アフリカには,クロコサギという鳥がいる。見た目は,真っ黒なコサギなのだが,狩りの方法が変わっていて,翼を丸く広げ,体全体を傘のようにして日陰を作り,そこに集まった魚を捕食する。
魚は日陰に集まる習性があるので,その習性を利用した狩りの方法だ。
さて,今回ここに取り上げるのは,以前もこのブログに掲載した相馬港の黒くないクロサギ。
この日は天気の良い日曜日だったので,水遊びの親子連れや釣り人でにぎわっていたが,前回までと同様,結構近くに出てくれて,魚を捕食する行動も見せてくれた。
このクロサギの捕食行動を見て,冒頭のクロコサギの狩りを連想してしまった。
クロコサギのような奇抜な格好をするわけではないが,このクロサギは,魚を狙ってる間,体を平べったくし,翼をわずかに広げる。
単にバランスを取っているだけかもしれないが,水辺でこういう態勢を取った場合は,結果的に,クロコサギ同様,水面に日陰を作る。
水辺に立って,おもむろにこの態勢に入り,獲物を探す。
そして,水面を刺すようにして魚を捕らえる。
サギ仲間のササゴイも同じような捕食行動を見せるが,ササゴイは翼を広げない。
ササゴイは小さいし,足や首が短いので,無理なく水辺に立って待機できるが,下の画像のように,クロサギは足や首が長いプロポーションなので,姿勢を低くして待つには無理がある。
翼を広げるのは,日陰作りというより,姿勢を低くするためのバランス取りの可能性が高いように思う。
見ていると,
① 体を平べったくして翼を広げて狙う
② 素早くくちばしを水に突き刺す
③ 魚を捕らえる
④ 獲物の水を切って口に放り込む,
この①〜④の一連の動作を繰り返し,繰り返し,行っていた。
捕獲率は100%ではないが,人がかっぱえびせんを食べるように,小魚をどんどん口に放り込んでいた。やめられない,とまらない♪ ってやつ。
釣りの世界では,釣果100匹の釣りを一束(いっそく)釣りというらしいが,1束なんて簡単に超えそうな勢いだった。
ただ、ここには稚魚しかいなかったようなので,100匹食べてもお腹いっぱいになるかどうか不明。
狩りのタイミングも絶妙で,潮が引いてきて,浅瀬に小魚が溜まる時間帯だった。
この狩りの方法のほか,魚を追いかけて,バタバタしながら狩りをしている光景も観察できた。
このときは,あえなく失敗。
次。
このときは成功したが,使ったエネルギーと捉えた獲物の大きさを比較すると,なんとも効率か悪い。
しかも,せっかく捕らえた魚を落としてしまうし。
魚獲りの奥義を見た,と思って,感動していたのだが,人間らしい(?)ところも見せてくれて,思わずにっこり。
(2027/02/18 クロサギ)
記事を楽しんでいただいたようで,とても嬉しいです。何のメッセージもない記事ばかりなので,今後とも,お気軽に楽しんでいただけると幸いです。
コメントいただき,ありがとうございました。