、ホップの風味が強くて苦みがあります。
IPAは通常「ペールエール」のカテゴリーに入れられます(ペールエールについてはまた後日)。
21世紀の初頭では、アメリカのクラフトビールの醸造所では最も多く醸造されているスタイルで、
よくアメリカに出張に行かれている知人からも、IPAはとても多く売られていると聞きました。

イギリスが発祥の「ペールエール」が、18世紀に植民地のインドにいるイギリス人たちに送るために生まれたスタイル。
ビールの輸送中に腐ってしまわないように、防腐剤の代わりに「ホップ」を大量投入し、
アルコール度数を高めたのが始まりとされています。
なので、普通のペールエールに比べるとホップの芳醇な香りと苦みが特徴となるビールで
いわゆるのどごしを楽しむような「ラガー」系とは正反対です。



18世紀末に考案されたスタイルですが、1900年くらいからイギリスではほとんどなくなったそうです。
それをアメリカがクラフトビールをスタートした1980年くらいに、
アメリカのクラフトブルワリーがその当時アメリカでは飲めなかった昔のビールスタイルを試して復活。
最初は香りと苦みが強いIPAは邪道的なビールとして扱われていたそうですが、
今となってはクラフトビール界で一番人気のスタイルになったのだから…。
本当に何が最終的に受け入れられるようになるのかは、時間が経たなければ分からないものですねぇ。

今はIPAと言っても、それこそ多種多様。
もうそれこそ手に負えませんっ;;
でも出来るだけ多くのものに触れたい(飲みたい)と思うのは、ビール好きの宿命であります!!


白ビール

2020-01-23 18:00:40 | ビールの種類

ヒューガルデン」と「ブルームーン」の種類として紹介した「白ビール」。
個人的に大好きなビールで(当然どのビールも大好きですが)
実は今、一番追っている種類です!

一般的に知られるビールは「大麦麦芽」を使用しているのですが、
白ビールは「小麦」を多くの割合で醸造しているところが大きな特徴。
それによって、普通(という単語を使うのも何ですが;)のビールに比べて
白っぽかったり濁ってたりするので「白ビール」と言われます。
ビールの発酵方法は「上面発酵」と「下面発酵」の2つがありますが、
白ビールは通常上面発酵で、複数のスタイルがある奥深いビール(どれも奥深いんだけど!)です。

大きく分けるとまずはベルギーのヴィット(Witbier)。
ベルギー式白ビールと呼ばれ、大麦麦芽・小麦麦芽と麦芽化していない小麦で造られる上面発酵のエールで、
以前紹介した「ヒューガルデン」と「ブルームーン」はこのスタイルのビールです。
コリアンダーやオレンジピールで風味付けしていて、フルーティーな味わいが特徴的。

そしてドイツでは二つ、ヴァイスとヴァイツェンに分かれます。
伝統的に50%以上の小麦麦芽を使用した明るい色のエールビールです。
以前「デュンケル」の記事でもチェックしていたバイエルン州ではヴァイスと呼ばれていて、
ドイツ西部および北部ではヴァイツェンと呼ばれています。
まだまだビールの種類も勉強し始めたばかりですが、
ドイツでもバイエルン州というのはよりビールの歴史が深そうな印象を受けますね。

ヴァイツェンにも種類が分かれていて、
ヘーフェヴァイツェンはろ過していない白ビール、
クリスタルヴァイツェンはろ過した白ビールだそうな。
私も今まで白ビールの細分化を意識して飲んでいなかったので、
今後飲み比べてみたい種類です!!

ビールは基本的に、麦芽・ホップ・水で造られているのですが、
白ビールはホップはあんまり使ってないみたい。
それも今後調べて行きたいところです。

最初に「今一番追っている種類」と書きましたが、
ビールのイベントやお店に行った時に私が最初に飲むのがこの「白ビール」なんです。
白ビールの味が好きというのは勿論あるのですが、
副原料が色々あるから味わいが全然違うし、そこに繊細な振れ幅を感じるんですよね。
だから酔ってしまう前に(笑)その違いを知りたいのであります。

ビールが苦手な人でも意外にいけるの白ビール。
そもそも大麦じゃなくて小麦だし、下面発酵じゃなくて上面発酵だし、ホップよりも副原料だし…。
と、いわゆる日本で飲まれているビールとは根本的に違ったりするので面白いところ。
私は今後も追って行きたいし、その違いを飲み比べるのが、とにかく楽しみです!!


