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時事評論ブログ
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小沢一郎氏「共闘は、自民党政権があまりにも国民の命と暮らしを無視した政治を行っているからだ」

2016-05-29 17:49:53 | 政治
 野党の活動を取り上げるシリーズの一環として、今回は「生活の党と山本太郎となかまたち」の小沢一郎代表を取り上げたい。

 今月の25日、小沢代表は、共産党の志位委員長とともに、金沢市で街頭演説を行った。この二人が遊説車で並び立つのは、はじめてのことだという。
 志位氏が「これまで敵味方で対立することが多かったが、今回は一緒に戦っている。百戦錬磨の小沢さんと一緒に戦えるのは本当に心強い」と持ち上げると、小沢氏は「(2人が並んで立つのは)自民党政権があまりにも国民の命と暮らしを無視した政治を行っているからだ」と応じた。(以上、朝日新聞電子版の記事より)

 小沢一郎氏と共産党というのは、本来なら水と油で、まったく接点のないはずの存在である。
 しかし、去年安保法が強行採決されてから、両者は急接近してきた。これはつまり、政界の両極が手を組まなければならないぐらい、安倍政権がひどいということなのだ。タイトルに掲げた小沢氏の言葉は、それを端的に言い表している。
 世間に“小沢一郎アレルギー”はいまだ根強いと思うが、もう小沢がどうとかいっていられる状況ではないのだ。日本にとって最大の危機である安倍政権をストップさせるためには、あらゆる勢力を結集させなければならない。私自身も小沢氏を決して支持するわけではないが、反安倍政権という一点にかぎっては、支援するのにやぶさかではない。

共産党、志位委員長「憲法に縛られているという自覚がない総理大臣にはお引取りいただくしかない」

2016-05-28 17:24:18 | 政治
 野党の動きを少しでも広めようというシリーズの一環として、今回は共産党の志位和夫委員長の発言を紹介する。今月22日、JR名古屋駅前における街頭演説での発言である。(引用は、朝日新聞電子版より)


《32の参院選1人区での野党統一候補がすべてで実現する見通しがついた。正直に言うが、この方針を提案した際、ここまで(野党共闘が)前進できるとは想像していなかった。うれしい「想定外」だ。香川県では共産党の候補に一本化する方向になった。選挙共闘、いよいよ力が入る。32全部で自民党を打ち負かしたい。
 最近、(行政の長である)安倍(晋三)さんが「私は立法府の長だ」と言っている。びっくりだ。この発言がもし勘違いなら、繰り返し言っているので、お粗末な総理大臣ということになる。もし本気で言っているのなら、気分は独裁者ということになる。(立法、行政、司法の三権がそれぞれ独立するという)三権分立の否定になる。自分が憲法によって縛られているという自覚がない人が、総理大臣をやっている。こんな恐ろしいことはない。このような救いがたい人物にはお引き取りいただくしかない。》


 ここで語られるとおり、野党共闘は、参院の32ある一人区のすべてで決定、もしくはほぼ固まっているという状態にある。すべての一人区で候補の一本化ができるとは私も思っていなかったし、メディア関係者や政治評論家の多くもそうだろう。全国各地に市民連合ができているが、この市民団体の動きが野党共闘をここまで進展させたのである。このエネルギーで、既得権益とそれにつながる組織票で固められた自公政権の傍若無人な振る舞いになんとか歯止めをかけたいものだ。

民進、山尾政調会長「安倍政権の憲法に対する破壊的な考え方にとにかくストップをかけなきゃなんない」

2016-05-26 21:49:20 | 政治
 まず野党議員の言動を広く知られるようにしようということを、昨日の記事で書いた。
 今回も、その続きを書く。
 前回は民進党の岡田代表について書いたが、今回は同じ民進党の政調会長である山尾志桜里氏の発言を紹介する。5月11日の記者会見での、小林節氏が新たな政治団体を発足させることについての発言である。(引用は、朝日新聞電子版より)


《(憲法学者で慶応大名誉教授の)小林節さんは改憲論者でありながら、立憲主義の危機だと立ち上がり、全国をくまなく歩いて素晴らしい活動をされている先生だと存じ上げている。そういった方がついに政治家として手を挙げようとされていることは、私自身は非常に希望だなと率直に感じています。
 なぜならそこには、護憲と改憲の壁を取っ払って、本当にこの国のために憲法のいい議論をしようという道につながるかもしれない光を感じるからです。
 (小林氏とは)安倍政権、安倍総理の憲法に対するあまりに破壊的な考え方にとにかくストップをかけなきゃなんないという点では一致していると思う。その目標を達成するために、共通の相手に向かってどういった戦いぶりを展開していくのがいいのか。それはこれからのことではないでしょうか。》


 小林氏の動きと野党共闘とは必ずしもうまく連携がとれていない部分はあるが、こうして民進党の側から共鳴する発言が出てもいる。立憲主義、民主主義の危機に、安倍政権をとにかくストップしようと、野党各党は手を組んでいるのだ。

