今日のひとネタ

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鉄火じゃなくて

2012年05月16日 | 日記・雑記

 amazonである本を探してて、ふと「鉄仮面って今も売ってるんだろうか?」と思いました。「鉄仮面」とは元々フランスの小説らしいですが、私の知ってるのは黒岩涙香先生の翻訳小説。私は江戸川乱歩先生のファンだったので、そのからみで「黒岩涙香」という名前だけは知ってました。それが大学一年のときに学内の丸善で中古本フェアをやってて、その時に買ったのが旺文社文庫版の「鉄仮面」。なんとなく面白そうだったのと表紙に惹かれたので。

 主役はアルモモリオでしたか。(これを漢字に当ててるの) それに限らず登場人物の名前がとにかく覚えにくく、なおかつ明治だか大正時代の小説ですから漢字とか表現もわかりにくいもので最初の数ページは相当苦労しました。が、話自体は面白いので読み進めていくうちに止まらなくなってしまったという次第。

 止まらないにはストーリーが面白いというだけじゃなく、新聞連載の小説だったらしくて、区切りがことごとく翌日も読ませようという仕掛けでやめられないんです。NHK人形劇の「新八犬伝」で坂本九氏が盛り上げるだけ盛り上げて「本日、これまで!」というあれのようなもんです。

 大手の文庫から出た本ってのはいつでも取り寄せようと思えば手に入るのかと思ったら、今は新品では売ってないんですね。amazonでも私の持ってる文庫が中古で数千円で出品されてました。この文庫版が最初に発売されたのは1980年だそうですから、私が中古で買ったのはそれから2年しか経ってなかったようですがあれから30年、すっかりプレミアがついてしまったと。

 この本はとにかく面白かったので「いつかもう一回読む!」と思って、その後の10数回の引っ越しのたびにも処分せずにずっと持ってます。ただ、古い文庫なので字が小さくてローガンズの身には辛いのが現実。いつか読む日は来るのでしょうか? 

 これを読んでた頃に、京都では定番の街頭アンケート(多分宗教勧誘)に引っ掛かって、好きな本とか好きな映画を聞かれたことがありました。好きな本は当然「鉄仮面!」と答えたのですが、相手はちょっと考えて「鉄火面」と書いてました。マグロが好きかおなかが空いてたのでしょう。さらに、好きな映画は「評決」と言ったらしばらく考えて「氷結」と書いてました。なんの宗教か知りませんが、あの人は今頃どうしてるでしょう。どこかで鉄仮面に変身してるか回転寿司で働いてるかだといいのですが。(なんでや?)