ピルスナー

2019-12-17 18:00:00 | ビールの種類

先日「ピルスナー」を飲んだので、今回はビールのスタイルである「ピルスナー」についてのお話。
日本でビールと言えばほとんどがこのピルスナー。
世界中で醸過されているビールでも大半を占める最もポピュラーなビールです。

そもそもはチェコのプルゼニ(ピルゼン)地方を発祥とするビールのスタイルの一つ。
ビールの発酵方法は「上面発酵」と「下面発酵」の2つがありますが、
このピルスナーは下面発酵(ラガー)で、淡色のビール。
アルコール度数は4~5%が多く、ホップが生む爽やかな苦味を特徴とします。
源流はチェコのプルゼニ地方で開発された「ピルスナー・ウルケル」という有名なビールです。
チェコはドイツのお隣の小さな国ですが、実はビール大国でもある要チェックな国でもあります。
プルゼニ地方は西側にあるんですね。

このプルゼニ地方の市民醸造家達が「ラガー(下面発酵)ビール」の醸造技術を学ぶために、
ドイツのミュンヘンから醸造家を招いてビールを造ってみると…
「こんなビールが出来ちゃいました!!」という奇跡のビールと言われています。
というのも、プルゼニ地方の水が軟水だったから誕生したんだとか!!
それが今では世界中のビールの大半を占めるんですから本当に奇跡的です(拍手っ)。
軟水と硬水の違いもあまり知りませんでしたが、
簡単にイラストにするとこんな感じです(ふむふむ)。

こうしてチェコで生まれたピルスナーは「ボヘミアン・ピルスナー」と呼ばれ、
淡い黄金色から明るい琥珀色まで豊富なバリエーションがあります。
苦味が控えめなタイプが多く、爽やかな味わいのビールです。
またそのボヘミアン・ピルスナーがドイツに伝わった事で出来たのが「ジャーマン・ピルスナー」。
醸造方法は同じですが、色や香り、味わいが違うので区別されています。
比較的色が薄く、ホップの苦みがしっかり感じられるのが特徴だそう。
いつか飲み比べしてみたいものです^^

一つのビールが出来るまでに歴史があり、
そこからまた新しいビールが出来て、新しい歴史を作っていく…。
私も基本的にはビールと言えばピルスナーでしたが、
そこに込められたもの、そこから派生しているものを知れば知るほど、
よりビール愛が深まるのでありました。


デュンケル

2019-12-10 18:00:00 | ビールの種類

先日「デュンケル」を飲んだので、今回はビールの種類の一つである「デュンケル」についてのお話。
デュンケル(Dunkel)はドイツ語で「暗い」を意味する言葉です。
暗いというと「黒」をイメージしますが、「黒」は別に「シュバルツ」というビールがあります。

基本的にはドイツ南部発祥の褐色のビールで、
単にデュンケルと呼んだ場合は、バイエルン地方のダークビール全般を指します。
その中でもミュンヘンで造られる伝統的なビールが「ミュンヘナーデュンケル」。
麦の甘み、ホップの苦み、軽い口当たりのバランスが取れているのが特徴です。
色合いはライトブラウンからダークブラウン。このニュアンスがデュンケルなんですねぇ。
ホップの苦みよりも麦芽のフレーバーが大きく勝っているので、香りを楽しみたいビールの一つ。
アルコール度数は4.5%~5%と定義付けられています。
ここで、バイエルン地方とミュンヘンの場所をチェックしてみました。
実際自分で描いてみると、ドイツへの興味がより深まります^^

 

ビールの発酵方法は「上面発酵」と「下面発酵」の二つに分かれるんですが、
ミュンヘナーデュンケルは下面発酵。
でもちょっとややこしいのが「デュンケルヴァイツェン」というビールは上面発酵だそう。
こちらは大麦ではなく小麦で造られたものだし、
やっぱりデュンケル自体が「造り方」で分けられた種類じゃなくて、
暗いという「意味合い」で分けられた種類なんだって分かります。
因みにデュンケルヴァイツェンの色合いはカッパーブラウンからダークブラウン。
アルコール度数は4.8%~5.4%。

他に「ダブルデュンケル」や「トリプルデュンケル」があり、この二つはアルコール度数が高く、
7%を超えるものもあるのだとか。
の、飲んでみたい…。

「暗い」という色のニュアンスがデュンケルを意味するところですが、
すごく分かりやすかった例えをイラストにしてみました。
“金色のピルスナー=昼”“デュンケル=夕暮れ時”“シュバルツ=夜”
デュンケルについて調べていたまさにその日の夕暮れ、
沈みゆく太陽と迫りくる夜の織りなす景色が素晴らしかったので、
より一層刻み込まれたデュンケルなのでした。