ワイルドなアメリカン・ロック・スタイルを基調としながらも、時に無機的なエレクトリック・ドラム風サウンドを上手く取り込んだ音作りで個性をPRする男性アーティスト、エリック・チャーチ。キース・アーバンやジェイソン・アルディーンらの系譜に属するスタイルですが、そのアーシーなテナー・ボイスはアメリカ南部ならではのオーガニックな響きを持ち、強烈にカントリーらしさを感じさせます。これはもう半年以上前のリリースになる、2011年の3枚目。カントリー・アルバムだけでなく、トップ200でも堂々1位を獲得し、チャート上大躍進をモノにした作品です。そして、2012年グラミー賞のベスト・カントリー・アルバム賞にもノミネートされました。
各曲には、”酒”("Drink In My Hand""Hungover & Hard Up""Jack Daniel")、”キリスト”("Like Jesus Does""Country Music Jesus")、そして人生の失意("Creepin'")など、カントリー・ミュージックの18番的なテーマが散りばめられ、カントリー・ファン層の大きな部分を占める南部白人層への共感を呼びかけた楽曲がラインアップされています。現代カントリーの一つのカテゴリーを代表するアルバムだと言えるでしょう。ストレートなロッキン・カントリー、"Drink In My Hand"はとにかく意気が良く快調!前作「Carolina」からシングル・ヒットした"Hell On The Heart"の流れを汲み、無機的で重厚なリズムが腹に効く"Hungover & Hard Up"は実にクールです。本来持ち合わせているはずのカントリー・ルーツを捨て、ヒップ・ホップ風ライフスタイルで生きる若者に対して呼びかける"Homeboy"。このアルバムからのリード・シングルで、コーラスでの壮大なスケールが印象的です。アコースティック基調のオーガニックな"Jack Daniel"は、エリックのカントリー・シンガーとしての真骨頂。コレ、お気に入りです。
このアルバムの作品中、最も目を引くのは、やはり”Springsteen"でしょう。すこしくぐもったピアノ音がチョッピリ感傷的な雰囲気をたたえるミディアム曲です。”メロディが思い出のように響くなんて、とてもおかしな事だよね/7月の土曜の夜のサウンドトラックみたいにさ/スプリングスティーン”現代の多くのロッキン系カントリー・アーティストにとって、音楽的のみならず精神的ルーツとしてブルース・スプリングスティーンが存在している事を、我が国の音楽ファンも認識していただけると、現代カントリーの立ち位置・役割が理解しやすいかと思います(弊ブログの記事「Rodney Atkins ロドニー・アトキンス - It's America」でもスプリングスティーンの現代カントリーに対する影響について触れていますので、ご参照を)。"Homeboy"もある意味、彼のスプリングスティーン崇拝を表現していると言えると思います。
1977年、ノースカロライナ州Granite Falls生まれ。13歳でソングライティングを始め、アパラチアの大学に在籍した時にバンド活動を開始。そのバンド、 Mountain Boysはノース・カロライナの西部で活動をしました。マーケッティングの学位を取って大学を卒業した後、エリックはナッシュビルに。音楽出版社と契約し、テリ・クラークの"The World Needs a Drink"を始めとした彼の楽曲が他のアーティストに取り上げられた事をきっかけに、プロデューサーJay Joyceの興味を引き、キャピトル・ナッシュビルとの契約が実現したのです。2006年のデビュー・アルバム「Sinners Like Me」は、商業的な成功を収めただけでなく、批評家筋からの評判も上々でした。2009年のセカンド、「Carolina」でさらにコンテンポラリー・カントリーの境界を揺るがし、トップ10カントリー・ヒットを2曲("Love Your Love the Most""Hell on the Heart") 放ちます。その結果、2010年のアカデミー・オブ・カントリー・ミュージック・アワードで最優秀新人アーティストを獲得したのです。
●2015年 Mr.misunderstood のレビューはコチラ
各曲には、”酒”("Drink In My Hand""Hungover & Hard Up""Jack Daniel")、”キリスト”("Like Jesus Does""Country Music Jesus")、そして人生の失意("Creepin'")など、カントリー・ミュージックの18番的なテーマが散りばめられ、カントリー・ファン層の大きな部分を占める南部白人層への共感を呼びかけた楽曲がラインアップされています。現代カントリーの一つのカテゴリーを代表するアルバムだと言えるでしょう。ストレートなロッキン・カントリー、"Drink In My Hand"はとにかく意気が良く快調!前作「Carolina」からシングル・ヒットした"Hell On The Heart"の流れを汲み、無機的で重厚なリズムが腹に効く"Hungover & Hard Up"は実にクールです。本来持ち合わせているはずのカントリー・ルーツを捨て、ヒップ・ホップ風ライフスタイルで生きる若者に対して呼びかける"Homeboy"。このアルバムからのリード・シングルで、コーラスでの壮大なスケールが印象的です。アコースティック基調のオーガニックな"Jack Daniel"は、エリックのカントリー・シンガーとしての真骨頂。コレ、お気に入りです。
このアルバムの作品中、最も目を引くのは、やはり”Springsteen"でしょう。すこしくぐもったピアノ音がチョッピリ感傷的な雰囲気をたたえるミディアム曲です。”メロディが思い出のように響くなんて、とてもおかしな事だよね/7月の土曜の夜のサウンドトラックみたいにさ/スプリングスティーン”現代の多くのロッキン系カントリー・アーティストにとって、音楽的のみならず精神的ルーツとしてブルース・スプリングスティーンが存在している事を、我が国の音楽ファンも認識していただけると、現代カントリーの立ち位置・役割が理解しやすいかと思います(弊ブログの記事「Rodney Atkins ロドニー・アトキンス - It's America」でもスプリングスティーンの現代カントリーに対する影響について触れていますので、ご参照を)。"Homeboy"もある意味、彼のスプリングスティーン崇拝を表現していると言えると思います。
1977年、ノースカロライナ州Granite Falls生まれ。13歳でソングライティングを始め、アパラチアの大学に在籍した時にバンド活動を開始。そのバンド、 Mountain Boysはノース・カロライナの西部で活動をしました。マーケッティングの学位を取って大学を卒業した後、エリックはナッシュビルに。音楽出版社と契約し、テリ・クラークの"The World Needs a Drink"を始めとした彼の楽曲が他のアーティストに取り上げられた事をきっかけに、プロデューサーJay Joyceの興味を引き、キャピトル・ナッシュビルとの契約が実現したのです。2006年のデビュー・アルバム「Sinners Like Me」は、商業的な成功を収めただけでなく、批評家筋からの評判も上々でした。2009年のセカンド、「Carolina」でさらにコンテンポラリー・カントリーの境界を揺るがし、トップ10カントリー・ヒットを2曲("Love Your Love the Most""Hell on the Heart") 放ちます。その結果、2010年のアカデミー・オブ・カントリー・ミュージック・アワードで最優秀新人アーティストを獲得したのです。
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