まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

「思い出のとき修理します」谷瑞恵

2013-10-16 21:50:15 | 読書のすすめ
今日は すごい風でした。
三連休の最後だったのに。
皆さま 台風の被害大丈夫でしたでしょうか。


さて 谷瑞恵の「思い出のとき修理します」を読みました。

思い出のとき修理します (集英社文庫)
谷 瑞恵
集英社


ほとんどの商店がシャッターを下ろし寂れてしまった津雲神社通り商店街。
美容師の明里は 傷つき疲れ果てて 思い出のその街にやってくる。

そこで見つけた「思い出のとき修理します」という文字。
そこは 開店しているのかどうか分かりにくい修理専門の時計屋。
時計屋の店主で商店街の会長の飯田秀司と明里は出逢う。

街で起きる様々な不思議な出来事。
津雲神社の社務所に寝泊まりしている青年太一とともに事件に巻き込まれていく明里だったが・・・


話全体に流れる優しい時。
明里は懐かしく暖かい思いでにすがるようにしてこの街にやってくる。
商店街の人々は「ヘアーサロン由井の孫」として 明里を自然と迎え入れる。

やがて明らかになってくる 明里や秀司の過去。
秀司もまた 明里と同様に過去の事件で 自分の時間の一部を止めて生きている人物であった。

傷つき疲れ果てても 生きていくのが難しい時も 人は生きていかなくてはならない。
前に進むのが難しい時 過去を忘れてしまいたいと思っても 過去にとらわれてしまう。

思いだしたくない過去も結局自分の一部である。
つらい時は目をそらしてもいいかもしれないけれど そらしたままでは前には進むことができない。
過去を見つめることで 再び動き出す時間。

人がもつ大事な想い出の時間。
それを修理してくれる時計屋さん。

こんな時計屋さんがあったら 入り浸ってしまうかもしれません。

ぜひご一読を!

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