Run, BLOG, Run

http://d.hatena.ne.jp/bluescat/

blogscape に escape?

2004年09月09日 14時52分26秒 | goo ブログ / blog
 blog 更新について、ここのところ、いろいろ疑問があったりしたのだが。

 blog は、頻繁に更新しないと、どんどん忘れ去られてしまいそうで、とりあえず、日々更新を重ねていく。

 そうすると、どうしても、じぶんの気に入る記事と、そうでもないものができてしまう。

 けれども、そんなじぶんの思いとは裏腹に、どの記事も時系列に並べられ、古いものは、どんどん埋もれていってしまう。



 いったい、じぶんは、blog になにを求めているのだろう? blog でなにがしたいのだろう? と、ふと考える。

 文章を書くのが好きだから。 じぶん以外の人に、じぶんの文章を読んでもらいたいから。 じぶんの作品 (というほどのものではないが) への感想がほしいから。

 ということなのだろうか。

 しかし、それならば、blog でなくてもいいような気もする。

 ただ、たんに blog のほうが楽そうだから、blog のほうがたくさんの人に見てもらえそうだから、というだけで使っているのであって、じぶんが blog の機能を最大限に利用しているとは、とても思えない。



 そろそろ潮時であろうか。

 blog で、表現していくことの限界を感じつつあった。

 そんなところ、blogscape の存在を知った(遅)。



blogscapeはBLOGのためのコミュニティサイトです。

blogscapeは、

  • 自分のBLOGでうまく書けたエントリーを、自由に投稿できるOPENBLOGです。
  • 「評価」や「コメント」機能のついたレビューリンク集です。
  • ...





 なるほど、これなら、じぶんの過去の記事に、ひかりを当てることができるのかもしれない、とのことで、遅ればせながら、先日、blogscape に登録してみた。

 blogscape では、一日一エントリー、そして、四百字以上の記事が投稿可能のもよう。

 ある程度の読み応えのあるもので、特定ユーザーに偏らないように、ということなのだろうか。

 長文は、いままでにいろいろ書いてきたので、しばらくネタは尽きなそうだ。

 とりあえず、第一弾として、過去記事を投稿してきた。 創作もの (?) のなかで、わりと気に入っているものを。

 しかし、まだ使い勝手がよくわかっておらず、あれでよかったのだろうか、という感じ。 しかも、季節感のない、変な投稿になったかも ... 。

 (ああ、そうか。 「この記事は、○月×日に書かれました」 などと一言添えておけば良かったのか ... )

 ともあれ。 これから、可能な範囲で、毎日一回、過去記事を投稿していこう。

 飽きるまで、あるいは、尽きるまで、しばらく、つづけてみよう ... 。





 ※はじめま略さんが、「goo BLOG セレクション」 でおっしゃられていた、「ブログをやるのって、自分の時間をどこかで犠牲にしなくては続きませんよね。何も犠牲にせずにブログも続けよう、というのはできません。」 というご意見にも通じるが、blog において、なにかを得たいと思ったら、それなりの労力を惜しんではだめではないか、などと、いろいろ考え中なのだった ... 。





 BGM:
 Blur “The Great Escape”

 (ほんとに、great escape になればいいのだが ... ) 

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うわごと / つい、本音

2004年09月08日 23時32分13秒 | about him
 ああ。 日付が変わってしまったのだが。

 昨日、九月七日は、「鏡花忌」 であった。

 泉 鏡花さんの作品、それほど詳しくないのだが、とても印象に残っている作品で、『外科室』 というものがある。

 読まれていないかたには、申し訳ないのだが、あらすじを (かなり) 端折って説明してしまうと ... 。


 胸の病いを患う、とある高貴な夫人が、手術に際して、麻酔をかけられることをどうしても拒む ... 。 というのも、人には打ち明けられない秘密が、こころのなかにあり、麻酔にかかっているあいだに、その秘密をうわごとで言ってしまうのではないかと恐れているために。 麻酔をしなければできない手術であれば、しなくてもよい、病気など治らなくてもよい、とまで言い放つ夫人 ... 。


