フッフ~…正解は「スペクトラムのデビュー記念日」です。とはいえ、若い人ではスペクトラムが何であるかを知らない人も多いでしょうから説明しましょう。スペクトラムとは、1979年8月25日にデビューした8人組のブラスロックバンドの事です。(デビュー当時は7人組)
グループのリーダー新田一郎さんは、元々中学校のブラスバンド部で活躍したラッパ少年でしたが、高校生のある日ラジオから流れてきたシカゴの「イントロダクション」という曲を耳にして「僕のやりたかった音楽はこれだ!」と目覚め、早速コピーバンドを結成。その「コーヒー&クリープ」というグループは音楽コンテストの上位に入賞する活躍を見せたため、審査員を務めていた元ワイルドワンズの渡辺茂樹さんの目に止まり、新田さんはアイドル歌手伊丹幸夫さんのバックバンドの一員としてプロのミュージシャンの道を歩む事となりました。
その後、グループはグループ名とメンバーを何回か変えながら数年後にキャンディーズのバックバンド「MMP」(ミュージックメイツプレイヤー)として名前が知られるようになります。(ちなみに、キャンディーズの応援歌「スーパーキャンディーズ」という曲は新田氏の作曲) その後新田氏は、MMPで活動を共にしていたトランペッターの兼崎順一さんにサックスの中村哲さんを加えた3人組の「ホーンスペクトラム」という独自のホーンセクションを結成しMMPから独立。沢田研二さんのバックなどで活躍する事となります。
さらにキャンディーズが解散することとなった時の最後のツアーでは、ホーンスペクトラムとして旧友のMMPと共にバックバンドを努め、現存する音源としては解散コンサートの「ファイナルカーニバル・ライブ」などで、その歯切れの良い迫力満点の演奏を聞くことができます。
そして、キャンディーズ解散から1年経ってようやくスペクトラム結成ということになりますが、ホーンセクションとしては新田さん、兼崎さんに加え、一時期MMPにも参加していたトロンボーンプレイヤーの吉田俊之さんが参加。それにMMPのギタリスト西慎嗣さん、同じくMMPのベーシスト渡辺直樹さん、東京芸大作曲科を首席で卒業して様々な歌手のバックバンドで活躍していたキーボード奏者の奥慶一さん、ロックバンド「愛奴」で浜田省吾さんの後任ドラマーだった岡本郭男さんという個性あふれるメンバーが揃いました。(デビュー後、当時まだ学生だった今野多久郎さんがバーカッションで参加)
デビューにあたっては、ホーンセクションを前面に出した日本では珍しいタイプのバンドだった事に加え、音楽面ではホーンセクションをはじめとした各メンバーの超絶技巧と、新田さんのファルセットボーカルも果敢にフィーチャーした3名のリードボーカリストによるポップなセンスが特徴。さらにビジュアル面では、総額1千万円と言われた超ド派手なステージ衣装に加え、前衛5人による大胆な振り付けもあり、トランペットをグルグル回し、ベースやギターまでもグルグル回す豪華絢爛なステージも話題になり、それこそ幅広いファン層を獲得しました。
なお、この新田さんのラッパ回しは年季が入っており、アマチュア時代のライトミュージックコンテストのステージでいきなりグルグル回したところ、審査員席の渡辺貞夫さんが驚いてひっくりかえりそうになったとか。新田氏本人は布団の上で練習したそうです。真似をしたくなる人も多いと思いますが、良い子の皆さんはマウスピースを飛ばさないように気をつけましょうね。(私は飛ばした事ありますので)
そしてグループがどうなったかというと、これだけのメンバーがいつまでも同じ方向に歩いていくわけには行かず、結局2年後の1981年9月、デビュー以来初の武道館コンサートをもって解散。オリジナルアルバム5枚とラストコンサートのライブアルバムを残してその活動に幕を降ろしましたが、それまで誰もやらなかったとんでもないグループの存在は伝説となって今もファンの間で語り継がれています。
