今日は『みんなでコラボ』企画で、『短編小説』を書きます。
お題は『とりあえず…』です。
:*・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・
「とりあえず、つづきは明日…」
トランプのハートのエースを、僕は宙に投げた…
摩周湖に旅行中、同じ民宿に泊まった女性とポーカーをやった。
お互い、ひとり旅だった。
少し早い夏休みだった。
小さな民宿に、旅人は僕たち2人だけだった。
ダイニング兼用のレストルームで、僕がマップを見つめていると、風呂上りの甘い香りがした。
「明日は、何処へ行かれるんですか?」
メガネを外した彼女は、濡れた髪を弄びながら、気さくに僕に話しかけてきた。
2人でポーカーをやることになり、僕が勝ったら彼女の「アドレス」を教えるという賭けをした。
僕は「ワンペア…Queenの…」と小さな声で言った。
「エへへ…またアタシの勝ちね!」
彼女は、可愛らしい茶目っ気の笑顔で、カードを見せた。
「Aceの、ワンペア!勝った…」
愛嬌たっぷりに、拳を子猫のように握りしめて、いじらしく目を潤ませた。
5回勝負で、これで彼女の3勝…
僕は負けた。
アドレスは聞き出せなかった。
彼女は「もう一度する」って言ったけど、一応『男のプライド」』で断った…
でも、明日の朝、もう一度、勝負しようね!…って約束してお互いの部屋に分かれたけど…
★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★
翌朝…
彼女は急な仕事が出来たらしく、チェックアウトを済ませ、タクシーに乗るところだった。
僕は玄関からあわてて飛び出し、「アドレスを…」と言いかけた。
彼女は振り返ったが、タクシーのエンジンがかかり…
名前も知らなかった。
「愛称」だけは、聞いていたけど…「mikuちゃん」…
すごく気が合い、素敵な彼女だった…
ずっと時間が止まって、ずっと彼女といられたら、幸せだなあ…
そう恋しく思え、胸が締め付けられ、忘れられなかった。
もう2度と会うことはないだろう…せつないけど…
★*♪。☆*♪*★*♪。☆★*♪。☆*♪*★*♪。☆★*♪。☆*
10月、僕はブログで「摩周湖」「miku」と検索したら…
偶然にも!
彼女のブログを見つけた。
夏の摩周湖の、そのときの日記が、写真付きで掲載されているのを見つけた。
そして…
一週間後に再会することが出来た。
:*・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・
さらに年が明け…
雪が降る2月の今日、
僕は粉雪の中を、彼女と相合傘で歩いている…
「今頃、北海道は流氷が来ているかもね」
彼女は僕の肩に寄り添った。
「でも、寒いのは苦手だなあ…」
粉雪が、彼女の頬に吸い寄せられるように一粒触れた。
スターバックスのウインドウの横を通り過ぎた。
「じゃあ、私の部屋でポーカーする?あの時の続きを…」
「え?あのときって?」
「・・・・・」
唇を彼女は尖らせ…「もう、忘れちゃったの~?」
と、意地悪に怒った顔をした。
「とりあえず…寒いから、おまえの部屋に行こう…」
「とりあえず…?」彼女は微笑みながら僕を見上げ、
「そうね、とりあえず、5回勝負よ。何を賭ける?」
「・・・・・KISSがいい!」
彼女は立ち止まり、僕の腕を引っ張り、ほっぺたを人差し指で弾いた。
白い息が、踊っているように見えた。
いつしか雪はやんでいた。
けれど、僕たちは駅まで、一本の傘を差したまま歩いた。
(おしまい)
・・・・・・・・
◆-◆-◆-◆-◆-◆-◆-◆-◆-◆-◆-◆-◆-◆-◆-◆
今回で、tatsuyaさんが主催する『みんなでコラボ』は最終回でした。
( tatsuyaさんのブログ⇒ 『TORIAEZ…』 )
さみしいけど、今までこのコラボを通じて、たくさんの出逢いがあり、
そして、たのしく記事を書かせてもらいました。
ここでtatsuyaさんにお礼を申し上げます。
素敵な企画、どうもありがとう!
とりあえず?『みんなでコラボ』は終りましたが、これをひとつのキッカケにして、新たなる「企画」や「コミュニケーション」が生まれて行くことでしょう。
僕の小説もこれで終わり…
ってことは、なく、これを気に「たまには」書こうと思います。
とりあえず、『みんなでコラボ』ありがとう!
・・・・・・・・・・
☆コラボを書いた参加者リストの情報は…
『Blog de azienda…』⇒ Blog de azienda…
の記事『コラボ…参加者』⇒ 2月20日の記事
を参照くださいね。
参加者は一応そこに「トラックバック」していますので。
☆/☆/☆/☆/☆/☆/☆/☆/☆/☆/☆/
【おしらせ】
なお、tatsuyaさんのブログ「TORIAEZ…」も、今日2月20日で閉じるそうです。
新しいブログを始めるための、ステップの1つみたいですよ。
彼の新しいブログのアドレスは、tatsuyaさんに直接メールして聞いてくださいね。
すでに始めていますよ!!