 子どものころには、まったくわからない話であったが、いまは、なんとなく、わかるような気も ... 。

 死を賭しても守りたい、と言うと、おおげさになるのだが、ずっとずっとじぶんの胸のうちだけに秘めておきたい事柄、というのは、どんな人にも、あるものなのだろうか? と、ふと考えてしまう。





 ところで、私の友人 (というか彼) の話になるのだが。

 彼に関して、私は、こわいものなしの人、という印象を持っていたのであるが、先日、わが家に泊まりに来たときのこと。

 私が blog をしているあいだに、いつものように彼が先に寝てしまったので、あとからベッドに入ると、スヤスヤと寝ていたところに、とつぜん人の気配でびっくりしたのか、彼が、本気でびっくりして、「うわっ!」 と叫び声を上げた。

 そして、半分寝ぼけながら、「うぅ~ん、ほんとにびっくりしたよお、こわかったよお ... 」 と、ぶつぶつとつぶやいていた。

 そんなにびっくりされるとは思わず、私のほうがなおさらびっくりしてしまったのだが、ひょっとして、彼は、ほんとうは、とっても臆病なところがあるのかしら? それとも、こころの奥底に、なにか不安をかかえているのかな、ふかい悩みわずらいがあるのかな ... なんて、思ったりして。

 そういえば、いっしょに眠っていると、ときどき、私の背中にしがみついて寝ることがある。 さながら、私は 「抱き枕」 状態。

 なにか安堵感とか、安定感というか、そういうものを無意識に求めてしまっているのかなあ、なんて。

 あとで、私が、「本気でびっくりしてたよ」 なんて話をすると、「それ、おれじゃない」 とか言って、以前にも聞いたことのあるせりふを言う。

 ... うん。 そういうことにしておいてあげよう。

 でも。 いつか、その不安を、けむりのように、消し去ることができたなら、いいのだが ... 。





 (ちなみに。 私は、あまり寝言を言わないらしい。 ほっ。 よかった ... )





 ★おまけ★
 寝言で思い出した、笑い話 ...





 BGM:
 The Pretenders ‘I Go to Sleep’

 (The Kinks のカヴァー。 ドラマティックに歌い上げていて、The Kinks とは、またちがった魅力が)

 (ちなみに、九月七日は、The Pretenders のヴォーカリスト、Chrissie Hynde さんの誕生日でもあった。 おめでとうございます(遅))

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思いはるかに / 受話器の向こう

2004年09月08日 18時51分59秒 | 想在
 おとつい、友人と食事をしようと、荻窪駅ちかくで、待ち合わせしていたときのこと。

 (さいきん、昼も夜も外食ばかりなのだが ... )

