先般、ラリーのオッチャンから電話があってオッチャンの娘が働いているレストランへ行った。
なんとオッチャンは丸々太った髭モジャモジャ、アフロヘアーの黒人と一緒にいた。
「プリちゃん、彼はパプアニューギニア人の大金持ち」
席に着いた途端オッチャンから衝撃的な発言が飛び出した。
顔を見ればなるほどポリネシア系のパプアニューギニア人だった。
しかし、どうしてまたここにパプアニューギニア人がいるのかオッチャンに聞いた。
なんでもオッチャンの娘の同僚の母親とパプアニューギニア人の母親が懇意にしているらしい。
その伝手で観光に来たのかとパプアニューギニア人に聞けばそうではなかった。
第3空港前の開発地域へビジネス投資に来たと答えた。分嬢マンションを1戸購入したそうだ。
まあバリ島でサーフィンをするアフリカ人の富豪と会ったことがあるので驚きはしなかった。
それからパプアニューギニアのことについて何も知らなかったので彼に少し聞いてみた。
パプアニューギニアは英国連邦に属したキリスト教国家で公用語は英語。
なんかフィリピンと似ている。彼もイメージは程遠いが敬虔なクリスチャンでお酒は飲まない。
で、彼は分嬢マンションの他に商業施設でレストランを開業したい、どうしたらいいか聞いてきた。
この商業施設2Fのレストラン街は人気で連日人で溢れている。
「空き店舗がないから出店は難しい。申し込みをしても審査が厳しく何年先なるかわからない。」
そう答えるとパプアニューギニア人は落胆した。
第一パプアニューギニア人は観光ビザで滞在しているのでビザ変更をしないとビジネスは出来ない。
ビザのことを考えてもいなかったパプアニューギニア人はますます落胆した。
そしてラリーのオッチャンよりも年上に見えるパプアニューギニア人は35歳の独身だった。
「フィリピーナのガールフレンドが欲しい、フィリピーナと結婚したい」
レストラン開業の他もう一つのパプアニューギニア人の夢だった。
これはお金でなんとでもなるフィリピーナならクリアできるが、敬虔なクリスチャンだからなぁ。
彼はオッチャンの娘の同僚が好きみたいだけど、その子は会うのが嫌でオッチャンを紹介した。
もしかしたらフィリピーナのガールフレンドはレストラン開業よりもハードルが高いかもしれない。
それにヘタしたらパプアニューギニア人の富豪も身ぐるみ剥がされる惧れがある。
フィリピンはお金さえあればなんとでもなる国だが、お金があっても出来ないことがある。
パプアニューギニア人と話してそう思った次第だ。
彼は一旦帰国してまたフィリピンへ来る予定でいる。余程夢を実現させたいらしい。
再会を約束したけど困ったものだ。ではまた。