セッカのオスは,裁縫をする。
葉っぱに穴を開けて,クモの糸を通し,葉っぱを縫い上げて,巣の外側を作る,という。

上の写真で口にくわえているのは,クモの糸の塊(かたまり)。
糸は,クモの巣から取るのではなく,中に卵が入っているクモの糸の塊(卵嚢)から取る。

ここにクモの卵嚢があったようだ。

テリトリー内に立ち寄って,その巣が気に入ったメスは,巣を作ったオスとペアになる。
ペアになったメスは,内側を作って巣を仕上げ,そこに卵を産み,抱卵して孵化させ,その後も,基本,ひとりで子育てをする。

この日も,餌をくわえていたのは,すべてメスと思われる個体だった。

一見すると,オスもメスも同じ姿だが,くちばしの付け根から目にかけて黒い部分があるのが,オス,ないのが,メス。
オスは,嘴と目が,黒い帯で繋がっているように見える。

このオスたちは,抱卵や子育てなどに,一切関わらない。
テリトリー内を,鳴きながら飛び回り,新たなメスを呼ぶための巣を縫うのみ。

そして,縫い上げた複数の巣に,別のメスが付けば,それぞれのメスと,さらに交尾し,卵を産ませる。
繰り返して書くが,その後の抱卵や子育てには関わらない。

誰も来なければ,単身のままだが,複数のメスが来れば,複数の妻を持つことになる。

人間だったら,クズ男そのもの。
一方のメスも,同じようなもの。

年に3回,繁殖できるので,一旦,子育てが終わったら,別の場所に行き,別のオスと交わり,父違いの子を産み,育てる。
また,子どもは,子どもで,早期に生まれて成熟した子どもたちは,生まれたその年から,こうした繁殖行動に加わる,という。

繁殖率が低いがゆえ,というのだが...。

セッカには,セッカなりの必然がある。
人間の倫理観に当てはめ,引き比べること自体,間違い。
(2024/06/02 セッカ)
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