説明が長くなりましたが私個人の話をすると、彼らの音楽を聞くキッカケになったのは、なんと言ってもキャンディーズのファイナルカーニバルのライブ盤でのMMP+ホーンスペクトラムの演奏。1曲目はクール&ザ・ギャングの「オープンセサミ」で、2曲目がEW&Fの「ジュピター」。この2曲で完全に圧倒されました。そのホーンスペクトラムのメンバーが中心となって新グループを結成するとなると「もう絶対買う!」という事で、当然ファーストアルバムから買いました。
ファーストアルバムを聞いてみてもちろん大感激したのですが、友人にそれを伝えようとしても「う~む、この音楽は一体なんと説明すればいいのだろう?」と悩んだり。私の場合は、テレビで見る機会が少なかったので完全に音楽面だけでのファンだったのですが、初めて「夜のヒットスタジオ」でその姿を見たときは「えらいもん見ちゃったなぁ~」という感じ。特に間奏のギター回しでは「え?え?」と目が点になりました。そうやって完璧にエンターテイメントを目指した集団ではありましたが、その与える印象が強すぎるゆえに物凄く好きな人と引いてしまう人に別れたのかもしれません。
しかし、彼らの音楽に魅せられた人は大勢いて、解散以来一度も再結成していないにも関わらず、20年以上経った今でもこういうサイトやこういうサイトにファンが集っています。で、実はそのスペクトラムのコピーバンドがあってReSPECTというのですが、来月初ライブが行われます。 私も参加しておりまして、ギター弾いたり歌ったりします。「果たしてできるんやろか?」という不安は当然ありますが、彼らの音楽の楽しさの10分の1でも100分の1でも再現できたらとは思っておりますので、関心のある方は是非お越し下さい。(どれくらい入れる会場かがよくわからないのですが)
ということで、いろいろウンチクも交えて書きましたが、すべて記憶に頼ったものなので「ここが間違ってるよ~ん」という指摘は大歓迎です。その道の方々には、是非突っ込んでいただくようお願いします。
グループのリーダー新田一郎さんは、元々中学校のブラスバンド部で活躍したラッパ少年でしたが、高校生のある日ラジオから流れてきたシカゴの「イントロダクション」という曲を耳にして「僕のやりたかった音楽はこれだ!」と目覚め、早速コピーバンドを結成。その「コーヒー&クリープ」というグループは音楽コンテストの上位に入賞する活躍を見せたため、審査員を務めていた元ワイルドワンズの渡辺茂樹さんの目に止まり、新田さんはアイドル歌手伊丹幸夫さんのバックバンドの一員としてプロのミュージシャンの道を歩む事となりました。
その後、グループはグループ名とメンバーを何回か変えながら数年後にキャンディーズのバックバンド「MMP」(ミュージックメイツプレイヤー)として名前が知られるようになります。(ちなみに、キャンディーズの応援歌「スーパーキャンディーズ」という曲は新田氏の作曲) その後新田氏は、MMPで活動を共にしていたトランペッターの兼崎順一さんにサックスの中村哲さんを加えた3人組の「ホーンスペクトラム」という独自のホーンセクションを結成しMMPから独立。沢田研二さんのバックなどで活躍する事となります。
さらにキャンディーズが解散することとなった時の最後のツアーでは、ホーンスペクトラムとして旧友のMMPと共にバックバンドを努め、現存する音源としては解散コンサートの「ファイナルカーニバル・ライブ」などで、その歯切れの良い迫力満点の演奏を聞くことができます。
