友人の楽四季さんのヴァイオリン演歌のCDに真白き富士の根が収録されている。
♪ 真白き富士の嶺、緑の江の島仰ぎ見るも、今は涙歸らぬ十二の雄々しきみたまに捧げまつる、胸と心ボートは沈みぬ、千尋(ちひろ)の海原(うなばら)風も浪も小(ち)さき腕(かいな)に力も尽き果て、呼ぶ名は父母恨みは深し、七里ヶ浜辺み雪は咽びぬ、風さえ騒ぎて月も星も、影を潜めみたまよ何処に迷いておわすか歸れ早く、母の胸にみそらにかがやく、朝日のみ光暗(やみ)に沈む、親の心黄金(こがね)も宝も、何にし集めん神よ早く、我も召せよ。雲間に昇りし、昨日の月影今は見えぬ、人の姿悲しさあまりて、寝られぬ枕に響く波の、音も高し帰らぬ浪路に、友呼ぶ千鳥に我も恋し、失(う)せし人よ尽きせぬ恨みに、泣くねは共々今日も明日も、かくてとわに♪
真白き富士の根(ましろきふじのね)は、逗子開成中学校の生徒12人を乗せたボートが転覆、全員死亡した事件を歌った歌謡曲である。「真白き富士の嶺」、「七里ヶ浜の哀歌」 とも呼ばれる。1935年、1954年にはこの事件を題材にした同名の映画にもなった