テキサスのクールでスマートなカントリー・シンガーKelly Willisの新作、通算6作目です。その才能は1990年のデビュー以来、常に批評家の賞賛を浴びるものの、なかなかメジャー級のヒットに恵まれず、1999年マイナー・レーベルに移籍しての「What I Deserve」でようやくブレイク、実力に見合った人気を獲得しました。その音楽の特徴は、ナッシュビルのそれとは一味違い、カントリーとロックを乾いたテキサス風味でシンプルにミックスしたもので、私のようなロックンロール崩れのカントリーファンにとっては、まさにドンピシャのサウンド。カントリー・ロックとも通じる部分があり、事実Son Voltとも競演した事があるようですが、その本物の歌声とクリアで確かなギター・サウンドはやはりカントリー・ミュージックのそれと思います。
この「Translated from Love」でも、プリミティブなロック調ナンバーとカントリー曲が交互にバランスして配置されていて、内容的にはなかなかのものです。オープニング"Nobody Wants to Go to the Moon Anymore"では、1980年前後のニュー・ウェイブ風ロックにドブロ・ギターが絶妙に絡むロッキン・カントリー。ブレイク作「What I Deserve」が、フォーク・ロックを基調としていたのとは、少し趣が違います。そして続く"Sweet Little One"はカントリー。ギターのアルペジオとキーボードの組み合わせが気持ちいい、個人的にはお気に入りのナンバー。Byrdsの"Ballad of Easy Rider"にリズムを強調して現代的にした感じ。"The More That I'm Around You"は、シンセサイザーの音が懐かしさを感じさせレトロなコーラスも楽しいロックンロール。Blondieの南部版てなとこか。"Sucsess"はDavid BowieとIggy Popの共作のロック・カバー。にぎやかなコーラスやオルガンを伴い、テキサス流のサウンドで料理しています。
カントリー・ナンバーでは、"Losing You"も"Sweet Little One"タイプですが、バンジョーが入ってきます。Kellyの歌い出しのアダルトなボーカルが、ゾクッとするほど魅力的。大人の魅力ですな。"Too Much to Lose"は、エモーショナルなスロー・バラード、歌声には荘厳さすら感じます。このアルバムのハイライトの一つ。一方、カントリー・バラードの"Stone's Throw Away"は、ペダル・スティールの響きとストリングスの絡みが哀愁を漂わせる素晴らしい雰囲気で、私は好きです。ラストのタイトル・ソングは弾き語りの小品、しめやかにアルバムを締めくくります。
1968年オクラホマ生まれで、ワシントンDC育ち。そこで16歳からバンドで歌い始め、その力強いボーカルがローカルで評判になりました。彼女がハイスクールを卒業するとすぐにテキサスはオースチンに移動。そこで新たに結成したRadio Ranchというバンドでの活動が Nanci Griffithの目に留まり、Nanciが当時所属していたMCAに働きかけて、結果メジャーデビューに繋がったのです。しかし、Kellyは当時あくまでバンドで活動していたにもかかわらず、ソロ・シンガーとしてのデビューになってしまったり、その可憐なルックスからMCAがカワイ子ちゃん的な売り出し方をしたりで、なかなか彼女の本来の良さとはアンマッチ。結局、MCAでは質的にはなかなか優れたアルバムを3枚出したものの、期待どうりのセールスが挙げられず、レーベルを追われてしまいました。そして、先にも触れた「What I Deserve」でブレイク、メインストリームのカントリーとは一味違う、テキサス・カントリーを提供してくれています。旦那もカントリー・シンガーのBruce Robison、彼はDixie Chicksのエミリーの旦那Charlie Robisonと兄弟です。
KellyのMySpaceサイト→http://www.myspace.com/kellywillismusic
この「Translated from Love」でも、プリミティブなロック調ナンバーとカントリー曲が交互にバランスして配置されていて、内容的にはなかなかのものです。オープニング"Nobody Wants to Go to the Moon Anymore"では、1980年前後のニュー・ウェイブ風ロックにドブロ・ギターが絶妙に絡むロッキン・カントリー。ブレイク作「What I Deserve」が、フォーク・ロックを基調としていたのとは、少し趣が違います。そして続く"Sweet Little One"はカントリー。ギターのアルペジオとキーボードの組み合わせが気持ちいい、個人的にはお気に入りのナンバー。Byrdsの"Ballad of Easy Rider"にリズムを強調して現代的にした感じ。"The More That I'm Around You"は、シンセサイザーの音が懐かしさを感じさせレトロなコーラスも楽しいロックンロール。Blondieの南部版てなとこか。"Sucsess"はDavid BowieとIggy Popの共作のロック・カバー。にぎやかなコーラスやオルガンを伴い、テキサス流のサウンドで料理しています。
カントリー・ナンバーでは、"Losing You"も"Sweet Little One"タイプですが、バンジョーが入ってきます。Kellyの歌い出しのアダルトなボーカルが、ゾクッとするほど魅力的。大人の魅力ですな。"Too Much to Lose"は、エモーショナルなスロー・バラード、歌声には荘厳さすら感じます。このアルバムのハイライトの一つ。一方、カントリー・バラードの"Stone's Throw Away"は、ペダル・スティールの響きとストリングスの絡みが哀愁を漂わせる素晴らしい雰囲気で、私は好きです。ラストのタイトル・ソングは弾き語りの小品、しめやかにアルバムを締めくくります。
1968年オクラホマ生まれで、ワシントンDC育ち。そこで16歳からバンドで歌い始め、その力強いボーカルがローカルで評判になりました。彼女がハイスクールを卒業するとすぐにテキサスはオースチンに移動。そこで新たに結成したRadio Ranchというバンドでの活動が Nanci Griffithの目に留まり、Nanciが当時所属していたMCAに働きかけて、結果メジャーデビューに繋がったのです。しかし、Kellyは当時あくまでバンドで活動していたにもかかわらず、ソロ・シンガーとしてのデビューになってしまったり、その可憐なルックスからMCAがカワイ子ちゃん的な売り出し方をしたりで、なかなか彼女の本来の良さとはアンマッチ。結局、MCAでは質的にはなかなか優れたアルバムを3枚出したものの、期待どうりのセールスが挙げられず、レーベルを追われてしまいました。そして、先にも触れた「What I Deserve」でブレイク、メインストリームのカントリーとは一味違う、テキサス・カントリーを提供してくれています。旦那もカントリー・シンガーのBruce Robison、彼はDixie Chicksのエミリーの旦那Charlie Robisonと兄弟です。
KellyのMySpaceサイト→http://www.myspace.com/kellywillismusic
私も最近ケリー・ウィルスに、はまっております。
70年代ロックやソウルからのスタートなので、やはり彼女のオルタナティブ・カントリーが今の時代に聞く
音楽としてぴったりという点は正に我が意を得たり
ですね。
とにかく何度聞いても飽きません。遡って
EASYやWhat I DeserveさらにMCA時代のものまで買いました。
一気にそろえられましたか!最新作は素材も本当に
バラエティに富んでいて楽しいですね。彼女の
生涯の代表作でしょう。歌も味があってうまいし。
またこれからもよろしくお願いします。