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Florida Georgia Line フロリダ・ジョ-ジア・ライン - Anything Goes ~インタビューで語るアルバムのこと~

2016-04-22 | Florida Georgia Lineフロリダ・ジョージア・ライン レビュー

2012年のデビュー曲"Cruise"でいきなり、歴代ビルボード・カントリー・シングルチャート1位の獲得週記録を更新してしまった、フロリダ・ジョージア・ライン(FGL)。なんせ、これまで記録を保持していたのは、ウェッブ・ピアーズ、ハンク・スノウ、エディ・アーノルドなどの、60年ほど前のクラシック・レジェンド達。普通なら、時代が違うんだから今の時代ありえないよ、と言いたくなる事をやってのけたのですから凄かった。そんな彼らも今やメインストリーム・カントリー界を引っぱる存在となり、アワードのデュオ部門を当たり前のようにさらっています。今回は、チョッと前になりますが、既に成功を収めたセカンド・アルバム「Anything Goes」に関する、CMA(カントリーミュージック協会)が2015年に提供したインタビュー記事で、彼ら自身の声を紹介したいと思います。インタビューアーは、Chuck Dauphin氏。



テイラー・フッバートは自分達のブレイクの起点となった、その時と場所を特定する事ができます。”それは2012年の夏、Country Throwdown Tourだったと思うんだ”彼は思い返します。”僕達にとって今に至る出来事が始まったのが、その時だったんだ。人々は僕達が誰なのかを認識し始めた。事が広がり始めたのはその時さ。それ以降、もうずっとクレイジーな状態なんだ” ”"Cruise"をリリースして以降、僕達のどのショーでも事はどんどん良くなっていった”と、パートナーのブライアン・ケリーも同意します。”皆が僕達の昔のEP(ミニアルバム)を買ったり、Youtubeでのカバー曲のビデオを見たりもして、僕達の事を確かめて行ったんだ”"Cruise"は合計で24週もの間(断続的に)、ビルボード・カントリー・シングルチャートのNo.1に居座り、デビューアルバム、「Here's to the Good Times」がダブルプラチナアルバム(売り上げ200万枚)を達成するのを促しました。



このRepublic Nashvilleレーベル所属のデュオは、セカンドアルバム「Anything Goes」でも、オールジャンルのビルボード200に初登場1位で登場したり、ゴールドレコード(50万枚、2015年前半時点)を達成したりと、同様の反応を楽しみました。”新しいレコードを皆に届けられてとてもエキサイトしているんだ”ケリーは言います。”アルバムが完成したら即、リリース出来たらなぁと思うよ。そこに収録した作品達はまさに僕達がどこにいるのかを表現しているからね。それらはまさしく僕達そのもの、僕達がいたい場所なんだ。持っている全てをこの作品に盛り込んだよ。そして、もっとクレイジーなツアー・パーティを敢行するつもりさ”



「Anything Goes」でのFGLの物語には、3人の欠かすことの出来ない役者が深く関わっていました。”ココで聴ける全ては、プロデューサーJoey Moiがテーブルに準備してくれたものさ”フッバートは主張します。”僕達は彼の事を、ウィザードって呼んでるんだ。彼は僕達の夢やヴィジョン、僕達のサウンド、僕達が誰で何を表現しているのかを理解するんだ。僕達だけなら、決して他の誰も僕達の音楽に触れる事はなかっただろう”



Big Machine レーベルの創業者、社長でCEOでもあるスコット・ボルチェッタは、デュオの成功プロセスの中心にいます。”業界のあらゆるレベルでスコットと同じくらい成功している人がいるなら、いつもその人の言う事は聴かなくちゃね”ケリーは言います。”彼はすごいアドバイスをくれるよ。リーダーシップは信じられないくらいだ。彼のヴィジョンは、この世界からのモノだ。彼は大変働き者で、業界経験も豊富さ。僕達はそれを最初の日から理解し、彼から出来るだけ多くの事を学べるのは、クールな事だよ”

