シギ・チドリの秋は,早い。
7月28日,午前中,山元町のひまわり祭りを見た後,昼食に,亘理町内にあるラーメン屋に行くことにしていたが,思ったより時間がかからなかったので,お昼まで,時間が空いてしまった。
そこで,夢の世界で遊び始めた妻を,クーラーが効いた車内に残して,ちょこっとだけ,鳥の海を覗いてみた。
そうしたら,もう,数種類のシギたちが来ていた。
北の繁殖地で子育てを終えたシギチ成鳥たちが,南下を始めたようだ。
世の中,まだ,『秋』というには早いのだが,シギチの世界では,今の時期の渡りでも,『春の渡り』に対して,『秋の渡り』と言っている。
キアシシギは,前日も,7羽の群れを見ていたが,この日は,6羽を視認。
私ひとりの目で,限られた時間に,ごく一部を探した結果だから,もっと,いたかもしれない。
声は,にぎやかに,聞こえてきていた。
キアシシギの成鳥は,この写真 (↑) のように,体下面が,細かいボーダー柄になっていて,ここんとこが,なかなか良い。
トウネンは,シロチドリ幼鳥の水浴びを眺めていたら,側の草むらから,3羽出てきた。
大きさの比較対照ができるシロチドリとのツーショット。
シロチドリより,小さい。
トウネンは,おとなでも,当年生まれの子どもようにちっぽけなので,トウネン。
漢字でも『当年』と書く。
じっとしていると,足下まで来るくらい慣れっこいシギなのだが,このときは,何かに驚いて,浜の方に飛んでしまった。
まだ見足りなかったので,私も,浜の方に移動。
いた,いた。
飛んだ数と同じ3羽。
膝をついて,小さくなった上で,警戒する様子を見ながら,じりじりと,時間をかけて,寄る。
シギチは,こうして,至近距離で,呼吸する空気を一緒にできるから,たまらなく好き。
車内に残してきた妻が気になりながらも,満足するまで,一緒にいさせてもらった。
で,勘違いしていたことに気づいたのは,家に帰って,写真整理をしていたとき。
何か違和感があったので,シロチドリが一緒に写っている写真を探して,念のため,大きさを比較してみたら,全然,小さくなかった。
この子たち,トウネンではなく,ミユビシギだったんでないの。
よく見ると,足の第1趾(4本ある指のうち後ろに1本ある指)はなくって,『三指』のようだし,顔の眉付近も,トウネンのような「白っぽさ」に乏しい。
同じ3羽で,姿形も似ていて,ずるい。
忍者のように,飛んで,変身したか?
そういえば,この前日も,ここにミユビシギがいたんだったっけ。
大きさが全然違うので,ミユビシギとトウネンを見間違えるなんて,考えられない。思い込みって恐ろしい。
ジャイアント馬場と白木みのるを見間違えるようなもの。
あぁ,恥ずかしい。
時間が来て,ラーメン屋に向かう途中,イエローハウス前の干潟も,ちょこっとだけ覗いてみたら,こちらには,ソリハシシギが,入っていた。
覗くとき,防波堤から首を突き出す形になってしまい,飛ばしてしまったが,運良く,翼後縁の白を撮影することができた。
ソリハシシギが飛んだとき,押えておきたい,チャームポイント。
降りたところに,もう1羽いたので,ソリハシシギは,計2羽。
スキマ時間での短い鳥見だったが,ワクワクするような,『秋の渡り』の始まりを感じることができた。
この後に行ったラーメン屋。
看板は,レタッチして消したわけではなく,こういう看板。
数年ぶりに行ったら,店が見違えるほど立派なっていてビックリ。
ただ,店の看板に,店名が入っていないのは,以前と同じ。
店名が表示されていないことで有名になってしまったので,いまさら入れられないよなぁ。
煮干し出汁のラーメンは,超美味かった。
唇と舌の触覚神経と,鼻の奥の嗅覚神経が至福状態。永遠にすすっていたかったが,残り少なくなって,すするスピードを落としても,あっという間に,なくなってしまった。
鳥の海で鳥見するときは,このラーメン屋とセットにするっていう手もあるな。
(2024/07/28 キアシシギ,トウネン,ミユビシギ,ソリハシシギ)