 見知らぬおばあちゃんから、「このあたりに公衆電話はないですか?」 と、たずねられた。

 私は、「すぐそこのコンビニにありますよ」 と教えてあげた。

 おばあちゃんは、「あら、ほんとだ」 と言って、頭を軽く下げて、去っていった。

 友人がやって来るまでのあいだ、しばし、おばあちゃんを観察した。

 うれしそうに、話している。

 お孫さんとお話ししているのかもしれない。 なんとなく。そんな気がした。

 いいなあ、と思いながら、その様子をながめていたら。

 「じゃあ、そろそろ(電話を)切るからね。 ○○ちゃん、バイバイね」 と言って、受話器に向かって、手をふっていた。

 わあん、かわいいおばあちゃん。

 受話器の向こうのかたに、手をふっているのだ。

 相手には、見えっこないのだけれど。

 なんだが、ほほえましいなあ、と思った。

 ほんとうに、電話のお相手のかたを思っているのだな、と想像した。





 以前、サラリーマンふうの男性が、電話をかけながら、「申し訳ありません!」 と言って、お辞儀しているのも、見たことがある。

 こちらは、きっと、営業マンで、取引先の人に懸命に謝っているのだろう、と、想像した。

 やはり、相手には見えっこないのに、全身で、必死に謝っている姿が、とても印象に残った。





 たとえ、電話という、音声だけのコミュニケーションだとしても、そのときの気持ちというのは、つい態度に、表情に、出てしまうものだろうか。

 「向こうがわ」 の人には、まったく見えないのだけれど。

 でも、おばあちゃんの気持ちも、サラリーマン男性の気持ちも、電話の向こうの人に、きっと、伝わっているんじゃないかな。 と、勝手に思って、勝手に満足する私。





 ちなみに。 ディスプレイの 「こちらがわ」 で、私が、いまどんな姿かっこうで、この blog (のようなもの) を書いているか。

 ふんぞりかえっている? お菓子ばりばり食べながら?

 ―― いえいえ、もちろん、しゃっきりと、姿勢を正して書いております ... ?! :P







 BGM:
 Humble Pie ‘That's How Strong My Love Is’

 (オリジナルは、O.V. Wright であろうか。 Otis Redding や Rolling Stones,Hollies などもカヴァーしている)

 (「強い気持ち・強い愛」 にしようかな、とも思ったけれど ... )

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はずかしいくらい、生きている

2004年09月07日 15時20分51秒 | goo ブログ / blog
 じぶんの、過去の関連記事を読み返したりして。

 たった二、三ヶ月まえのものなのに、なんとなく、気はずかしくなる。

 しかも、いっしょうけんめい、力説しているから、なおさら、可笑しい。

 けれど、書かれたものは、じぶんが生きてきた 「あかし」 なのかもしれない。

 生きる、というのは、ときにはずかしいものなのだ。





 はずかしいくらい、わたしは、生きている。










 BGM:
 Ramones ‘I Wanna Live’

 (‘I wanna live, I want to live my life’)

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笑って、おどけて / ワンダフル・ワールド

2004年09月06日 22時59分44秒 | about him
 にちようびは、夕方から、新宿へ。 ..................................................

 友人 (というか彼) も、私も、ちょうど、新宿に用事があったのだ。

 人ごみがあまり好きでない彼といっしょのときは、あまり新宿に来ることはないのだが。

 こういうときこそ、とばかりに、お互いにさまざまな用事をこなした。

 私は、お絵描きソフトを見て回ったり、愛用していた台所用品が壊れてしまっていたので、東急ハンズであたらしいものを買い求め、高島屋でかねてからほしかったスカーフを購入した。

 彼は、電気店に修理に出していた CD ウォークマンを受け取り、楽器屋でギターの弦を買い ... 、

 そのあと、CD を買いに行きたい、と言い出した。

 私が、ごくふつうに、「なに買うの?」 と訊いたら。

 「ん? いやさあ。 ユミがさあ、さいきん、悩んでるみたいだって、話したじゃん」

 「うん」

 (ちなみに、「ユミちゃん」 とは、 彼の 「七番目の女(の子)」 (?) のこと。 便宜上、仮名で、ここではそう呼ぶことに)

 「どうやら、かなり深刻に悩んでるみたいなんだよ」

 「恋の悩みだったっけ?」

 「いや、そういうんじゃなくてさ、ユニットのことで、いろいろあるらしいよ」

 私たちの音楽仲間のひとりであるユミちゃんは、キーボード奏者の女の子と二人組みで、歌をうたっているのである。

 話を聞くと、ユミちゃんは、キーボードの女の子と、いま、どうやらしっくり行っていないらしい。

 「女ふたりってのは、たいへんみたいだよな」

 「 ... う~ん。 そうだね。 こじれると、いろいろややこしくなるかも」

 「でさ、すごく落ち込んでるんだよ。 これから、ブッキングがいっぱい入ってるのに」

 ユミちゃんのグループは、ついさいきんテレビに出たとかで、ちょうど、勢いに乗って、どんどんライヴ活動をしていこうとしているところなのである。

 (私は、このテレビ出演が、ユニット間の不和のきっかけのひとつなのかな ... と想像しているのだが)

