大学院の学生さんが、
どうすれば教員に質問をしに来てくれるのか???
という、テーマを先日、耳にいたしました
私は、教員を少しやらせていただいていますが、
圧倒的に学生気分が強いので、
いくつかの理由が頭の中に浮かびました
質問するって、ハードル高いです。
私は幸い、学生時代、
先生方に突撃して質問をさせていただいていましたが、
それは、お人柄がよく、少々トンチンカンなことを伺っても、
適切な言葉がつかえなくても、
許してくれる度量がある先生方がおられたからです。
私自身、全力でそういう先生をかぎ分けておりました。
そもそも、
法律って、法律言葉バイリンガルにならないと、話せないんです!!!
だから、先生に質問するにしても、言葉が出てこない!!!
敬語・謙譲語・丁寧語を全く知らない状態で、
目上の人と話をしなければいけなくなった時・・・。
タメ口をきくか、黙るか!?・・・このような選択を迫られているイメージです。
法律言葉バイリンガル???
ちょっと、いっている意味わからないな。
ぐたいてきな話をしてみてよ、あおい先生。
オッケー!
じゃあ、基本の基本。刑事裁判の流れを説明しますね
冒頭手続として、
裁判官が被告人の人定質問を行ったのち、検察官の起訴状朗読があり、
その後裁判官が被告人に黙秘権の告知を行った上で、被告人・弁護人の罪状認否があります。
冒頭手続が終了すると、証拠調手続に入り、
検察官の冒頭陳述がされ、裁判員裁判の場合には、
弁護人からも冒頭陳述がされます・・・
ぎゃ~~~~~~!!!
これはね、法律を勉強している人は、
みんな、直ぐに分かる言葉の羅列で、全く難しいことは言っていません。
本当に、単語を並べただけ。もっと難しい話は別のところにあるんです(本当)。
でも・・・言葉になじみがないと、ここだけでキツイでしょう???
私も、初めて習ったときは、
「“冒頭”手続が終わった後に、どうして“冒頭”陳述があるの!?!」って、
アレルギーが出ました。
そして、“冒頭”つながりで混乱して、
冒頭手続・冒頭陳述の言葉を使い分けられないという、悲しい事態になりました。
当時の私からしてみれば、
「似てるんだから、まぁいいじゃん」みたいな感じでした。
親しみがあるアホっぽいエピソード!!!
当然ながら、
この悲しい事態は、全科目のあらゆる単語で起きる事故でしたので、
(訴訟資料と証拠資料とか・・・)
私の使う法律言葉は、最初の頃、かなりの揺らぎがありました・・・。
そうなりますと、
先生に質問するにしても、
「先生~~~。あのぉ、裁判の最初のやつで、
黙っててもいいよって裁判官がゆうやつのナカミについてなんですが~」
と、このような言葉遣いになります。
ああ・・・普通の日本語だね。それは。
ここを受け止めてくださる先生でないと、
そもそも質問に行けないんですよね・・・。
勉強していないわけではないのですが、
単語と同時に論点(難しい話)を学ぶせいで、
頭(言葉遣い)が追い付かず、とてもアホっぽい感じになってしまうんです
ここが、乗りこえないといけない(あるいは先生をかぎ分けないといけない)ポイントと思うのです
法律言葉がスラスラ出てくるようになってから、
先生のところに相談に行ったほうがいいかな?と思うこともあったのですが、
「そんな日いつくるか分からない」と正直思いました。
学生同士でも、
法律言葉がスラスラでて流暢に語れる人は珍しくないので、
そういう学生のみが「選ばれしもの」として、
先生に質問に行く権利を得ているように見えることもありました。
弁護士 生井澤 葵(なまいざわ あおい)
◆プロフィール◆
埼玉弁護士会所属
埼玉県熊谷市の弁護士 中央大学法科大学院兼任教員
JADP認定夫婦カウンセラー資格取得 埼玉弁護士会司法修習委員会セクハラ相談窓口
離婚問題、不貞問題についての相談を多くいただいております。
詳細なプロフィールはこばと法律事務所 弁護士生井澤葵 HPへ