Beer & I

ビール好きによる、ビール好きの為のビール記とあれこれ。

OH!LA!HO BEER・CAPTAIN CROW(長野)

2021-09-24 18:00:00 | 日本のクラフトビール
今年の6月に『OH!LA!HO BEER・雷電閂IPA』を紹介しましたが、今回は同じ「OH!LA!HO BEER」の『CAPTAIN CROW』を頂きました^^
以前も購入したことがあるのですが、その時はシンプルにジャケ買いでした。
パイレーツ(海賊)とかドクロとか、元々好きなのです。
 

苦みの効いたホップの香り。
それもそのはず、通常の2倍以上のホップを使用しているのでダイレクトに鼻を突き抜けます!
飲み口にもしっかりとしたコク、パンチがあります。
後味も程よい苦みが残り、飲みごたえのあるエクストラ・ペールエールです。

古代ギリシャの哲学者であるプラトンが「人間は3種類ある。死んでいく者。死んではいないが、ただ生きている者。海に向かって旅立つ者」という言葉を残しているそう。
その言葉が始まりとなり、この「CAPTAIN CROW」が造られたのだとか。
前回も紹介しましたが「OH!LA!HO BEER」は長野のクラフトビールで、「オラホ」とは長野の方言で“わたし達”“わたし達の地域”といった意味があります。
「OH!LA!HO BEER」の醸造所がある東御(とうみ)市は山々に囲まれていますが、そこから広い海に旅立つ者として開発されたビールなのです。
実は今、私が別の仕事で丁度海を求めて(?)いる所でした。中々行く機会を持てずにいるのですが、まさに海に向かっての状態(笑)。

 

パッケージはアドリア海を思わせるブルーと荒波を割いて突き進むキャプテン・クロウが描かれています。
2010年からホップの自社栽培に取り組んでいる「OH!LA!HO BEER」ですが、東御市は“晴れのまち”と言われる程日照時間が長く降水量が少ない気候なのだそう。
水はけもよい土壌がホップの栽培にとても相性が良いという、偶然の様な必然の様なお話。
また、この「CAPTAIN CROW」はワールド・ビア・アワード2017年の“Bitter4%~5%”部門で世界一を受賞している世界にも認められたビールなのです!!

因みにこれを飲んだ時に一緒にイギリスのクラフトビール『CAMDEN・IPA』を飲んだのですが、飲み比べてみるとホップの香りや味わいの違いが明確に分かって面白かったです。
私はどちらも好きでしたが、好みは分かれるだろうなぁ。



 

OLD TOM(イギリス)

2021-09-19 18:00:00 | ヨーロッパのビール

ヨーロッパビール詰め合わせ、最後を飾るのはイギリスの『OLD TOM』^^
詰め合わせの中でも唯一のイギリスビール、唯一の黒ビール・ストロングエールです。
そして8本の中で私が唯一飲んだ事があるビールなのですが、その分思い入れもあるので最後に持ってきました。
でも私が飲んでいた時とは違うラベルになっていて、デザインは都度変わっている様です。

 

黒ビール特有のカラメル香がしますが、色で受ける印象程の濃さは感じさせません。
8.5%と高いアルコール感やロースト感もありつつ、酸味も効いているから飲みやすいです。
原材料を見てみると「麦芽・小麦・ホップ」とあり、爽やかな飲み口は小麦の成せる業かなぁと思いました。定かではありませんが。

 

オールドトムシリーズを造っているのは、イギリスで170年もの歴史を持っているロビンソン醸造所。
今も6代目が、当初の味を守りながら運営されているそうです。
今回の「オールドトム」は通常で使う数倍にも及ぶ麦芽を使用して麦汁濃度を高め、濃厚な飲み口に仕上げています。
短いものでも6か月程度は熟成させるんですって!ふーむ。

 

「思い入れがある」と先述しましたが、オールドトムは数年前働いていたワインバーで、取り扱っていた時があるんです。
ワインバーではあるのですが、何せ私はビール好き(勿論ワインも好きです!)。
それをスタッフや取引相手の酒屋さんもちゃんと分かっていてくれてたんですねー、ビールの試飲会に呼んで頂きました(感謝)。
そこで出会ったのがこのオールドトム。
ネーミングもその当時の店に合うものがあって、ワインバーの中のマニアックビールラインナップの一つとなっていたのです。
それがまたこうして再会するとは…。

ラベルには猫が描かれていますが、それは大事な麦芽をネズミが食べるのでそれを護るために飼われた猫に由来するそう。
それがトムさん…いやいや、トムちゃん?トムくん?

 

因みにオールドトムを飲む数日前に偶々GODIVAのクッキーが手に入ったので(GODIVAのチョコレートは食べた事ないかも)、一緒に頂きました。
黒ビールとチョコレートのマリアージュ。
ビールに限らないのですが、食べ物とお酒というのは本当にマリアージュで、その土地に根付いた文化ですね。
土地があって食べ物があってお酒があって、歴史になる。

 

とにもかくにも、8本のヨーロッパビール詰め合わせを多分に味わい楽しませて頂きました!!
楽しかったし、もっともっと知りたいし、もっともっと飲みたい!!
ありがたき幸せ!!