 「でさ、落ち込んでるときは、『いい歌でも聴いて、元気出せや』 って、なんか CD でもプレゼントしてやろうかね、と思ってさ」

 う~ん。 彼らしい発言。 ほんとうに、世話好きで、面倒見のいい、みんなの、やさしいやさしいお兄ちゃん。

 そう。 みんなに、やさしいのだ ... 。



 そうして、いざ、タワー・レコードに向かい、ふたりで、新宿の街並みを歩いていたら。

 彼が、

 「いや、さあ、ローウェル・ジョージっているじゃん? あいつがさあ、ヴァレリー・カーターに、『きみは、一年間、ひたすらこれを聴き続けろ』 って言って、アル・グリーンのアルバムを渡したんだってさ。 その言いつけを守って、ヴァレリー・カーターは、毎日アル・グリーンを聴いて、それでシンガーとして成長したんだって (* 注1)。 いい話だよなあ。 おれもさ、それを、真似してみたかったのよ」

 と、言った。

 もしかすると、私が、ちょっと気にしていると思って、そんなことを言ったのかもしれない。

 「ふうん、じゃあ、アル・グリーンのアルバムをあげるの?」

 「いや、サム・クックをやろうと思ってさ。 おれは、サム・クックを通過していないシンガーはだめだと思ってるからさ」



 そうして、タワー・レコードの Sam Cooke コーナーで、ああでもない、こうでもないと物色。 いきなり三枚組み CD なんかをあげると重すぎるので、あまりヴォリュームのありすぎない、無難な選曲のベスト盤を購入していた。

 私は、私で、人が CD を物色していると、なぜかじぶんも欲しくなってきて、「わたしも、なにか買おうかな」 と、ふと、つぶやいた。

 「なに買うの?」 と、彼が訊いてくる。

 私は、先日いっしょに観た、ブルースの映画のサウンドトラックを買おうかな、とこたえた。

 じつは、私は、サウンドトラックも好きなのである。

 「あれ、良かったよなあ。 サントラ、出てんのかねえ。 よし、ちょっと見に行ってみるか」

 そうして、サウンドトラック コーナーへ向かったのだが。

 ぱっと見た感じ、見当たらなくて。 きっと、売り切れてしまったのかな、なんて考えていたら。

 彼が、「あっ!」 と叫んだ。 声が大きいので、こっちがびっくりしてしまう。

 「あったよ、これだよ!」

 「あ、ほんとだあ。 わあい」 と、早速、その CD をもらって、レジへ直行しようとしたら。

 「ちょっと待て。 これは、おれが見つけたんだから、おれが買う!」

 ええ~! なんてことかしら!

 「もう一枚ないの?」

 「これ、一枚しかない。 へっへーん、おれのもんだからな」

 うえ~ん。 しどい!

 「じゃあ、今度、それ、MD にダビングしてね」

 「やだ」

 「ふぬぁ! けちんぼ!」

 なんて、会話を交わしていたのだが ... 。



 彼が、会計を済ませた商品を、私に、ぽんと手渡した。

 私が、彼の顔を見ると。

 「いや、ユミに CD 買ってやって、おまえに買ってやらないのは、おかしいだろ?」

 一瞬、なんのことかわからない。

 「?*$!」

 「だから、ぷれぜんと・ふぉー・ゆー、だよ!」

 と、彼は、照れくさそうに言った。

 私が、あまりにびっくりして、「わーん、どうして?!」 と言ったら、

 「いらねえなら、いますぐ、捨てちまえ! ほら、いますぐ!」 なんて、怒り出す始末 ... 。

 ほんとうに、くれたばかりの CD を奪って、床に叩きつけるふりまでして ... 。

 結局、(いろんな意味で) 半泣きで、ありがたく頂戴した。





 彼というのは、こういう人なのだ。

 だから、彼を慕う人が、あとを絶たないのかもしれない、と思った。





 アリガト。










 * ちなみに。 「七番目の女の子」 とかいうのは、もちろん冗談で言っているだけなのです (たぶん)。





 BGM:
 Sam Cooke ‘I'm so Glad (Trouble Don't Last Always)’

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激しい雨 / おかしなおかしな美容院

2004年09月04日 23時39分40秒 | 想在
 たまには、日記ふうに。 ............................................................

