まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

小川洋子「人質の朗読会」

2012-04-26 19:16:59 | 読書のすすめ
今日は雨。
降ってるんだか降っていないんだか分かりにくい 微妙な雨が一日降ってます。


さて 小川洋子の「人質の朗読会」を読みました。

人質の朗読会
小川 洋子
中央公論新社


本屋大賞にノミネートされていて 第5位になった作品です。

ある事件で とある国を旅行中に反政府ゲリラの人質となった8人の日本人。
人質になっていた8人の語った話は 政府軍によって盗聴されていました。 
2年後 8人の語っていた話は 人質救出のため盗聴器を操作していた政府側特殊部隊の青年の話とあわせて ラジオ放送される。



あまり 筋に触れたくないので 書かなかったけれど やっぱり書かないとつじつまが合いませんね。
人質になった8人は 軍と警察の突入時 犯人グループのしかけた爆弾で 全員亡くなっています。

つまり 結果的には遺言とも言うべき物語が それぞれから語られるのです。
もちろん この朗読会が行われた時点では 自分たちの行く末など知らないわけですが。

なんだろう。
作品全体を流れる しみじみした感じ。
私としては 好きです。

それぞれの物語の短編集と考えても 完成度が高いです。
中でも 変わりない日常を生きる女性が ある日 やり投げの青年に出会う話が良かったです。

後付けで気付きましたが 作者は「博士の愛した数式」を書いた人だったんですね。
しみじみするわけだ。
こちらも 本も映画も 合わせてお勧めです。
「博士の愛した数式」 よろしければ ご覧ください。)
「博士の愛した数式」その2 ご覧ください。)

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