最後はお待ちかねのヘッドライナー!、今年のグラミーでもノミネートされたスーパースターのダークス・ベントリーです。先週、ダークスと面と向かって話したのかぁ、と思うと今だに信じられない。お得意の、キャップを逆さにかぶった、黒で統一したカジュアルないでたち、本当に気前の良いハンサム・ガイでしたよ。グッド・ボイスだし。ダークスの時はインタビューの順番が5番目で、時間がかなり押してきてて直前の組で(日本人唯一のカントリー・ライター)島田耕さんのマキが出る状況だったので、慌ててしまったのが少し残念でしたが、まあ、そういうものでしょう。彼自身の言葉が聞けただけで貴重です。
Q: ピープル誌によると、ポップとロックにはバイタリティがないけれど、カントリーは発展し続けていると言います。あなたはどう思いますか?
(ダークス): 僕が思うに、カントリー・ミュージックには、ハンク・ウィリアムス、レフティ・フィリゼル、レイ・プライス、ウィリーやウェイロンのようなトラディショナルなモノからニュー・カントリーまでたくさんのタイプがあるし、そして最近ではアメリカン・アイドルからの人たちがナッシュビルに来たりして、いつも発展して変わっている。驚くことに、こうして日本に来てプレイできたり、ノルウェイやフランスなどいろんな所に行ったり、本当に成長しているんだ。多くのチャンスがあるんだよ。
Q: あなたにとって初めての来日と思いますが、日本にどんな印象を持っていますか?
(ダークス): とても優しくナイスで、スゴく道徳感を持ってるね。空港やホテルやレストランなどで皆優しくナイスだったよ。戻ったら友人に、安全で楽しくて親しみのあるって伝えるよ。僕は愛してる。また日本に来て、他の多くの町、そして東京にも行きたいね。
Q: あなたは時々ブルーグラスもプレイされますが、ブルーグラス音楽からの影響はどうですか?
(ダークス): 僕はナッシュビルに来てすぐにステーション・イン(注:有名なブルーグラスのライブハウス)でブルーグラスを見て恋に落ちた。僕はステーション・インが大好きさ。ジョン・コーワンが今回一緒だけど、彼はとてもグッドだよ。僕はブルーグラスが好きだし、アコースティック楽器、バンジョー、マンドリン、フィドルが大好きさ。僕は全てのレコードでこれらの楽器をフィーチャした作品を入れようとしているよ。
Q: 新しいアルバムをレコーディング中で、2月にリリース予定と聴いています。どんな作品ですか?
(ダークス): Yes!とてもイイよ!楽しいレコードになるよ。今夜新曲""Feel That Fire"をやるんだ。本当に良い感じで、今夜やれるのでとてもエキサイトしてる。ファンがどう思うか見たいと思ってるよ。
Q: "Feel That Fire"はグルーヴィーなロッキン・ソングですね
(ダークス): そうさ。楽しい曲だよ。皆が気に入ってくれるかどうか、最良のテストになるね。
この他にも、ハンク・ウィリアムやジョージ・ジョーンズなどのクラシック・カントリーから何を学んでいるのかとか、来月出るAustin City LimitsのライブDVDの事とかも、彼の口から聞きたくて質問を準備してましたが、残念でした。お子さんの誕生を祝うのも忘れてしまった!!不覚。それでもブルーグラスについての質問では、彼自身の口からステーション・インへの愛着や、そしてアコースティック・サウンドへのこだわり様が聞けた事が良かったです。ニュー・アルバムについてもうチョッと詳しいコメントが聞きたかったけど、新曲"Feel That Fire"をプレイする喜びや観客の反応を気にしているところは、やっぱり新曲の反応がどうかって気になるんだな。これまでにないシンコペイトしたリズムのヘヴィなサウンドが、彼なりに挑戦だったのでしょうから。
その言葉通り、"Feel That Fire"もやってくれたダークスのライブは、別格のクオリティとエンターテイメント性に溢れた楽しいものでした。私、ズッとステージ下でかぶり付いてましたよ。バンドは、フィルモアのDVDと同じ、ミニマムながらソリッドで確かな音を出すメンツ。お馴染みのオープニング"Lot Of Leavin' Left To Do"で景気付けて、すかさず現時点で最新ヒット曲"Trying To Stop Your Leaving"で会場のペースを掴みきってしまいます。ダークスのトレードマークである、トラディショナルなホンキー・トンク・カントリーとロッキッシュで骨太なビートの唯一無二のブレンドは、ライブでも魅力的でした。実際、この会場でダークスの音楽を心から楽しめる人は多数派ではなかったと思いますが、ダークスはステージ上を精力的に動き回り、日本のカントリー・ファンを圧倒してしまったかのようでした。そして、その我が国のファンのトラディショナルな嗜好を聞いていたのでしょう、マーティ・ロビンスの"Singing the Blues"、バック・オウェンスの"Act Naturally"、そしてウェイロン・ジェニングスの"Luckenbach, Texas"を立て続けにカバーするサービス・コーナーもありましたよ。
