ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

David Nail デヴィッド・ネイル- I'm About To Come Alive

2009-09-28 | カントリー(男性)
 実に透明感のある、美しくエモーショナルなテナー・ボイスを聴かせてくれる、新人男性シンガー、デビッド・ニール。この8月にデビューアルバム「I'm About To Come Alive」をMCA Nashvilleからリリースしました。しかし、じつは2002年にMercury傘下のUMG Nashvilleでセルフ・タイトルのデビュー・アルバムを制作、ラジオ局向けのサンプルも配布されて、デビュー寸前までいっていたそうです。シングルが思うようにヒットしなかった事でお蔵入りという不運に見舞われてしまった彼。2009年のシングル"Red Light"がトップ30レベルのヒットを記録し、めでたくデビューとなりました。

        

        "Red Light"のオフィシャルヴィデオはコチラで

 コンテンポラリー・カントリーのスタイルで、その柔らかなサウンドとデビッドの流れるようなボーカルがしっとりと混ざり合っていて、ポップだからと侮れない、なかなかナイスなミディアム・ソングです。その歌声には、ダウンホームというより、素朴ながらアーバンなAOR的テイストが感じられます。カントリー・フィールドの新世代バラディアーですね。アルバムジャケットにも、そこらが上手く表現されています。私は、2008年に先行してリリースされた、アルバム・タイトルである"I'm About To Come Alive"(ロック・バンド、Trainの曲)がお気に入りです。気持ちよく聴けるマイルドなサウンドと、切々と歌うデビッドの美しい声、そしてメロディに惹かれます。

        "I'm About To Come Alive"のビデオはコチラで。

 アルバムの方も、チョッぴりコクのある通常のメインストリーム・カントリー・サウンドとはひと味違う雰囲気になっているよう。知る人ぞ知る、ロサンジェルスのセッションギタリストWaddy Wachtelらが参加し、洗練されたボーカル・アルバムとして楽しめそうです。もしかしたら、あまりヒットは期待できないかもしれないけれど、我が国のボーカル・ファンには十分お奨めだと思います。

            

 ミズーリ州Kennettで生まれ育ち、幼少の頃からスポーツ、特に野球で才能を発揮していました。お父さんは、高校の音楽バンドの監督をしていて、スティービー・ワンダー、エルトン・ジョンやビートルズを好んで聴いていた人だそうで、その父からの影響も大きかったのでしょう。大学進学時には幾つかの学校から野球でオファーを受けるほどでしたが、その頃には既に音楽で生きて行く事を決意していました。デビッドは、特にグレン・キャンベルGlen Campbellのファンだったようです。なるほど。2002年のデビュー・キャンセル後、しばらくは野球のコーチで生活をしていましたが、音楽への夢をけして捨てなかった強い意志のおかげで、今回のデビューと相成ったのです。


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