カントリーフィールド随一の実力派女性シンガー、サラ・エヴァンスの、2005年「Real Fine Place」以来のオリジナルアルバムです。離婚など私生活のゴタゴタがあった事で音楽活動が覚束なかったようですが、無事RCAからのニューアルバムを届けてくれました。レーベルも良く待ったね!そしてこのアルバムのみならずシングル"A Little Bit Stronger"も、チャートのNo.1を見事獲得。この曲、昨年アメリカで話題をさらった映画「Country Strong」の挿入歌だったことも奏功したでしょうが、カントリーファンがいかに彼女の歌声を待っていたかが現れたモノと思っています。
このアルバムの制作過程には紆余曲折があったよう。アルバムのプロデューサとして3人の名前がクレジットされていますが、最初に卓に着いたのは、テイラー・スウィフトのプロデューサーとして今をときめくNathan Chapman。録音はサラの現在の住まいであるアラバマ州で、Nathanは毎週ナッシュビルから通い、サラの子供が学校に通っている間にレコーディングなどの作業をこなしていました。しかし、自分が全てのレコーディングに関与できない状況に少しづつフラストレイションを感じるように。サラ曰く「私なしでレコードが作れられているように感じたの。誰が悪い、というわけでなくて、環境のせいだったのね」Nathanが別のプロジェクトの為に離れた後、Marti Frederiksenが1曲"Wildfire"をプロデュースした後、長くメインストリーム・カントリー界を引っぱってきた大物Tony Brownが起用されました。「彼は多くの私お気に入りのアーティストをプロデュースしてきただけでなく、素晴らしい人なの」とサラ。「自分の意見を持っていると同時に、アーティストのやりたいことにも耳を傾けてくれるのよ」トニーは、5年以上のブランクが空いて、シーンのトレンドも変わっている中での難しいサラのプロデュースに当たってのコンセプトをこう語っています。「サラを以前と違う世界に連れて行くと同時に、彼女の音楽を変えない為に、僕に何が出来るんだ?って考えたんだよ。僕は他の誰よりも、彼女の声を捉えたかった。大事なのはプロダクションでなく、彼女の歌声なんだ」
しかし、最初のシングルリリースが計画されていた2010年3月の段階で、まだ5曲しか出来上がっておらず、サラは大いに焦りました。「私はパニックになり始めた。私はバーミンガムに住んでいて、ファンの皆が私の事を忘れてしまうんじゃないかってね」。状況が急展開したのは、2つのスロー曲のデモレコーディングが彼女の元に届けられた時。それが"Alone"と必殺の""A Little Bit Stronger"だったのです。「全てが一つにまとまり始めた事を感じたわ」と、サラはヒット曲をゲットした事を確信しました。とにかくこの"A Little Bit Stronger"は素晴らしい。カントリーらしい泣きのメロディを、哀愁とパワーを兼ね備えたサラの歌声で見事に歌いきったスローミディアムです。簡素でサッドネスに満ち溢れたバッキングが何より彼女の歌声を引き立て、そしてコーラス部のパワーサウンドで今のシーンでの存在意義を強力にアピールしています。
その他目立つところは、ロッド・ステュアートの1988年の作品、"My Heart Can’t Tell You No"。サラが10代の頃からのお気に入り曲だったそうです。サラこだわりのトラディショナルなナンバーが"Ticket to Ride"。スピーディでトワンギーなカントリー・アンサンブルと粘り腰の歌声のマッチが素晴らしい。また、サラ最大のヒット曲"Born to Fly"のブルーグラス・リメイクをクロージングに配して、彼女がいかにこのスタイルが気に入っているかを感じさせてくれます。アルバムトータルの密度と言う事では、「Real Fine Place」には及ばないと思いますが、あくまでサラの歌声を中心に据えたプロダクションこそが、今回の大ヒットへ繋がった理由であり、繰り返しになりますが、カントリー・ファンがどれだけ彼女の歌声を愛しているかの証になったと思います。この歌声は、現代アメリカの宝だ!
(以上、CMA(カントリーミュージック・アソシエイション提供のキップ・カービー氏の記事を参考にしました)
本当に、ニューアルバム、待っていました。
小ネタですが、"Born to Fly"の歌詞が、オリジナルの"a brown-eyed boy"から
"a blue-eyed boy"に、変わっているのは、新しいご主人のために、とのこと(CMT News)。
サラの私生活も安定し、ようやく、本格活動開始なのですが、こちらは米国赴任終了で、残念です。
☆セカンドアルバムをタワーレコーズで目にした時、直感で買ってしまいました
★以後、彼女の歌声に何度励まされ、苦難を乗り越えて来たことか…
☆カントリーラインダンス、彼女の曲で踊ると全ての苦しさを忘れることが出来ます
★今回の新曲も生きる意欲を湧かせてくれるに違いありません♪
千葉県松戸市在住、50代の男性です。
iPhoneのアプリケーションにインターネットラジオが聴けるソフトがあり、いろんなジャンルの音楽が有線放送並みに聴くことが出来ます。
そのジャンルの中から、1990年代のカントリーミュージックを好んで聴いているうち、サラ・エバンスやジョディ・メシィーナを知り、iTunesで彼女たちのアルバムをダウンロードして、通勤中によく聴いています。
そこで、日本国内でサラやジョディの曲をカバーしていらっしゃるシンガーやバンドがあれば、紹介して頂きたいのと、そうしたシンガーやバンドのライブに行ってみたいと考えています。
それよりも、サラ・エバンスのコンサートに行ってみたいと考えています。ジョディ・メシィーナも同じステージなら、なお嬉しい次第です。
彼女たちのコンサートツアーを企画して頂きましたら、嬉しい次第です。
宜しければ、こんな質問にお付き合い頂ければ、幸いです。よろしくお願いします。