SEALDs が、新たな団体を発足させた。
その名も、ReDEMOS。この団体名には、「民衆(DEMOS)への応答」、という意味がこめられており、市民のシンクタンクという趣旨だという。代表理事には SEALDs の中心メンバーである奥田愛基氏が就き、理事には中野晃一・上智大教授と水上貴央弁護士が就く。中野氏は、「学者の会」の急先鋒としてかねてから安倍政権の政治姿勢を強く批判してきたことで知られるし、水上弁護士は、あの参院公聴会で「公聴会が採決のための単なるセレモニーに過ぎず、茶番であるならば、私はあえて申し上げるべき意見を持ち合わせておりません」といってのけた人物である。大学と法曹界から二人の猛者を迎えて左右をかためた強力な布陣だ。
この組織は、シンクタンクという位置づけだから、政策提言などを行っていくのが主な活動ということになるようだが、SEALDs はこれとは別に、参院選にむけて「市民連合」も立ち上げた。こちらははっきりと選挙にむけてのもので、野党統一候補を支援していくことになっている。反安保法、反安倍政権の動きはいま、路上のデモから法廷や選挙という場所へステージが移っていっていると私は考えているが、選挙を視野に入れて、いよいよこうした具体的な動きが出てきたことは歓迎したい。
“緊急行動”としてはじまったSEALDsは、来夏の参院選後に解散することを公言しているが、その参院選まで残すところは半年あまり。いよいよ、彼らはラストスパートにむけてギアを入れはじめたようだ。まるで、大気圏突入で燃え尽きながら使命を果たしたはやぶさのようではないか。
思えばSEALDsは、暗闇のなかに光を灯してくれた。
あの安保法審議がはじまった当初は、状況は絶望的だった。中野晃一教授も、以前のシンポジウムで「数ヶ月前までは絶望しかなかった」といっているし、水上弁護士も、参院の公聴会で「この国の民主主義に絶望をしつつあります」と語っている。そんな絶望という暗闇のなかに、SEALDs は希望という光を見せてくれたのだ。その点に関しては、中野・水上両氏とも、「絶望と希望が半々」というふうに心境を語っている。だからこそ、二人とも ReDEMOS の理事に就任したのだろう。
SEALDs が声をあげたからこそ、反安保法制の声はあそこまで大きくなり、そしていまも燃え続けている。彼らは、心ない誹謗中傷にさらされながら、ときには殺害予告さえ受けながら、それでも活動を続けてきた。その意志にあらためて敬意を表するとともに、最後の闘いにむけて走り始めたSEALDsを、陰ながら応援したい。
そしてもちろん、参院選にむけて動き出しているのはSEALDsだけではない。
私の地元福岡でも、依然として毎日のように抗議活動が行われている。その数はいっこうに減少する気配をみせないし、むしろこれまであまり目立った活動が報告されていなかった南部地域の久留米、朝倉、小郡、大牟田などにも広がりをみせている。そうした行動の予定が紹介されているサイトを見ると、もう来年の2月までスケジュールが書き込まれている。こちらも、参院選までノンストップの勢いなのだ。
福岡は次回の参院選から3人区になり、自民・民主がとりあえず一議席ずつを取ることはほぼ確定で、実質的には残る一つの椅子をめぐる選挙戦になるものとみられている。そこを公明党が狙っているわけだが、反安倍勢力が結集すればそれを阻止するのは決して難しいことではあるまい。
また、福岡のお隣、熊本では、統一候補擁立の動きがかなり進展しているようだ。
その動きを後押ししたのは、「くまもとネット」。WDW、KOGYANといった若者団体や、それに加えて「パパ・ママの会」、九条の会……といった50もの市民団体が結束して一つの連合体を作り、野党に働きかけてきた。統一候補の動きは、その結果なのだ。熊本は以前からかなり活発に行動が行われているところではあるが、このような動きが九州全体に、さらには全国に波及していってもらいたい。
各種世論調査では安倍政権の支持率が回復傾向にあるが、その支持する理由をみてみると、積極的に支持している人はほとんどいない。個々の政策は支持していないにもかかわらず、「ほかにいないから」というような消極的な理由で「支持する」としている人が多い。また、政党支持率でも、依然としてもっとも多いのは「支持政党なし」。安倍政権に対する支持というのは、じつはかなりあやふやなもので、力強い“希望”を提示することのできる勢力が現れれば、このような脆弱な支持は一気に崩れる可能性もある。そういう一種の雪崩現象を引き起こすために、ここからは団結・連帯が重要だろう。
