Beer & I

ビール好きによる、ビール好きの為のビール記とあれこれ。

BITREX(イタリア)3種飲み比べ

2022-02-10 18:00:00 | ヨーロッパのビール
珍しいイタリアのクラフトビールを3種類頂きました^^
『BITREX』というシリーズで、苦さによって違う「SINGLE HOP」「CALIFORNIA」「IPA」の三つです。
「IBU」というのはビールの苦みの数字で、「International Bitterness Units」=「国際苦味単位」を意味します。
今回の3種類はそれぞれ「IBU40」「IBU50」「IBU60」と、10ずつ数値が上がっていて分かりやすいです。
因みに日本でよく飲まれているピルスナータイプのスタンダードなビールのIBUは15~25位なのですよー。
 

基本的にビールを飲む時は味や苦みが少ない方から頂きます。
そっちの方が、より繊細な味わいを感じる事が出来ますからねー。
なのでまずは「SINGLE HOP・IBU40」から。
華やかなホップの香りが特徴的、一番軽いとは言え味わいは意外としっかりありました。
柑橘系の風味があり、飲み口は爽やか。後に苦みが残ります。

次に「CALIFORNIA・IBU50」を。
イタリアのビールなのにカリフォルニアと、不思議なネーミング。
カリフォルニアのスタイルのビールなのでしょうが、それがどういった特徴があるのかは今後また調べてみようと思います。
「SINGLE HOP」に比べてIBUは高いのですが、またまた意外にも香りは落ち着いた印象。
口に含むとスパイシーさが舌を刺激します。味わいはやはりちゃんとって、こっくりしていました。

最後に「IPA・IBU60」。
カラメル香を感じる芳ばしい香り。
ホップ感もありますが麦芽の甘みが引き立っていて、苦みは一番強いながらも甘みと苦みが良い具合に混ざり合って後残りはさっぱり。

 
イタリアというとあまりビールではなく、ワインのイメージがありますが、昨今のクラフトビールの隆盛によってイタリアでも800以上のブルワリーがあるそうです。
今回飲んだ『BITREX』は『Soralama(ソララマ)』というブルワリーで作られているシリーズで、ここはイタリアの中でも古いブルワリーの一つで醸造開始から20年が経っています。
それでもまだ20年、クラフトビール業界の成長はまだまだこれからといった所でしょうか。
『Soralama』というブランドでも今日本で飲めるビールが4種類あるようで、こちらはヨーロッパの伝統的なスタイルのビールだそう。
『BITREX』の中にカリフォルニアとありましたが、こちらのシリーズはアメリカのスタイルに近いビールという事でなるほど納得です。
3種類ともしっかりとした個性と味わいがあり、イタリアのビールの印象が変わりました。
エチケットと王冠も個性的で可愛い^^


 

OLD TOM(イギリス)

2021-09-19 18:00:00 | ヨーロッパのビール

ヨーロッパビール詰め合わせ、最後を飾るのはイギリスの『OLD TOM』^^
詰め合わせの中でも唯一のイギリスビール、唯一の黒ビール・ストロングエールです。
そして8本の中で私が唯一飲んだ事があるビールなのですが、その分思い入れもあるので最後に持ってきました。
でも私が飲んでいた時とは違うラベルになっていて、デザインは都度変わっている様です。

 

黒ビール特有のカラメル香がしますが、色で受ける印象程の濃さは感じさせません。
8.5%と高いアルコール感やロースト感もありつつ、酸味も効いているから飲みやすいです。
原材料を見てみると「麦芽・小麦・ホップ」とあり、爽やかな飲み口は小麦の成せる業かなぁと思いました。定かではありませんが。

 

オールドトムシリーズを造っているのは、イギリスで170年もの歴史を持っているロビンソン醸造所。
今も6代目が、当初の味を守りながら運営されているそうです。
今回の「オールドトム」は通常で使う数倍にも及ぶ麦芽を使用して麦汁濃度を高め、濃厚な飲み口に仕上げています。
短いものでも6か月程度は熟成させるんですって!ふーむ。

 

「思い入れがある」と先述しましたが、オールドトムは数年前働いていたワインバーで、取り扱っていた時があるんです。
ワインバーではあるのですが、何せ私はビール好き(勿論ワインも好きです!)。
それをスタッフや取引相手の酒屋さんもちゃんと分かっていてくれてたんですねー、ビールの試飲会に呼んで頂きました(感謝)。
そこで出会ったのがこのオールドトム。
ネーミングもその当時の店に合うものがあって、ワインバーの中のマニアックビールラインナップの一つとなっていたのです。
それがまたこうして再会するとは…。

ラベルには猫が描かれていますが、それは大事な麦芽をネズミが食べるのでそれを護るために飼われた猫に由来するそう。
それがトムさん…いやいや、トムちゃん?トムくん?

