今朝のフジテレビ「にじいろジーン」は京都の貴船から生中継でした。今回は「べにや」という店の川床からだったのですが、朝8時半からの中継と言うのに床にはキレイにゴザが敷いてありテーブルもセットしてあったのでバイトの苦労がうかがい知れます…。
私は貴船の納涼川床で夏に3年連続バイトした経験があるので、今日の番組を見て懐かしく思い出しました。1983年~85年にかけてなので20数年前の話。もちろん当時から「べにや」はあったのですが、私がバイトしてたのは「仲よし」というところでした。
現在の観光マップを見ても「ああ、そういう店あったなぁ」というのがほとんどなので、一般の店からすると入れ替わりが少ないのでは? 京都の中でも「高い」というイメージのところなので不景気の影響は受けてるでしょうが、あの辺の風情が残ってると思うと嬉しい限りです。「仲よし」さんなんて昔は料理屋だけだったのが、今は料理旅館にグレードアップしてて随分立派になりました。私がバイトしてた当時は小学生だった兄弟のどっちかが継いでるのでしょうか。
当時も貴船がどういうところか知ってる人はそれなりの覚悟で入ってくるのですが、なんとなくドライブで寄ってみたらお店があったので…というアベックがいたりして、そういう人はメニューを見てギョッとしたりします。「仲よし」さんは家族的な経営で近辺では一番手ごろな価格だったのですが、それでもあの頃は会席料理が5千円から、すき焼きは4千円でソーメンのみとかイカ焼きだけとかいう海の家みたいな料理は無し。
それで、あるカップルの男が「この突き出しってのは何?」と聞いてきました。(当時突き出しは800円くらいだったかと) 和食の店の突き出しといえば普通の人は想像つくのでしょうが、なにしろ若い兄ちゃんだったので知らなかった様子。仕方ないので「八寸の器にゴマ豆腐とゴリの佃煮と枝豆が…」と説明し始めたところ「お~セットか! それならそれくれや!」というので、「あの…これは一口ずつですが」と言ったのですが「ええから、それ持ってこいや!」というので仕方なく注文受けました。
そこのお店の突き出しはゴマ豆腐が2cm四方、ゴリの佃煮は3匹、枝豆は二さやで、本当に一口ずつ。さすがに「こちらをどうぞ!」と持っていく勇気はなかったので、一緒にバイトしてた奴に「すまん、ちょっと頼む。」と言って持っていってもらったところ、件のアベックは「これがセットか…」と愕然としてたとか。まぁ別にワシが悪いんじゃないも~ん。
なお、周りの店では流しそうめんが名物だったりしたので結構有名人も来てました。私がバイトを始める直前にはお隣の店に河合奈保子が来て結構騒動になってたとか。私が働いてた当時は、おかみさんが「真田広之と薬師丸ひろ子やて。見ておいで~!」と言ってくれたのでやはり隣の店(右源太)に見に行ったことがあります。当時は「里見八犬伝」の撮影中で、合間に観光に来たらしいですね。
「仲よし」さんには毎年「元・東洋の魔女」というおばちゃんが来てましたが、いつも家族連れで来てたので誰だかわかんなかったり(笑) しかし、さすがは魔女だけあって帰りはいつも箒に乗って飛んでいってしまいました。あれだけは忘れられません。(ウソ)
ということで、京都観光とはいえなかなか立ち寄る機会はない場所でしょうから、興味のある方は是非どうぞ。あの床の上で真夏にすき焼きやるのは確かに風情あります。また行ってみたいなぁ。当時は毎日12時間労働でグッタリしてましたが…。