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落語とユニバーサルデザイン!?

2007-11-07 23:21:39 | マスター独り言
私は唯一のサラリーマン時代(約1年)にデザイナーをしていたことがあるので、デザイン関係の友人が多いです。
飲みながらデザイン論を語ることもあります、最近は落語、演芸論が多いですが(笑)
時代はユニバーサルデザインの時代に入ってきてるのです。

ネット辞典ウィキ・・によると

ユニバーサルデザイン(Universal Design、UDと略記することもある)とは、文化・言語の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)をいう。

だそうです。つまり高齢者向けとか障害者用でなく、誰にも区別なく優しいモノということです。

物作り、公共物、情報システムにおいては、とても大事な思想だと思います。

しかしエンターテイメントに対してはどうなのかな~。と思う出来事が最近ありました。

やっぱり落語界の話です。まずは下記の2007.11/1の新聞記事を参照ください。
 
   落語に手話「気が散る」抗議で謝罪…三笑亭夢之助さん独演会

芸協の事務所にも抗議の電話がかかったり、私の所属する花伝亭の授業でも、この事案にかんして師匠からも、かんたんですが説明がありました。
ネット社会でも、落語、演芸サイトだけでなく、人権団体や行政批判者の書き込みがあいまって、いろんな掲示板、ブログで、物議、論争がおきています。

みなさんはどう思いますか?

落語家は、今で言うKY(空気読めない)の真逆で、場や間を読む能力に非常にたけた人種です。

夢乃助師匠も「せっかく私の落語でみなさんが心地よくあくびをはじめているのに、手話の人のせいで眠りにつけない」と自虐ネタを使ってシャレで訴えました。

しかしシャレは通じません。

ろう話者や、盲目者がいても寄席では、前もって情報が入り、ネタの選別や表現に噺家は気をつかっています。

事前に師匠が主催者から,手話入りを聞いていたら,対応は大きく変わっていたと思います。

しかし前年の大助、花子の漫才の手話通訳が大喝采だったため、今年は落語でやろうと安直に企画したたための、お互いが不幸の結果としか、いえない事案でした。

お笑いでも、漫才と古典落語では大きく違います。
師匠の演目は「天災」とききます。有に60分はある長編です。
独演会の場合、寄席では長編が出来ないので、満を辞して掛けたネタだと思います。
手話通訳者入りを事前にきいてれば、違うネタをやったと思います。
「天災」は、人間の深層心理を表現し江戸っ子の威勢のいい言葉遣いが聞かせどころの噺ですので。
手話通訳の能力の限界を超えてる噺なんです。
その為の師匠の発言だったと思います。
ネット社会では師匠に対しての批判が多いですが、企画した行政人の不作為(落語に無知)の側面が大きいように私は思います。

噺家は、決しての俗世の言葉の達人ではなくて、弁明や言い訳、ネタの解説などは無粋といわれ、言葉足らずになる人が多いのです。
日本人ならそれを理解してほしいと思いました。
                      円ジョイの独り言