昔はカセットで音楽を聞くのが通常だったので、今も結構な本数があります。それもいろんなブランドのテープがあったので、ちょいと並べてみました。左2列がSONY勢で、やはり一番手軽だったので本数も多いです。ここにはAHFが映ってないのですが、私はSONYだとAHFが一番好きだったので、お金に余裕があるときはあれを買ってました。JHFは忘れてましたが、これはクロームなんですね。あとはDUADというのもあって、1本持ってたはずですが見つからず。ただ、あれはそんなに…。
カセットテープが出る前は、テープレコーダーというとオープンリールの機械しかなかったのでしょうが、カセットが圧倒的に便利で手軽だったのであっという間に普及したものと思われます。
が、元々会話の録音用とされていたカセットテープは音質はオープンリールにはまったくかなわず、おまけにノイズも多く回転ムラもあったり。そこを克服するために、オープンリールと同じ幅のテープを文庫本大のカセットに納めた「エルカセット」というのもありました。
私が中学生くらいの時の音楽雑誌にもこのエルカセットが紹介されてて、「今後注目」とか言われてた気がします。音質を重視することを考えると素晴らしい発想だと思うのですが、様々な事情により一般には普及しなかったようです。
で、何がどうかというと当時私は中学生で良かったと。こういうのには弱いので、もし社会人になった頃にこれが発売されてたら少々無理をしてでも購入して散財してあとで泣いてたと思われますので。1976年の発売当時にデッキが20万くらい、テープはノーマルの60分で1500円ですと。中学生では絶対買えない値段だったのが幸いでした。
結局一般家庭ではラジカセで音楽を聞くので、「カセットテープは音が良くない」とか言われても「なんのこっちゃ?」という感じだったのでしょうね。それが標準でしたから。そもそもAMラジオから音楽を録音して聞いたりしてたわけで。
私もカセットのノイズとか音質を気にしだしたのは、高校生の頃にコンポを買ってもらった時のこと。カセットに録音した音楽を、ある程度大きい音で聞くと全然違いますしね。ドルビーNRもその時に初めて知ったのですが、それ以降カセットで音楽を録音したり聞いたりするのには、ドルビーの有無を凄く気にするようになりました。レコード録音するならドルビー必須、ラジカセ買うにもドルビーのある機種を選ぶとか。
ただ、もしドルビーとかdbxとか東芝のadresとか一切知らずに過ごしていれば、カセットテープもノーマルポジションの安いのしか買わず、オーディオ装置に凝ったりすることもなく、妙なところにお金は使わず今は貯金がいっぱいだったりしただろうかと思わないこともないですが、まあ性格が性格なのでそんなこともなかろうと。そこに使わねば、もっと楽器にかけてただろうし。
ちなみに、学生時代の都市伝説で「SONYのテープは値段に差がついてるけど、実は一番安いCHFの方が音は良いらしい。」と聞いて「ほんまかいな」と思い、同じレコードを同じレベルで録音して聞いてみたけど、それは絶対嘘だと私は思いました。
なお、写真の右端の方にあるブランド不明のテープは、ホームセンターで格安で売ってたものですが、こういうのでラジオ番組を録音すると泣けてきます。なんでこんなに音が小さくなるものだろうかと。安いカセットってのは、ダシをけちったりして味付けが薄めにしてあるんですかね。←電機や化学の知識に乏しい人の発想