ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

メアリー・チェイピン・カーペンター Mary Chapin Carpenter - The Dirt and the Stars ~そして、"No Expectations"のこと

2021-01-09 | カントリー(女性)

 

静かな年末年始に合わせてでもないですけれども、昨年暮れから折

に触れてよく聴いていた、ベテラン、メアリー・チェイピン・カ

ーペンターのとても穏やかな最新作です。今はヒット・チャート

とは無縁の存在となっていますが、90年代初頭の全盛期以降、30

年にわたり着実にアルバムをリリースし続けていて、根強い人気

を維持している事がうれしいです

 

 

全盛期は、92年と93年にCMAアワードの女性ボーカル賞を2年連

続で勝ち取る程のメジャーな人気を誇りましが、その当時から今

に至るまで、彼女のフォーキーで深い陰影に富むカントリー・タ

ッチのマイルドな音楽は他に類例がなく、彼女の音が求められ続

けるのも頷けます。今のメインストリーム・カントリーには、と

ても期待できそうにない奇特なサウンドなのです。10年ほど前に

このブログでも「The Age of Miracles」を取り上げていて、そこ

ではプロフィールも紹介しております。

 

 

このアルバムは、バンド・メンバー共々、イギリスのバースにお

もむき、その地のピーター・ガブリエル(元ジェネシス等々)の

スタジオで、ほぼライブ録音したそうです。そのせいか、音がな

んとなくドライで味わいがあります。曲想的には"Secret Keepers"

のようなフォーク・ロック、"Old D-35"のフォーキーなスロー、

トランプ陣営のリンジー・グラハム議員の偽善テーマにした

”American Stooge”の粘っこいパブ・ロック等々ほぼ全盛期と変わ

らないんですが、年輪を重ねた味わい・優しみが増ています。

そんな音世界の中、"All Broken Hearts Break Differently"のように、

希望をあきらめない前向きなメッセージが歌われています。ラス

トの"Between The Dirt And The Stars"でジワリと盛り上がるギ

ーなど、バックの演奏も聴きモノです。

 

 

それにしても、この人の音楽が広く受け入れられていた90年代と

はつくづく良い時代だったのだと思います。このフォーキーなカ

ントリー・スタイルの先駆者としては、やはり大ファンだった80~

90年代のナンシー・グリフィスが思い当たります。"Between The Dirt

and the Stars"で、ストーンズの"Wild Horses"のことが歌われてい

ので思い出したのですが、実はこの二人が共演したAustin City

Limitsの古いライブがYoutubeで見れて興味深いです。

 

もう一組はIndigo Girls

 

曲はナンシが「Stone Country」という、90年代の主流ントリー・

アーティトがローリング・ストーンズのヒット曲バーするという

画アルバムビートルズ版もあった)に収録した"No Expectations"

ブリティッシュ・ロックの音を艶やかな王道アメリカン・サウンドで

焼き直してもピンと来ませんでしたが、ナンシーの"No Expectations"

だけは別格。そもそも選曲からして絶妙で、しかもバラーをアップ

ンポに改作。ライブとスタジオ盤を両方貼り付けておますので、

よろしかったらどうぞ。

 

 



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