何者だ?Time Jumpers。
ナッシュビルの著名なカントリー・ライブ・ハウス、Station Innを拠点とし、毎週月曜日のギグで、クラシカルなウェスタン・スウィングやレトロなカントリーソングのホットなプレイで、ローカル・レベルではその名が知られていたThe Time Jumpers。突如、第55回グラミー賞のカントリー部門で、2つのノミネートを獲得し、全国レベルでその名が注目される事になりました。2007年にライブ・アルバムを発表していましたが、これはその彼らの初めてのスタジオアルバムになります。
このThe Time Jumpers。実は、ウェスタン・スイング・スタイルをこよなく愛する、ナッシュビルのA級スタジオ・ミュージシャンが、純粋に自分達の楽しみのために集まってプレイし始めた事がきっかけで出来たグループ。1998年から、Station Innで活動してきました。そんなミュージシャンの町、ナッシュビルではありがちなグループに、俄然注目が集まってきたのは、やはり2010年、現代メインストリーム・カントリーのレジェンドと言って良い、ビンス・ギルVince Gillが参加した事が大きいでしょう。このアルバムは、9曲のオリジナル曲をラインアップしているのが聴きどころの一つになっていますが、その中で5曲をヴィンスが提供するという大きな貢献をしています。
ビンスというと、若かりし頃はその甘い歌声でポップなバラディアー的魅力を発揮し一世を風靡した過去がありますが、当然カントリー・ルーツへの理解は深く、2007年の4枚組み大作「These Days」(全曲、ヴィンスによるオリジナル曲!)でも、その内の1枚をまるまるトラディショナル・スタイルに割り当てていたくらいです。この「The Time Jumpers」でも、多くの曲でリードボーカルをとり、自慢のギターを披露するなど、活躍を見せていますが、アルバム・ジャケットの写真で感じられるように、あくまでグループの一員としてのそれで、グループのサウンドに適度に溶け込んでいるところが好ましいです。このアタリが、グラミーで評価された要因ではないでしょうか。
このアルバムで展開される音楽は、ど真ん中のテキサス・ウェスタン・スウィングの世界で、長くカントリーを愛し、トラディショナルなスタイルを求めているファンには堪えられないでしょう。ウェスタン・スィングは、スイング・ジャズの南部カントリー版、管楽器でなく複数のフィドルやギターを主体にリズムを刻む、アーシーな独特のカントリー・スタイルなのですが、オープニングの"Texoma Bound "で聞かれる洗練感は聴きもの。カリブ海辺りの影響(マラヴォアあたりが思い出されます)も感じさせてくれ、彼らがただの伝統の番人ではなく、進化した現代音楽を提供してくれている事を感じます。そしてその高度な演奏技術!また、リズムの温かく心地よい躍動が素晴らしい。ビンスによるアルバムのハイライト・トラック"On the Outskirts of Town "(ギター・リックがクール)や、かつてのナッシュビル・サウンド風"The Woman of My Dreams"は、このバンド・サウンドに見事にフィットしていますね。
もちろんビンス以外のメンバーにも、耳が離せません。"Ridin' On the Rio"を歌うDoug Green(元 Riders in the Sky)のメロディアスなバリトン・ボイスや、ヴィンス作のジャジーな"Faint of Heart "を歌う Dawn Searsなど、さすがナッシュビルは層が厚い、と唸らせてくれる芸達者ぞろいです。そして、たっぷりとフィーチャーされる各楽器のソロ、インプロヴィゼーションにはじわりじわりとひき込まれます。今やこういうスタイルの音楽は、特別企画(レジェンドのトリビュート物とかね)でないと出せない空気があるように思うのですが、こうして堂々とレギュラーのオリジナル・アルバムとしてリリースが実現した事を何よりも喜びたいです。やっぱり、ビンス・ギルは偉い!
