BSPのプレミアムドラマ「グレースの履歴」全8話終了しました。凄く面白かったです。ストーリーとしては、海外旅行先で事故死した妻が出発前に自分に内緒で訪れていた場所とその秘密を、残された愛車のカーナビ履歴から辿るという男の物語です。
カーナビの履歴を使ったというのが新しいアイディアですね。元々運転しなかった夫が妻の遺言により愛車を受け継ぎ、そのカーナビの履歴により様々な出会いが生じるということで、最終的な落としどころが難しいかと思って見てたのですが、ラストもくど過ぎず辛過ぎずよかったと思います。
海外旅行中の事故で急死した妻がなぜ遺言状を?という疑問を持つ人もいるかもしれませんが、これは夫には内緒で白血病の治療を続けていたという設定。実際にそういうケースがあるかどうかはわかりませんが、治療が上手くいって寛解に近づいたと思ったらまた増悪の兆しがあり、それで自分が元気なうちに会いたい人に会っておこうとしたと。履歴を辿った夫が、行く先々での妻の足跡というか人々との繋がりを実感する様子は、かなり練られたストーリーでした。
その夫が旅先で出会うのも、妻の元カレだとか自分の元の家族とかだけじゃなく、車の故障で偶然知り合った人、たまたま出会ったヒッチハイカーなど、それぞれ魅力的なキャラも交えて最後まで飽きさせませんでした。車の修理工役の宇崎竜童とか、ヒッチハイカー役の林遣都を主役にしてもスピンオフドラマができそうで、脚本の仕込みはアッパレです。
キャストとしては、急死する妻が尾野真千子、夫が滝藤賢一で、オノマチさんは初回で死んでしまうわけですが、生前の旅先の様子でちゃんと毎回出てくるわけでファンとしては出番的にも演技的にも役柄としても満足のいくものでした。他の出演者では、伊藤英明、山崎紘菜、中原丈雄、前述の林遣都もかなり魅力的だったので、アッパレをあげましょう。
ちなみに「グレース」というのは、妻が愛車に付けた愛称ですが、そこにも大きな秘密があって、それも興味深かったです。(ちょっとでき過ぎの感はありましたが。) あとは、私はオープンカーで二人乗りの車なんて乗ってみたいとも思わなかったのですが、このドラマを見てて「結構いいかも」と思いました。そう思わせたという点でも魅力的なドラマだったというのは間違いないです。
私はすごく楽しめたので、今回見なかったけど関心があるという方は再放送の際に是非どうぞ。