そして、キャンディーズ解散から1年経ってようやくスペクトラム結成ということになりますが、ホーンセクションとしては新田さん、兼崎さんに加え、一時期MMPにも参加していたトロンボーンプレイヤーの吉田俊之さんが参加。それにMMPのギタリスト西慎嗣さん、同じくMMPのベーシスト渡辺直樹さん、東京芸大作曲科を首席で卒業して様々な歌手のバックバンドで活躍していたキーボード奏者の奥慶一さん、ロックバンド「愛奴」で浜田省吾さんの後任ドラマーだった岡本郭男さんという個性あふれるメンバーが揃いました。(デビュー後、当時まだ学生だった今野多久郎さんがバーカッションで参加)
デビューにあたっては、ホーンセクションを前面に出した日本では珍しいタイプのバンドだった事に加え、音楽面ではホーンセクションをはじめとした各メンバーの超絶技巧と、新田さんのファルセットボーカルも果敢にフィーチャーした3名のリードボーカリストによるポップなセンスが特徴。さらにビジュアル面では、総額1千万円と言われた超ド派手なステージ衣装に加え、前衛5人による大胆な振り付けもあり、トランペットをグルグル回し、ベースやギターまでもグルグル回す豪華絢爛なステージも話題になり、それこそ幅広いファン層を獲得しました。
なお、この新田さんのラッパ回しは年季が入っており、アマチュア時代のライトミュージックコンテストのステージでいきなりグルグル回したところ、審査員席の渡辺貞夫さんが驚いてひっくりかえりそうになったとか。新田氏本人は布団の上で練習したそうです。真似をしたくなる人も多いと思いますが、良い子の皆さんはマウスピースを飛ばさないように気をつけましょうね。(私は飛ばした事ありますので)
そしてグループがどうなったかというと、これだけのメンバーがいつまでも同じ方向に歩いていくわけには行かず、結局2年後の1981年9月、デビュー以来初の武道館コンサートをもって解散。オリジナルアルバム5枚とラストコンサートのライブアルバムを残してその活動に幕を降ろしましたが、それまで誰もやらなかったとんでもないグループの存在は伝説となって今もファンの間で語り継がれています。
説明が長くなりましたが私個人の話をすると、彼らの音楽を聞くキッカケになったのは、なんと言ってもキャンディーズのファイナルカーニバルのライブ盤でのMMP+ホーンスペクトラムの演奏。1曲目はクール&ザ・ギャングの「オープンセサミ」で、2曲目がEW&Fの「ジュピター」。この2曲で完全に圧倒されました。そのホーンスペクトラムのメンバーが中心となって新グループを結成するとなると「もう絶対買う!」という事で、当然ファーストアルバムから買いました。
ファーストアルバムを聞いてみてもちろん大感激したのですが、友人にそれを伝えようとしても「う~む、この音楽は一体なんと説明すればいいのだろう?」と悩んだり。私の場合は、テレビで見る機会が少なかったので完全に音楽面だけでのファンだったのですが、初めて「夜のヒットスタジオ」でその姿を見たときは「えらいもん見ちゃったなぁ~」という感じ。特に間奏のギター回しでは「え?え?」と目が点になりました。そうやって完璧にエンターテイメントを目指した集団ではありましたが、その与える印象が強すぎるゆえに物凄く好きな人と引いてしまう人に別れたのかもしれません。
しかし、彼らの音楽に魅せられた人は大勢いて、解散以来一度も再結成していないにも関わらず、20年以上経った今でもこういうサイトやこういうサイトにファンが集っています。で、実はそのスペクトラムのコピーバンドがあってReSPECTというのですが、来月初ライブが行われます。 私も参加しておりまして、ギター弾いたり歌ったりします。「果たしてできるんやろか?」という不安は当然ありますが、彼らの音楽の楽しさの10分の1でも100分の1でも再現できたらとは思っておりますので、関心のある方は是非お越し下さい。(どれくらい入れる会場かがよくわからないのですが)
ということで、いろいろウンチクも交えて書きましたが、すべて記憶に頼ったものなので「ここが間違ってるよ~ん」という指摘は大歓迎です。その道の方々には、是非突っ込んでいただくようお願いします。