Jimmy Harnenは、「Anything Goes」のストーリーの、もう一人の重要な役者です。”私達はこのアルバムが完成した時から楽しく聴き続けています”Big Machineのエグゼクティブ副社長でRepublic Nashvilleの社長である彼は言います。”最初のデモやラフミックスから聞いていました。偉大なアルバムに形作られていく様を見るのはいつも楽しかったです。この「Anything Goes」には、"Dirt"から"Bumpin' the Night"や"Confession"までの、沢山のピークがあります。ほんとにバラエティに富んでますが、でも同時に創り上げられているんです。それがFGLの中核を保っているものなんですよ。人生の全てを掛けて初めてのアルバムをモノにし、そしてその後の10ヶ月を2枚目の制作につぎ込むなんて、簡単な事ではないですよ。彼らは困難な状況に見事対応したんです”



2014年の10月14日にリリース(本国)された「Anything Goes」はFGLサウンドを守りつつ、それをより拡げました。エネルギーにみなぎるタイトル曲"Anything Goes"は、もう一つのアルバムのハイライトです。”ファーストアルバムが世に出た時、この曲は出来ていた”ケリーは言います。”すぐにそれを保留し暖めてきたんだ。僕達はそれが次作の重要曲になるだろうと分かっていたよ。結局、このナンバーはアルバム・タイトルになり、その後の僕達の2015年のツアー・タイトルにもなったんだ。このアルバムのトーンや創造性を形作った曲だよ。ナッシュビルのライターと曲を書いていた時、僕達は既に有るルールの形に耐えなくてはいけないんだって思っていた。でも、もう僕達はそうはしないよ。僕達がやりたいようにルールを創るのさ。だから、ツアーでも作詞においても、"どんなものであろうと進んでいく"のさ”



フッバートとケリーは、ゲストのサラ・ボクストンの歌声をフィーチャーした"Smoke"で肉感的な視聴体験を提示してくれました。”ある種、不穏な曲だね”ケリーは言います。”でも彼女のボーカルは凄まじいよ。僕達はこの曲では彼女のバックに徹しなくてはいけなかった。ファースト・アルバムでも彼女と"Dayum Baby"を歌ったよ。彼女はそんな驚くべき才能を持っていて、僕達のレコードで歌ってもらえるのは光栄な事さ。サラは曲が求めていた魅惑的なタッチを持ってきてくれるんだよ”



アルバムの勢いは、ファーストアルバムよりもより有機的なサウンドを持った、リード・シングル"Dirt"の成功で最初から決定付けられました。”最初それを聴いた時、瞬く間に恋に落ちたよ”フッバートは言います。”僕達が曲作りを始めた頃に戻してくれたんだ。ブライアンと僕ってどんな人なのか、の問いに対して、ファンはいろんなアングルやサンプルを得る権利が有るけど、そんなファンの気持ちになれたよ。皆に僕達の事や、僕達がクリエィティブな事を知ってほしい。沢山の違う面を持っているんだ”


"Dirt"は、リリースされる前から、ラジオ・プログラマー達にはリード・シングルとして認められました。”私達は、シングル発送の2週間前に、プロモーション用アイテムを制作してラジオ関係者に聴かせて廻ったんです”Harnenは言います。”彼らのコメントは皆一緒でした。「ワァオ!これは見事にリスナーが必要としているものだ。完璧な曲だよ。それに完璧なタイミングだ。見事な成熟、深み、そして見事に内省的だ」誰に聴かせても、皆同じ事を言って愛してくれたんです。かつて私がラジオ局へ持って行った中で、もっとも満場一致で受け入れられた曲の一つでしたよ”



FGLサウンドの広がりは、既に開拓されたファン達の基盤の上に築かれたものかもしれません。”いかにして音楽が人の心に触れて、彼らをカントリー・ミュージックのファンに変えていくのかを見るのは、本当に感動的だよ”フッバートは洞察します。”僕達が出てくる前まではカントリーを聴いていなかった人達が、今それを愛してくれてるって話を聞くことが、僕達への最高の賛辞の一つさ。聴衆の中のそんなファン達が、リラックスしてくれて、楽しい時をすごしてくれてる様を見るのがとてもグレイトなんだ。それこそが僕達がやりたいことなのさ”




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