民進党岡田代表「過去の総理の答弁を勝手に変えるのはクーデターのようなもの」

2016-05-25 19:49:00 | 政治
 世論調査で、安倍政権の支持率が高い状態が続いている。
 以前も書いたが、個別の政策に対する支持・不支持をみると、ほとんどすべての政策において支持しないと答える人のほうが多い。にもかかわらず、なぜか内閣支持率は支持のほうが多く、政党支持率でも自民党が他党を引き離している。なぜそうなってしまうのか。このことを考えるのが、日本民主化のための重要な鍵だと思い、私は考えてきた。その結果、ひとつの答えとして、世の中の人は野党のことをあまり知らないのではないかという結論に達した。
 テレビメディアはすっかり腰がひけていて、野党共闘のことなどもほとんど報道しない。野党のことが報道されないから、多くの人は野党にどういう党があってどんな政治家がいるのか、どういう主張をしているのかということをあまり知らないのではないか。テレビで報道されるのは自民党の話ばかりだから、自民党支持というふうになってしまっているのではないか。つまり、比較対照するものをもたないから、いま目の前にあるものでとりあえずいいと思っているということである。レイジ・アゲンスト・ザ・マシーンふうにいえば、ほかに飲む薬がないから、自分の体を悪化させるだけの薬を飲んでいるという状況だ。
 そういうことだとすると、まず野党のことを知ってもらわなければならない。そのような現状分析に基づき、これから参院選にむけて野党議員らの発言などを当ブログで取り上げていきたいと思う。

 まず、民進党の岡田代表による、今月21日に愛媛県で行われた講演会での発言を紹介する。(引用は、同日の朝日新聞電子版の記事より)


 (16日の)月曜日の予算委員会で、中曽根(康弘)さんの答弁を取り上げたんですね。中曽根さんが総理の時代に、衆議院の本会議で「集団的自衛権の行使は、これは憲法違反です」という風に述べている。中曽根さんだけではなくて、歴代総理がそう言っているわけです。
 それを安倍(晋三)さんは「いや、中曽根さんが言ったのは、限定のない集団的自衛権に関してのもので、限定した集団的自衛権の行使は違憲とは言っていない」と、こういう風に国会で述べられたんですね。
 これはひどい話だと思うんです。ちゃんと中曽根さんは本会議で「したがって、憲法が認めているのは個別的自衛権だけです」と、はっきり言っているんです。「いや、限定してはいい」なんてどこにも言っていないわけです。
 集団的自衛権の行使は憲法違反だというなら、限定があろうが、限定がなかろうが、憲法違反です。だからこそ個別的自衛権だけ認めている。中曽根さんも述べている。
 それを勝手に、総理の過去の答弁を安倍さんが改ざんして、「これは限定した集団的自衛権を否定したものじゃないから、憲法違反じゃない」、こういう風に言ってしまっています。
 わたしは本当に一国の総理が、過去の総理の答弁を勝手に変えてしまっていると、言い方は厳しいかもしれませんが、クーデターみたいなものだと思うんですね。



 一応ことわっておくが、私は民進党支持者ではないし、岡田克也という人も個人的にあまり支持する気にはなれない。
 しかし、ここで引用した発言については全面的に賛同する。安倍政権がやっていることは、日本の国家を根底から破壊するクーデターなのだ。有権者は、自分たちがいま手にしている薬が考えうるかぎり最悪のものだということに気づかなければならない。

沖縄で米軍属による事件

2016-05-22 18:26:25 | 沖縄
 沖縄の米軍属による“死体遺棄”事件が波紋を広げている。
 この問題で、沖縄ではふたたび米軍基地が集中していることへの怒りが広がっている。当然だろう。こうしたことは、これまでにもう何度も繰り返されてきているのだ。最近の例としては、今年3月にも、寝ている女性を暴行したとしてキャンプ・シュワブ所属の海軍一等水兵が逮捕されたばかりである。

 沖縄の反基地闘争に対して「基地があることが沖縄を利している」というような言説も巷にはあるわけだが、それらについてあらためてここで反論しておきたい。

 まず、「沖縄経済が基地に依存している」という話だが、これは非常に疑わしい。
 今年そのような記述のあるコラムを掲載した教科書が問題になったが、現在の沖縄の県民総所得における米軍関係の金額は5%ほどといわれ、それほど大きいわけではない。観光収入の半分ほどなのだという。実態はむしろ、基地があるおかげで効率的な土地(海も含めて)の利用がなされずに沖縄経済に大きなマイナスの影響を与えているのではないか。

 そして、もともと人が住んでいないところに基地が作られ、そこに後からカネ目当てで人が住むようになった……というような話があるのだが、これも事実でないことがあきらかにされている。
 これについては、去年「マスコミを懲らしめる」発言で大きな問題になった自民党の文化芸術懇話会で百田尚樹氏らがそういうことをいっていたのだが、この件で結局百田氏はNHKの経営委員にいられなくなった。これは、彼の主張がまったく間違っていて、もう反論のしようもなかったためとみるのが妥当である。

 文化芸術懇話会の話が出てきたので、ここでついでにもう一つ、彼らの主張を批判しておきたい。
 それは、「米軍関係者が犯罪を犯す率はそうでない人間に比べて低い」というものである。これに関しては、「だからなに?」という話である。そもそも外国に駐留している軍人を民間人と比較するのがおかしな話しだし、沖縄県民からすでにツッコミが入っているように、たとえ率が低かったとしてもそれは米軍がいなければおきなかった事件なのであって、だから問題ないなどということにはならないのだ。

 話をもとに戻すと、沖縄にUSJのテーマパークを作るなどという話もあったが、それも最近になって立ち消えになった。USJが基地問題とかかわりがあるのかということについて断定的なことはいえないが、いずれにせよ沖縄は米軍基地からほとんどなんの利益も得ていないのだ。

 そんな状態で、沖縄では米軍が存在することによってさまざまな問題が起きてきた。
 そういう経緯があるから、翁長知事が激怒するのも当然なのである。政府は辺野古問題で沖縄と一時的に和解して参院選で沖縄のことが問題にならないようにしようとしているが、こんな稚拙な隠蔽工作に有権者はくれぐれもだまされてはいけない。一時的に隠して見えないようにしたところで、沖縄の基地問題がなくなってしまったわけではないのだ。