 きょう、まとまった時間ができたので、かねてから気になっていた、髪を切りに。

 ちなみに、本日、九月四日は、「くしの日」

 くし、といえば、リーゼント?! リーゼントといえば、ロッケンロー?! ... ということで、リーゼントにしてきた ... なんて、そんなわけはなく。

 (はあ~、つまらない、つまらない)

 予約なしで、いきなり入れるところ、あるかしら? と、地元の情報紙をぱらりとめくる。

 ん? 激安美容院、発見!

 私は、髪が長いうえ、特殊なワザを施しているため、相場として、一回につき、二万五千円から三万五千円くらいかかるのだが、同じことをして、なんと、九千九百円!

 これはすごい!

 しかも、新規オープンにつき、先着順で、「幻のお米、三合進呈」 とある。

 う~ん、「幻のお米」 って、なんだろう? よくわからないが、先日の記事にも書いたように、ここのところお米フリークなので、これは行ってみるしかない。 とのことで、早速電話。

 おそるおそる、「すみません、今日ですが、ダイジョウブデスカ? えと、縮毛矯正したいのですが」 とたずねると、あっさりオーケー。

 ということで、午後から美容院へゴー。



 ふと。 考えてみると、今の住まいに引っ越して三年経つが、同じ美容院に二回行ったことがないことに気がついた。

 毎回、毎回、ちがう美容院に行っている。

 なんというか。 美容院や美容師、というものには、相性というものがあって、よほど気に入らないと、同じところにまた行こうという気が起きないのだ。

 美容師さんにも、いろいろあって、じぶんの感覚とぴったり合う人というのは、なかなか巡り会えない。 人によって、同じことを伝えても、微妙にちがったりするし。 美容院のスタイルというか、ポリシーによってもちがうだろうし。 じぶんの希望を百%叶えてくれる、魔法使いのような美容師さんなんて、よほどでないと出会えない? だいたい、こんなものかな? という感じで妥協するなら、べつにどこの美容院に行っても変わりがないのじゃないか、と思って、いろいろなお店に挑戦しているのだけれど。

 ああ、美容院放浪者。

 そのうち、この人だ! というような美容師さんに巡り会えるといいのだが。



 さて、いざ、電話した美容院にたどり着いた。

 新規開店したばかりのお店だけあって、外観はキレイ。 なかに入ってみると ... 。 う~ん。 店内はお客さんが二組ほどいるだけで、ちょっぴりさみしい感じ。 しかも、その二組のお客さんは、ちいさな女の子と、高齢の女性。 激安美容院だから、ヘアスタイルにこだわっているような いまどきの女の子(?)なんてのは、来ないようなところなのかしら。 と、やや不安がよぎった。

 でもまあ。 私はいまどきの女じゃないし?

 覚悟して、すべてをゆだねることに。

 (しかも、店員さんが二人しかいない! ピンチ?!)





 美容院で、なにがいやか、というと、しゃべりたくもないことを話ししなければいけないこと。 日々の雑多なことで、なんとなく、ツカレテいたので、なるべくしゃべらなくて済むように、雑誌を一心に読みふけった。

 ふだん雑誌をあまり買わないため、こういうときは、ここぞとばかりに情報収集する。

 女性ファッション誌から、『hanako』 などのグルメ系(?)情報誌、『女性自身』 などのゴシップ誌、料理の本やら、果てには、男性ファッション誌まで。

 読めるものは、読み尽くせ! といわんばかりに。

 しかし。 とある女性誌を読んでいて、なんか、載っている情報が変だなあ、おかしいなあ、と思っていて。 映画のページを観ていたら、『ショコラ』 とか書いてある。 ジュリエット・ビノシュかわいい~、とか思ったけれど ... ん?

 なによ、この雑誌、二〇〇一年とか書いてあるじゃん!

 うわ~ん、なんでこんな古い雑誌が置いてあるのだ!

