★2020年リリースのカバーアルバム「Country State of Mine」
の、各曲情報などをアップしました★
2003年のデビュー・アルバム「Long Black Train」以来、変
わらずメジャーMCAレーベルに所属し続ける大物、ジョシュ・
ターナーが、満を持して2018年にリリースしたゴスペル・ア
ルバムです。世俗音楽とは一線を画す、必要十分なアコーステ
ィック主体のカントリー・サウンドをバックに、彼の個性であ
る艶やかなディープ・ボイスが味わえます。元々、カントリー・
ゴスペル歌手としてキャリアを始めた人なので、本人としても
待望のリリースです。
選曲は、ゴスペル~セイクリッドの定番中の定番曲("Great Is
Your Faithfulness""Swing Low, Sweet Chariot""How Great
Thou Art""Amazing Grace")から、ゴスペル的カントリーの名
曲("I Saw the Light""I Pray My Way Out of Trouble""Without
Him")、そして神や信仰をテーマにした彼自身の超代表作("Long
Black Train""Me and God")がまとめられています。ゴスペル・
アルバムというと、アラン・ジャクソンの名盤「Precious Memories」
が思い出されますが、あそこまできっちり構成された感じではな
いのですが、ジョシュらしさ、彼の個性に溢れていて、アラン作
とは違った、まさにディープな魅力があります。
アルバムは"I Saw the Light"で軽やかに始まりますが、コード
進行をオリジナルと変え、ディープ・ボイスに合う深みを醸し出
してます。ゴスペルですから、やはり心に染みるスロー曲が中心
なのですが、骨太のダウンビートがナイスなグルーブを生む"Swing
Low, Sweet Chariot"はクールだと思います。1オクターブ下げ
て歌う”見せ場”にニンマリしますね。
"Without Him"はエルヴィス・プレスリーが最初に「How Great
Thou Art」で取り上げた事で有名となった曲。クリスチャン・ロ
ック・アーティストのマイロン・レフェブが初めて書いた曲で、
ゴスペル・コンサートで偶然聴いたエルヴィスが気に入って、レ
コーディングしたのだとか。"I Serve a Savior"はジョシュも共作
したオリジナル曲で、牧師さんのような低音の語りが厳かです。
"I Serve a Savior"
"The River (Of Happiness)"はライブ録音で、彼の4人の息子さ
ん達の歌声をフィーチャーした小品です。アメリカ南部の信仰篤
い家族像が垣間見えます。自作の名曲"Long Black Train""Me
and God"も同じスタジオ・ライブで、こちらもアコースティック
主体のみずみずしい演奏です。それにしても、"Long Black Train"
は何度聴いても名曲です。カントリー永遠の名曲と思います。デ
ビュー曲でコレをモノにしてしまったってのが、ジョシュの幸運
であり、同時にプレッシャーであり続けたんだろうな、と思います。
"Long Black Train"
なお、そのGaither StudiosでのライブはDVDでリリースされて
おり、またYoutubeでもほとんど見る事が出来ますので、ごく一
部ですが、埋め込んでおきます。ジョシュの安定した素晴らしい
歌声が楽しめます。
2017年の「Deep South」でカントリー・アルバムの1位を獲っ
た人が、翌年にこんなシンプルな宗教アルバム(このアルバムも2
位まで達してます)をメジャー・レーベルから出しているという事。
ジョシュの信仰心の強さと、レーベルの彼への信頼が感じられま
す。このアルバムを聴きだしてから、こればかり聴いています。
カントリー・ミュージック、これで良いよね、と思うのです。ど
んどん新しい要素が取り込まれるポップ曲も楽しいですが、やは
りこのアルバムで展開しているのが、カントリー・ミュージック
の本来の姿である事は間違いありません。
●ジョシュについては、全盛期の頃のアルバム、「Your Man」
「Everything Is Fine」「Haywire」の記事もアップしています。
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