その名も、ReDEMOS。この団体名には、「民衆(DEMOS)への応答」、という意味がこめられており、市民のシンクタンクという趣旨だという。代表理事には SEALDs の中心メンバーである奥田愛基氏が就き、理事には中野晃一・上智大教授と水上貴央弁護士が就く。中野氏は、「学者の会」の急先鋒としてかねてから安倍政権の政治姿勢を強く批判してきたことで知られるし、水上弁護士は、あの参院公聴会で「公聴会が採決のための単なるセレモニーに過ぎず、茶番であるならば、私はあえて申し上げるべき意見を持ち合わせておりません」といってのけた人物である。大学と法曹界から二人の猛者を迎えて左右をかためた強力な布陣だ。
この組織は、シンクタンクという位置づけだから、政策提言などを行っていくのが主な活動ということになるようだが、SEALDs はこれとは別に、参院選にむけて「市民連合」も立ち上げた。こちらははっきりと選挙にむけてのもので、野党統一候補を支援していくことになっている。反安保法、反安倍政権の動きはいま、路上のデモから法廷や選挙という場所へステージが移っていっていると私は考えているが、選挙を視野に入れて、いよいよこうした具体的な動きが出てきたことは歓迎したい。
“緊急行動”としてはじまったSEALDsは、来夏の参院選後に解散することを公言しているが、その参院選まで残すところは半年あまり。いよいよ、彼らはラストスパートにむけてギアを入れはじめたようだ。まるで、大気圏突入で燃え尽きながら使命を果たしたはやぶさのようではないか。
思えばSEALDsは、暗闇のなかに光を灯してくれた。
あの安保法審議がはじまった当初は、状況は絶望的だった。中野晃一教授も、以前のシンポジウムで「数ヶ月前までは絶望しかなかった」といっているし、水上弁護士も、参院の公聴会で「この国の民主主義に絶望をしつつあります」と語っている。そんな絶望という暗闇のなかに、SEALDs は希望という光を見せてくれたのだ。その点に関しては、中野・水上両氏とも、「絶望と希望が半々」というふうに心境を語っている。だからこそ、二人とも ReDEMOS の理事に就任したのだろう。
SEALDs が声をあげたからこそ、反安保法制の声はあそこまで大きくなり、そしていまも燃え続けている。彼らは、心ない誹謗中傷にさらされながら、ときには殺害予告さえ受けながら、それでも活動を続けてきた。その意志にあらためて敬意を表するとともに、最後の闘いにむけて走り始めたSEALDsを、陰ながら応援したい。
そしてもちろん、参院選にむけて動き出しているのはSEALDsだけではない。
私の地元福岡でも、依然として毎日のように抗議活動が行われている。その数はいっこうに減少する気配をみせないし、むしろこれまであまり目立った活動が報告されていなかった南部地域の久留米、朝倉、小郡、大牟田などにも広がりをみせている。そうした行動の予定が紹介されているサイトを見ると、もう来年の2月までスケジュールが書き込まれている。こちらも、参院選までノンストップの勢いなのだ。
福岡は次回の参院選から3人区になり、自民・民主がとりあえず一議席ずつを取ることはほぼ確定で、実質的には残る一つの椅子をめぐる選挙戦になるものとみられている。そこを公明党が狙っているわけだが、反安倍勢力が結集すればそれを阻止するのは決して難しいことではあるまい。
また、福岡のお隣、熊本では、統一候補擁立の動きがかなり進展しているようだ。
その動きを後押ししたのは、「くまもとネット」。WDW、KOGYANといった若者団体や、それに加えて「パパ・ママの会」、九条の会……といった50もの市民団体が結束して一つの連合体を作り、野党に働きかけてきた。統一候補の動きは、その結果なのだ。熊本は以前からかなり活発に行動が行われているところではあるが、このような動きが九州全体に、さらには全国に波及していってもらいたい。
各種世論調査では安倍政権の支持率が回復傾向にあるが、その支持する理由をみてみると、積極的に支持している人はほとんどいない。個々の政策は支持していないにもかかわらず、「ほかにいないから」というような消極的な理由で「支持する」としている人が多い。また、政党支持率でも、依然としてもっとも多いのは「支持政党なし」。安倍政権に対する支持というのは、じつはかなりあやふやなもので、力強い“希望”を提示することのできる勢力が現れれば、このような脆弱な支持は一気に崩れる可能性もある。そういう一種の雪崩現象を引き起こすために、ここからは団結・連帯が重要だろう。