 

因みにオールドトムを飲む数日前に偶々GODIVAのクッキーが手に入ったので(GODIVAのチョコレートは食べた事ないかも)、一緒に頂きました。
黒ビールとチョコレートのマリアージュ。
ビールに限らないのですが、食べ物とお酒というのは本当にマリアージュで、その土地に根付いた文化ですね。
土地があって食べ物があってお酒があって、歴史になる。

 

とにもかくにも、8本のヨーロッパビール詰め合わせを多分に味わい楽しませて頂きました!!
楽しかったし、もっともっと知りたいし、もっともっと飲みたい!!
ありがたき幸せ!!


PAGOA・レッドエール(スペイン)

2021-09-10 18:00:00 | ヨーロッパのビール
ヨーロッパビール詰め合わせ、第5弾はスペインの『PAGOA』。
レッドエールで、バスク地方で造られているので「BASQUE BEER」という記載があります。
 
アルコール度数は4.6%、色味は赤と言うよりこげ茶に近く、濁りもあります。
ホップの香りもしますが、麦芽の甘みが前面に出ている感じ。
飲み口も甘さが強く、後味に残る苦みとのバランスがややちぐはぐな印象でした。
甘みと苦みがそれぞれを引き立て合うのではなく、喧嘩してしまうようなアンバランスさが個人的に残念かなぁ。
 
バスク地方ってよく耳にしていましたが、スペインとフランスの国境にある北スペインの土地なんですね、初めて知りました(^^;;
1998年に創業したエウスカルガラガルドーア社(舌がもつれる)のPAGOAは、バスクの原料を使用し、保存料や添加物は一切使わない伝統的な製法でビールを造っています。
今回のレッドエールは「ナバラ」のモルトを使っているそうですが、これが甘さの理由のようです。
レッドエールの他にピルスナーも製造されていますが、そちらにもこのモルトが入っていて、ビスケットやカラメルの様な香りが特徴なのだとか。
深い赤色のエールは他の地域のエールに比べて、フルーティーさは控えめ。
私にはちょっとクセを感じる甘さでしたが、それもモルトの個性だと分かると自分の好みもまた分かって面白くもあります^^


 

BELHAVEN(イギリス)4種飲み比べ

2021-08-27 18:00:00 | ヨーロッパのビール
今働いているお店(ビストロバル)で今まで提供していたイギリスの「フラーズ・ESB」というビールが、取り扱いを停止してしまったので、それに代わるビールを探しています。
ペールエールの中でも「ビター」と呼ばれるタイプのビールで、麦芽の深い風味とコクがある上に後味にフルーティーさが残る美味しいビールです(ESB:エクストラ・スペシャル・ビターの略)。
私もお店に働いてから初めて飲んだのですが、本当に味わい深くて美味しかったのでなくなるのはとても残念でなりません(涙)。
 
先日銀座に用事があったので、銀座のやまやさんに足を運びました。
イギリスのビールはあまり種類がなく、店員さんに聞いてみた所、芝大門のやまやさんはもっと大きいのでお酒の種類もより豊富だという事だったので、そのまま芝大門まで直行。
他のお酒も魅力的で目を奪われそうになりましたが、今回はビールコーナー一直線。
イギリスのビールは『BELHAVEN(ベルヘイヴン)』の4種のみだったので、その4種類を購入。
因みに2本で500円なので、4本でも1000円と安価です^^
 
「BELHAVEN」はスコットランドのダンバー近郊にある、「グリーン・キング・ブルワリー」傘下のブルワリーです。
ビールの醸造は1719年に開始している歴史のある醸造所で、麦芽の製造能力に優れているそう。