 ちょっと待って。 私がいっしょうけんめい貪り読んだ、ほかの雑誌も、もしかして ... 。

 ・・・・・・ 。

 ぜんぶ古かった ... 。

 なぜ、新規オープンしたばかりなのに、こんな古い雑誌があるのだろう ... 。

 激安美容院だから、雑誌を買うお金がなくて、店員さん家にある古い雑誌を引っ張り出してきたのかしら ... 。

 はあ~ ... 。



 店長と思われる男性と、アシスタントらしき若い女性が、とっかえひっかえ私の髪をいじってくれていたのだが。 女の子のほうが、やたら話しかけてくる人だった。

 古い雑誌をいっしょうけんめい読むのもあきたので、その女性店員のかたと話をする。

 「音楽とかなにが好きですかー?」 「映画、さいきんなに観ましたー?」

 ありきたりの質問だったけれど、私がちょっとこたえると、それを二倍にも三倍にもして返してくれる人だったので、かえって、こちらは楽だった。

 一度話し出すと、会話が途切れて沈黙になるのもなんとなくいやだったので、私も、どうでもいいようなことを話しかける。

 「ここって、さいきんオープンしたんですよね?」

 「えっとぉ、そう、ですね」

 ん? いつだか憶えていない? う~ん。

 「 ... ここって、閉店は何時ですか?」 

 「えっと、たしか、八時、だと思います」

 んん? なんで知らないの? と思ったら。

 どうやら、今日だけの、助っ人で呼ばれたということらしかった。

 う~ん、助っ人さんに髪をいじってもらっているのか ... と、不安がよぎった。

 いや、技術さえしっかりしているなら、どんな人でもいいのだが。



 そのうち、「よろしけば、お飲み物お出しします」 と言われた。

 長丁場 (三、四時間かかる) だから、気を遣ってくれたのだろう。 ありがたい。

 「お茶か、ハチミツ・レモン、どちらがいいですか?」 と訊かれ。

 う~ん、ハチミツ・レモン。 なつかしい。 しかし、極甘のものが出てきそうだったので、お茶を頼んでみた。

 私のなかでは、グラスに入った冷茶が出てくるのかなあ、と思っていたのだが、いきなり、五百ミリリットルのアルミボトル缶のお茶を手渡された。 まあ。 こんなにたくさん? とりあえず、飲んでみた。

 ぶはっ! あまっ!

 なにこれ? ―― よく見ると、「ほんのりあま~い 抹茶仕立て」 などと書いてある。 しかも見たこともないような銘柄の。 なんじゃこりゃ。

 きっと、ドン・キホーテなどで、一本五十六円とかで叩き売られているようなやつだろう ... 。

 仕方ない。 なにせ、激安美容院だ。 しかし ... 、半端に甘いお茶だったら、たとえ極甘だとしても、ハチミツ・レモンのほうが良かった ... 。

 五百ミリリットルも飲みきれないよお。 うわ~ん。 拷問かしら。

 はあ~。 それにしても、私の髪はだいじょうぶかしら。 終わったときには、すごい髪型になっていたりして。



 そうこうしているうちに、外で雷が鳴っているのに気がついた。 外はものすごい雨。

 うわん。 お布団、干しっぱなしで来ちゃった! 天気予報なんて見なかったからなあ。 傘も持ってこなかったし ... 。

 髪の毛いじりが終わるころには、止んでいるといいのだが ... 。



 女の子がまた話しかけてくる。

 「音楽ってロックが好きなんですかー? 邦楽ですか?」

 「えと、どちらかというと、洋楽ですね。 古いロックばかり聴いています。 あ、でも、邦楽も聴きますよ。 あと、フジロックとかも行きますし」 (フジロック、ちょっと自慢する私)

 「そうなんですかあ。 わたしは、もっぱら R&B ですね」

 「えと、R&B,というと、いまどきの R&B のことですよね ... ?」 (まさか、古くてしぶーい R&B を? と、ちょっと興味が湧く私)

 「そうですねー」

 「いまどきの R&B っていうと、具体的にどんなのですか?」 (なにごとも情報源とばかりに聴く私)

