3月20日 沼田まほかる「猫鳴り」

今日は暖かだったのでしょうか。
お彼岸で　一日中　お客様待ちだったので　外に出ていません。
ですが　ひどい花粉症状に悩まされています。
飛んでるな　花粉。


さて　沼田まほかるの「猫鳴り」を　読みました。
最寄りの図書館で貸し出し中だったのでリクエストしたら　次の日に貸し出してくれました。

	猫鳴り
	沼田 まほかる
	双葉社

生まれる前の子供を亡くした中年の夫婦、信枝と藤治。
深い喪失感にさいなまれている信枝が　庭の隅に捨てられていた子猫を
捨てては拾い　拾っては捨てていくうちに　ついに育てるようになる第一部。

第二部は　子猫を捨てた少女有山アヤメの同級生行く行雄の視点から。
有山アヤメは　第一部の時より大きくなっており　勝手に名前を付けた猫　『モン』は
自分の猫であり　おじちゃん　おばちゃんに預かってもらっていると　考えている。

すさんで暴力的になっている行雄が　「ペンギンを飼いたい」と言うと
ある日　父が　死にそうな子猫を「ペンギンだ」と言って連れ帰ってくる。
『ペンギン』を育てるうちに　行雄は・・・・

第三部は　年老いた藤治が　年老いた猫『モン』の最後を看取る話である。


猫を飼ったことがないので分からないが　猫の最期とは　こういうものなんだろうか。
毅然として　自然に死に向かっていく　飼いネコ『モン』の最期は　気高い。

『モン』を看取りながら　試行錯誤して　自らを消耗していく藤治。
藤治が何故か　唯一若い医者にだけは　『モン』のことを相談しながら泣いてしまう気持ちが分かる気がした。

10年近く前　姑が亡くなった。
病により　自分よりよほど元気だった姑が　会う度に弱っていくのを見るのがつらかった。

『死』と堂々と対峙する勇気はまだない。
だから　この「猫鳴り」を読んで良かったと思う。

お勧めです。


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