後日、ビール仲間と4種類を飲み比べ。ワクワク。
色味は全体的に濃い物が多く、エールタイプでそれぞれ個性的。
アルコール度数が低い物からテイスティングしました。
まずは青色の「スコティッシュ・エール」。色味はブラウンで、カラメル香と甘みが前面に出ています。飲み口も香りの印象とあまり変わらない感じ。
ナッツのような香ばしさも感じられ、スパイシーさもありました。
次にオレンジ色の「スペイサイド・オークエイジド・ブラウンエール」。このビールだけ色味がブロンドですが、アルコール度数は6.5%と高め。
ラベルの色から想像するような、オレンジなどの柑橘系の甘みが特徴的。原料の一部にウイスキーが使用されているそう。
次は赤色の「90/ウィー・ヘヴィー」。これもカラメル香が強く、ドライフルーツの様な凝縮された甘みが特徴的。アルコール度数も高くなります(7~8%)。
最後に黒色の「スコティッシュ・オートスタウト」。麦芽の豊かな香り、名前通り色は一番濃い黒ビールです。飲んだ後にアルコール感も残るような強さがありました。

4種類全部飲んでみて、全体的な味の傾向が似ているなぁという感想。
それが甘みに一番出ていて、飲んだ後に原材料を見てみるとカラメル色素や糖類という記載があったので、「あーなるほど、これかぁ」と納得。
自然な甘みではなく後入れした甘味料は、どうしてもどこか甘ったるさやしつこさを感じざるを得ないんですねー。
これが他のビールを飲んでいる中の一つとしてならまだ良かったのかもしれませんが、同じ傾向のこの4種類を一気に飲むと思った以上にクセを感じてしまいました。
ビール好きの我々をもってしても、4本飲み切るのに時間がかかりました(苦笑)。

という事で、今回のイギリスビール探しは持ち越し。
希望としては、エールタイプで苦みやコクをしっかりと感じられる物、昨今の革新的なクラフトビールというよりもスタンダードのものを探しています。
もしおススメがあれば、是非是非ご指南下さいませ!!



エーデルワイス・スノーフレッシュ(オーストリア)

2020-09-18 18:00:00 | ヨーロッパのビール

最近は特に意識はしていなかったのですが、ヨーロッパのビールをよく飲んでます。
今回もヨーロッパはオーストリアのヴァイスビール、『エーデルワイス・スノーフレッシュ』^^

泡がとてもきめ細かでキレイです。ヴァイスにしては赤みが強い琥珀色。濁りもあります。
栓を抜いた瞬間から広がる香りに思わずほぅっ。小麦の香りにハーブの複雑さが絡みます。
飲み口は爽やかでありつつもコクがあり、ふくよかだけどさっぱりとしていて美味しいビールでした。

 
エーデルワイスはドイツのバイエルンからオーストリアのアルプスにかけての伝統にのっとり、
ピュアなアルペンウォーターと地元の麦芽・ホップで醸造されたヴァイスビール。
その歴史は何と530年以上というのでびっくり!!
ザルツブルク周辺でもっとも古い歴史をもっているそう。
エーデルワイスヴァイスビールのレシピに爽やかなアルペンハーブをブレンドしたのが今回飲んだ「スノーフレッシュ」です。
アルペンハーブとは、エルダーフラワー・ミント・アルニカフラワー・ラビジ・ナツメグ・マルメロを
ブレンドしたハーブの名称ですが…ミントとナツメグしか知らない;
香りにも味わいにもそのハーブがとてもアクセントになっていて、爽やかさと奥深さを醸し出していました。
このスノーフレッシュは比較的新しい商品で、2006年にフランス等のEUでテスト販売され絶大な人気を得、2007年から本格販売されています。
私もエーデルワイスは飲んだ事がありましたが、それがこのスノーフレッシュだったかどうかまでは覚えていません;
スノーフレッシュという名前にも、ボトルやグラスのデザインにも、アルプスの雪と山々の世界をイメージさせられます。


昨日このビールの話を今働いているお店でしたら、お店で以前出していたオーストリアのビールを教えてもらいました。
『マック・クィーンズ・ネッシー』というビールで、ウイスキー用の麦芽を使用しているそうなんです!
どんな味わいなんだろう…くぅ、飲んでみたいっ!!