 「えっとぉ、ベタなんですけど、デスチャとかですねー」

 「・・・」 (微妙に古っ、と、こころのなかで思ってしまった私. (ファンのかた、すみません))

 「R&B 好き、って言っても、じつはそんなに詳しくないんですけどぉ~」

 「・・・」 (どっちやねん! とつっこむべきだろうか、と悩む私)




 でもまあ。 すなおで、かわいい女の子だ。 無理やりこちらの話を聞きだそうとしないで、じぶんの話をしてくれるほうが、私にはありがたいし。 きっと、ほんとうに、話し好きな女の子なのだろう。 そりゃ、一日中、むっつりと仕事をしていたら、いやになるものね。

 テレビの話とか、若者系(?)のクラブの話とか、いろいろ聞き出して、けらけら笑って、過ごした。

 美容院でこんなに話をするのは、私にしては、ひさしぶりかも。

 この女の子、いいな、と思ったけれど。 今日限りの助っ人だから、この美容院に後日また来ても、そのときには居ないのだ。 なんだか、へんな感じ。 美容院放浪しているうちに、偶然また会ったりしてね?



 そして、四時間半かけて、やっと、最後の仕上げに ... 。

 かたや、ぜんぜん話しかけてこなくて、ちょっとこわそうな感じの店長らしき男性店員のかたが、仕上げに毛先をそろえながら、

 「雨、まだ止んでいませんけど、だいじょうぶですか?」 とたずねてきた。

 「ええ、すぐそこに、コンビニがあるので、傘を買って帰ります」

 「でも、この雨じゃ、すぐそこのコンビニでも、びしょぬれになってしまいますよ。 良かったら、うちの傘、持って行ってください」

 ちょっと意外。 なにしろ、激安美容院だから、傘など貸してくれないのでは、と思っていたので。

 「じゃあ、お借りしていきます。 住まいはそれほど遠くないので、明日、返しにうかがいますので」

 「わかりました」

 ... うふふ。 こういう場合、「いいですよ」 なんて言って、傘を返さなくてもいい方向になるのかな? とか、勝手なことを考えていたのだけど。

 さすが、激安美容院。 でも、その、すなおさに笑ってしまった。



 さて。 いざできあがった髪型。 これがなかなかうまくできている! 期待していなかったどころか、不安にさえ思っていたので、感動もひとしお!

 ありがとう!

 これで、相場の三分の一以下の値段は安すぎる! 経営難に陥って、つぶれないといいのだが ... 。

 古い雑誌を読まされたり、変なお茶を飲まされたりしたけれど。

 激安美容院に、幸あれ!



 お借りしたビニール傘をひろげ、私は、激しい雨の降る通りへと、躍り出た。



 明日、傘を返しに行ってみたら、まるで、たぬきに化かされたみたいに、お店があとかたもなくて、廃屋だったりして ... なあんて、物語チックなことを、妄想した。










 * ちなみに、「幻のお米」 はもらえなかった。 品切れたのだろうか。 どういう 「幻」 だったのか、気になる ... 。





 BGM:
 Bob Dylan “激しい雨 / Hard Rain”
 (Bob Dylan でいちばん好きなアルバム)

 Salon Music “M☆A☆S☆H”
 (こういった音楽も、聴いていマス)

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歌詠み / ペニーレインが聴こえる

2004年09月04日 20時56分29秒 | 想在
 「週末映画」



 映画まで
 時間あまって
 吉祥寺ペニーレインを
 行ったり来たり





 ロフトでも
 ライヴハウスじゃないロフト
 ふたりで見たい
 湯豆腐セット





 早すぎるハロウィングッズ
 目に痛い
 二ヶ月先へ駆り立てられて





 映画館
 立ち見人アリ
 大盛況
 座席に荷物置く女 なぜ?