それにしても、ステージ前の盛り上がりは凄かったですね。アメリカ人と思われる若者が一時ステージ上に上がってダークスにビールを渡すなんてハプニングも。ダークスは余裕でやり過ごしてましたね、さすが!けしてダークスのファンでない、インタビューをご一緒した方が、「CDの数倍良かった!」とおっしゃっていたのが印象的です。1年のほとんどをロード・ツアーで過ごすというダークス。彼の曲作りはライブで演奏し、観客と楽しむ事を前提としてるのだと思います。だから、アリーナの響きや迫力が加わったライブの方が、曲の良さが引き出されるのではないでしょうか。とにかく、歌や演奏のみならず、豊かな表情も交えて観客とコミュニケーションを取るパフォーマンス全体が素晴らしいものでした。最後に、「もう一曲?」てな感じで表情豊かに問いかける仕草で気を持たせて、ラスト曲、お得意の"Folsom Prison Blues"になだれ込む処は上手かった。こんな凄いライブを難なくこなすんだから、是非、東京でやらせてあげたい!!
余談ですが、ステージ袖でウィスキー・フォールズのデモン・ジョンソンが、ズット真顔でダークスのパフォーマンスを見てました。うむ、この機会にスターから吸収しようと勉強してたのね、エライ!
今回インタビューには6組の取材陣が来ていましたが、殆どが地域の新聞社、或いは、ラジオ番組からの取材だったようです。カントリー・ゴールドのおかげで、ローカル・レベルではカントリーのレギュラー・番組があって、FM熊本でその一つを持たれている熊本在住の千田浩未さんの姿もありました。アラン・ジャクソンの邦盤の日本語訳を担当されている方です。千田さんのおかげで、熊本の方は毎年、アーティストの肉声が聞けるのです。
最後に偉大なホストのチャーリー・永谷さんの凄さについて。カントリー・ゴールドで毎年のように質の良いアーティストが来日してくれているのは、ひとえにチャーリーさん個人とアメリカ本国のカントリー界、プロモーターとのつながりの強さのおかげと言います。チョッとカントリーのこと知ってる人が、こんなイベントやるから来ない?儲かるよ~なんて言ったってこんなイベントは出来るものではありません。いや決してアーティストも主催者も簡単には収益は出ないと聞いています。愛情と情熱の賜物なのです。チャーリーさんももう70歳をすぎられて、まだまだお元気なのでこんな事を言うのは不謹慎ですが、もしいなくなったら・・・・カントリー・ゴールド続けられるかなぁ、と複数の方が言っておられます。その一方で、今年は例年より少し参加者が多く、そして年齢層が少し下がったようだという良い兆しもありました。ただ、そう悠長に構えている時間はなさそうです。これからも末長くこうして日本でカントリーが生で楽しみ続けられるかどうか、ボールは私達ファンの側に、私達一人ひとりがカントリー・ミュージックの伝え手、語り部としていかに有効に機能していけるかどうか、にあるような気がしています。
また来年、この地に戻って来れる事を祈っています!!
恒例のカントリー・ゴールドTV放送予定は・・・
11月22日(土) 22:00-22:59
NHK BS2 「カントリー・ゴールド2008」
とパンフレットに案内ありました。いつも各アーティストのコメントが少々聞けますので、ライブ演奏共々楽しみに待ちましょう。
チャーリーさんは、12月にはまず6日に神戸ハーバーランドで演奏、プリンセス天功さんと衝撃(?)の共演、そして15日には東京の目黒雅叙園でショーをされるなど、まだまだ精力的にご活躍をされる予定。CGでもバンドのグッドなサポートで良い声を響かせておられて、私なんかより全然お元気ですやん・・・当分は頑張っていただけると信じております!私も頑張らねば!?
チャーリーさんには、大変でしょうがこれからもガンバってもらいたいですね。
ご紹介されていたDanielle・Peck
を昨日、購入いたしました。
Goodですね。さて、何気なく目にした
Emmylouのコーナーで探していた
彼女のライブ盤、Last・Dateがあるではありませんか。これも購入。
Danielleをご紹介いただいた管理人様
が引き合わせてくれたと、感謝です。
彼のライブ最高でした。観客の目、耳と心を最後まで放しませんでした。