MARTIN’S IPA(ベルギー)

2021-09-17 18:00:00 | ベルギービール
ヨーロッパビール詰め合わせ、第7弾はベルギーの『MARTIN'S IPA』^^
これで残りも後一本となってしまいました(涙)。
 
鼻を突くホップの香り、まろやかな漂いがあります。濁りもある「IPA(インディア・ペール・エール)」。
口に含むと華やかな味わいが広がって、その華やかさと苦みが絶妙なバランスで美味。
後味にコクが感じられ、程よいフルーティーさが鼻を抜けます。
アプリコットやピーチ・プラムといった、果実感のある甘みとホップの苦みと良く絡み合っていました。
 
ベルギービールでIPAというのも「MARTIN」というネーミングも珍しいなと思っていたら、このビールを作り出したジョン・マーティン氏はイギリスの方でした。

そのマーティン氏が20世紀前半に、ベルギーのアントワープで醸造を開始。
イギリス伝統の「ドライホッピング」と使って風味付けられる香りと、「瓶内二次発酵」という二つの製法を使って、それぞれ個性の異なるイギリス・ベルギービール両方の特徴を併せ持ったビールが出来上がったのです!
飲んだ後にその情報を調べて、すごく納得する味のビールでした。

「MARTIN'S」は他にPALE ALE・IPA55・Orange Crush・NEIPA26があるよう。
名前を見る限りではやはり一般的なベルギービールとは違う種類展開みたいなので、その味が気になる所ですが日本では今回頂いた「MARTIN'S IPA」しかまだ手に入らないようです。
名残惜しいですが、ヨーロッパビール詰め合わせシリーズ残り一本、お待ちあれ!



 

ブルゴーニュ・デ・フランドル(ベルギー)

2021-09-16 18:00:00 | ベルギービール

ヨーロッパビール詰め合わせ、第6弾はベルギーの『ブルゴーニュ・デ・フランドル』^^
第3弾の『ティママン・フランボワーズ』と同じ「ランビックビール」です。
私もちゃんと調べた後だったので、より楽しめました。

が!このフランドル、普通のランビックではないのです!!
ランビックとは野生酵母を使った特別なビールなのですが(これについてはまたちゃんと書きます)、フランドルはその「野生酵母」と培養した「エール酵母」をブレンドした珍しいスタイルのスペシャルランビックビールなのです!
「ランビック」というだけで生産地が限られているスペシャルなものなのに、さらにスペシャルを重ねたビールなのです!!
早速こんなスペシャルビールにありつけるなんて!

 
と、テンションが高くなった所でちゃんと感想を(笑)。
とても深い香りはランビック特有の酸味と樽に熟成された重みを感じます。
ワインに近いけれどワインとは違う、でも所謂普通のビールとも違う、その間を行く様な不思議な感覚。
コクと味わい、酸味のバランスが絶妙でした!
 
この味わいはスコッチエールをオーク樽で半年以上熟成して出来上がったもの。

響きとしてはビールとワインとウイスキーのハイブリッド(笑)。
ビールは勿論なのですが、他のお酒も同時に知る事でより楽しくなりますし、より世界が広がるのを実感しているこの頃です。
第3弾で紹介した『ティママン・フランボワーズ』ですが、私の中ではティママンと言うとランビックでもフルーツビールに特化した印象がありました。
でも調べてみるとこの『ブルゴーニュ・デ・フランドル』も同じティママン醸造所で造られていて、こういう点が線になっていくのを感じるのもとても嬉しいです^^

フランドルのラベルには、ベルギーの産業の中心として栄えたブルージュで13世紀前半に建築された大鐘楼が描かれています。
今でも時計台や貯蔵庫などとして活躍しているブルージュの代表的な建築物だそう。
これもちょっと検索してみましたが、塔の上には47個もの鐘があって、現代でも音色を響かせているのだとか。
歴史は浪漫でお酒は彩り。夢は広がるばかりです。



 

PAGOA・レッドエール(スペイン)

2021-09-10 18:00:00 | ヨーロッパのビール
ヨーロッパビール詰め合わせ、第5弾はスペインの『PAGOA』。
レッドエールで、バスク地方で造られているので「BASQUE BEER」という記載があります。
 
アルコール度数は4.6%、色味は赤と言うよりこげ茶に近く、濁りもあります。
ホップの香りもしますが、麦芽の甘みが前面に出ている感じ。
飲み口も甘さが強く、後味に残る苦みとのバランスがややちぐはぐな印象でした。
甘みと苦みがそれぞれを引き立て合うのではなく、喧嘩してしまうようなアンバランスさが個人的に残念かなぁ。
 
バスク地方ってよく耳にしていましたが、スペインとフランスの国境にある北スペインの土地なんですね、初めて知りました(^^;;
1998年に創業したエウスカルガラガルドーア社(舌がもつれる)のPAGOAは、バスクの原料を使用し、保存料や添加物は一切使わない伝統的な製法でビールを造っています。
今回のレッドエールは「ナバラ」のモルトを使っているそうですが、これが甘さの理由のようです。
レッドエールの他にピルスナーも製造されていますが、そちらにもこのモルトが入っていて、ビスケットやカラメルの様な香りが特徴なのだとか。
深い赤色のエールは他の地域のエールに比べて、フルーティーさは控えめ。
私にはちょっとクセを感じる甘さでしたが、それもモルトの個性だと分かると自分の好みもまた分かって面白くもあります^^