お題は『とりあえず…』です。
:*・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・
「とりあえず、つづきは明日…」
トランプのハートのエースを、僕は宙に投げた…
摩周湖に旅行中、同じ民宿に泊まった女性とポーカーをやった。
お互い、ひとり旅だった。
少し早い夏休みだった。
小さな民宿に、旅人は僕たち2人だけだった。
ダイニング兼用のレストルームで、僕がマップを見つめていると、風呂上りの甘い香りがした。
「明日は、何処へ行かれるんですか?」
メガネを外した彼女は、濡れた髪を弄びながら、気さくに僕に話しかけてきた。
2人でポーカーをやることになり、僕が勝ったら彼女の「アドレス」を教えるという賭けをした。
僕は「ワンペア…Queenの…」と小さな声で言った。
「エへへ…またアタシの勝ちね!」
彼女は、可愛らしい茶目っ気の笑顔で、カードを見せた。
「Aceの、ワンペア!勝った…」
愛嬌たっぷりに、拳を子猫のように握りしめて、いじらしく目を潤ませた。
5回勝負で、これで彼女の3勝…
僕は負けた。
アドレスは聞き出せなかった。
彼女は「もう一度する」って言ったけど、一応『男のプライド」』で断った…
でも、明日の朝、もう一度、勝負しようね!…って約束してお互いの部屋に分かれたけど…
★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★
翌朝…
彼女は急な仕事が出来たらしく、チェックアウトを済ませ、タクシーに乗るところだった。
僕は玄関からあわてて飛び出し、「アドレスを…」と言いかけた。
彼女は振り返ったが、タクシーのエンジンがかかり…
名前も知らなかった。
「愛称」だけは、聞いていたけど…「mikuちゃん」…
すごく気が合い、素敵な彼女だった…
ずっと時間が止まって、ずっと彼女といられたら、幸せだなあ…
そう恋しく思え、胸が締め付けられ、忘れられなかった。
もう2度と会うことはないだろう…せつないけど…
★*♪。☆*♪*★*♪。☆★*♪。☆*♪*★*♪。☆★*♪。☆*
10月、僕はブログで「摩周湖」「miku」と検索したら…
偶然にも!
彼女のブログを見つけた。
夏の摩周湖の、そのときの日記が、写真付きで掲載されているのを見つけた。
そして…
一週間後に再会することが出来た。
:*・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・
さらに年が明け…
雪が降る2月の今日、
僕は粉雪の中を、彼女と相合傘で歩いている…
「今頃、北海道は流氷が来ているかもね」
彼女は僕の肩に寄り添った。
「でも、寒いのは苦手だなあ…」
粉雪が、彼女の頬に吸い寄せられるように一粒触れた。
スターバックスのウインドウの横を通り過ぎた。
「じゃあ、私の部屋でポーカーする?あの時の続きを…」
「え?あのときって?」
「・・・・・」
唇を彼女は尖らせ…「もう、忘れちゃったの~?」
と、意地悪に怒った顔をした。
「とりあえず…寒いから、おまえの部屋に行こう…」
「とりあえず…?」彼女は微笑みながら僕を見上げ、
「そうね、とりあえず、5回勝負よ。何を賭ける?」
「・・・・・KISSがいい!」
彼女は立ち止まり、僕の腕を引っ張り、ほっぺたを人差し指で弾いた。
白い息が、踊っているように見えた。
いつしか雪はやんでいた。
けれど、僕たちは駅まで、一本の傘を差したまま歩いた。
(おしまい)
・・・・・・・・
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今回で、tatsuyaさんが主催する『みんなでコラボ』は最終回でした。
( tatsuyaさんのブログ⇒ 『TORIAEZ…』 )
さみしいけど、今までこのコラボを通じて、たくさんの出逢いがあり、
そして、たのしく記事を書かせてもらいました。
ここでtatsuyaさんにお礼を申し上げます。
素敵な企画、どうもありがとう!
とりあえず?『みんなでコラボ』は終りましたが、これをひとつのキッカケにして、新たなる「企画」や「コミュニケーション」が生まれて行くことでしょう。
僕の小説もこれで終わり…
ってことは、なく、これを気に「たまには」書こうと思います。
とりあえず、『みんなでコラボ』ありがとう!
・・・・・・・・・・
☆コラボを書いた参加者リストの情報は…
『Blog de azienda…』⇒ Blog de azienda…
の記事『コラボ…参加者』⇒ 2月20日の記事
を参照くださいね。
参加者は一応そこに「トラックバック」していますので。
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【おしらせ】
なお、tatsuyaさんのブログ「TORIAEZ…」も、今日2月20日で閉じるそうです。
新しいブログを始めるための、ステップの1つみたいですよ。
彼の新しいブログのアドレスは、tatsuyaさんに直接メールして聞いてくださいね。
すでに始めていますよ!!