ナッシュビルの著名なカントリー・ライブ・ハウス、Station Innを拠点とし、毎週月曜日のギグで、クラシカルなウェスタン・スウィングやレトロなカントリーソングのホットなプレイで、ローカル・レベルではその名が知られていたThe Time Jumpers。突如、第55回グラミー賞のカントリー部門で、2つのノミネートを獲得し、全国レベルでその名が注目される事になりました。2007年にライブ・アルバムを発表していましたが、これはその彼らの初めてのスタジオアルバムになります。
このThe Time Jumpers。実は、ウェスタン・スイング・スタイルをこよなく愛する、ナッシュビルのA級スタジオ・ミュージシャンが、純粋に自分達の楽しみのために集まってプレイし始めた事がきっかけで出来たグループ。1998年から、Station Innで活動してきました。そんなミュージシャンの町、ナッシュビルではありがちなグループに、俄然注目が集まってきたのは、やはり2010年、現代メインストリーム・カントリーのレジェンドと言って良い、ビンス・ギルVince Gillが参加した事が大きいでしょう。このアルバムは、9曲のオリジナル曲をラインアップしているのが聴きどころの一つになっていますが、その中で5曲をヴィンスが提供するという大きな貢献をしています。
ビンスというと、若かりし頃はその甘い歌声でポップなバラディアー的魅力を発揮し一世を風靡した過去がありますが、当然カントリー・ルーツへの理解は深く、2007年の4枚組み大作「These Days」(全曲、ヴィンスによるオリジナル曲!)でも、その内の1枚をまるまるトラディショナル・スタイルに割り当てていたくらいです。この「The Time Jumpers」でも、多くの曲でリードボーカルをとり、自慢のギターを披露するなど、活躍を見せていますが、アルバム・ジャケットの写真で感じられるように、あくまでグループの一員としてのそれで、グループのサウンドに適度に溶け込んでいるところが好ましいです。このアタリが、グラミーで評価された要因ではないでしょうか。
このアルバムで展開される音楽は、ど真ん中のテキサス・ウェスタン・スウィングの世界で、長くカントリーを愛し、トラディショナルなスタイルを求めているファンには堪えられないでしょう。ウェスタン・スィングは、スイング・ジャズの南部カントリー版、管楽器でなく複数のフィドルやギターを主体にリズムを刻む、アーシーな独特のカントリー・スタイルなのですが、オープニングの"Texoma Bound "で聞かれる洗練感は聴きもの。カリブ海辺りの影響(マラヴォアあたりが思い出されます)も感じさせてくれ、彼らがただの伝統の番人ではなく、進化した現代音楽を提供してくれている事を感じます。そしてその高度な演奏技術!また、リズムの温かく心地よい躍動が素晴らしい。ビンスによるアルバムのハイライト・トラック"On the Outskirts of Town "(ギター・リックがクール)や、かつてのナッシュビル・サウンド風"The Woman of My Dreams"は、このバンド・サウンドに見事にフィットしていますね。
ビンス・ギル
もちろんビンス以外のメンバーにも、耳が離せません。"Ridin' On the Rio"を歌うDoug Green(元 Riders in the Sky)のメロディアスなバリトン・ボイスや、ヴィンス作のジャジーな"Faint of Heart "を歌う Dawn Searsなど、さすがナッシュビルは層が厚い、と唸らせてくれる芸達者ぞろいです。そして、たっぷりとフィーチャーされる各楽器のソロ、インプロヴィゼーションにはじわりじわりとひき込まれます。今やこういうスタイルの音楽は、特別企画(レジェンドのトリビュート物とかね)でないと出せない空気があるように思うのですが、こうして堂々とレギュラーのオリジナル・アルバムとしてリリースが実現した事を何よりも喜びたいです。やっぱり、ビンス・ギルは偉い!
キューバ音楽からルーツ音楽まで雑多に
好んで聴いているシニア世代のものです。
実は当方、分家の形でボンの音楽動画集を
作っていて、つい先日このタイム・ジャンパーズを
貼付したところでして、来歴など知らなかったので
記事を読ませてもらい、大変参考になりました。
アメリカーナものバンドを9組貼付したなかで、
これで、今話題のルミニアーズとあわせて2組
知ることができ、とてもうれしく思いました。
またカントリー・ルーツ系を詳しく知りたい折に
ちょくちょくお邪魔させていただきます。
Bigbird307@管理人です。お返事が物凄く遅れまして
申し訳ありませんでした。まだお役に立てればご活用
ください。
Kelly Willisは良いですね。彼女はかつてカントリーの
メジャーでアルバムをリリースした事がありました。
残念ながら売れませんでしたが、アメリカーナに行って
ブルース・ロビソンと結婚して手堅く活動していますね。
今回最近の怠慢を猛省しまして、お返事は速やかに
お返しするよう努力いたします。今後ともよろしくお願い
いたします。