 晴れの日も
 雨の日もまた
 あるけれど
 きょうはこころもどしゃぶり ごめん







 * 吉祥寺ペニーレイン ... 通りの名まえ。 ---> 参照

 * ロフト ... 新宿にあるライヴハウスの名称。 または、西武系列の雑貨・日用品・インテリアなどを売るデパートの名称。 ---> 公式サイト





 当 blog 内 関連記事:
 ・歌詠みはじめ

 ・「啄木忌 / ことばの砂 / Substitute」
  (石川啄木さんのことで、こんなことも書いていました)


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七番目の女 / 一番目の孤独

2004年09月03日 18時28分53秒 | about him
 先日、音楽好きの仲間たちと集まって、飲んでいたときのこと。





 私と 「彼」 が付き合っていることは、諸所の事情があって、みんなのまえでは、ないしょになっている。

 それゆえ、音楽仲間たちといっしょのときは、私たちは、あまり会話をしないことに。

 不自然にならないように、あくまで、「仲間」 という関係を演じているのだが。

 たまたま、彼のとなりに座っていた女の子が、どうやら彼に相談ごとをしている様子だった。 どうやら、「恋の悩み」 らしい。

 彼は、「恋に悩んでるときは、海に向かって叫べ!」 だとか、「もし、恋に破れたときは、おれのむねに飛び込んで来い!」 だとか言っていたりして。 どこまで本気なのか、わからない。

 終いには、「おれでよかったら、いつでも相手してやるぜ!」 などと言って、ズボンのチャックを下ろすふりまではじめる始末 ... 。

 (ええと、べつに露出狂とか、そういうのではなくて、つい、冗談でそういうことをしちゃう人なのです ... 。 念のため)
 (ちなみに、ちょっとまえ、この女の子に勢いでチューしていたこともある ... 。 はあ~ ... )

 おかしかったのは、私のほうをじっと見つめながら、チャックを下ろそうとしていたこと。

 そんなに私の視線が気になるのなら、さいしょから、しなければいいのに ... 。 と思ってしまう。

 大胆なのだか、臆病なのだか ... 。 (やれやれ)





 そして、さらに。

 「おまえがもうちょっと女を磨いたら、おれの七番目の女にしてやるよ」 なんてことを、例の女の子に言っていたりして ... 。

 それを聞いた別の女の子が、「ええ~、わたしは~?!」 なんて言ってくると、

 「じゃあ、おまえは六番目の女」 とか、「おまえは四番目の女」 なんてことを言い出して、女の子たちのあいだで、「やったあ~、○○ちゃんに勝った~」 とか 「△△ちゃんに負けた~」 なあんて、みんな喜んだり、悲しんだり。

 なんだか、たのしそう。

 「一番目の女」 であるはずの私は、ひとり、ぽつんと、お愛想わらい。

 ああ、かなしい、かなしい。

 気のとおくなるような、せつなさ。

 「一番目」 であることを知られてはならない女は、とっても孤独なのね。

 「一番目の女」 になってしまったら、その座を維持するか、あとは、落ちるしかないものね。

 ... なんてね。





 あとで、彼と二人きりになったとき、「さっき、変なこと言ってたよね?」 なんて、私がちょっと言ってみたりすると、

 彼は、「しょうがないじゃん! あれがおれなんだから! おれはああいうことを言っちゃうやつなの!」 と開き直る。

 別に詰め寄ろうとしているわけではないのに、むきになって反論するところが、まあご愛嬌かしら ... というところだろうか。

 逆に、「そうだけど、それがなに?」 なんて、あっさり流されてしまうよりは ... 。





 「一番目の女」 であるはずのことに、あぐらをかくな、ということなのかしらね。

 と、良いように解釈することに、しておこう。 (強がり)





 ※ちなみに。 「彼」 は、はっきり言って、そんなにかっこいいわけではない。 世話好きな人なので、慕われやすいのである ... 。





 BGM:
 Eric Serra ‘My Lady Blue’

 (『Le Grand Bleu (グラン・ブルー)』 の ending theme)

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元かのじょ / 対決?

2004年09月02日 21時57分13秒 | about him
 彼の住むアパアトの、大家さんちのねこ。 ..................................................

 「まる」。

 「まる」 は、彼のこと、そして、彼の部屋が大好きで、しょっちゅう遊びに来ているとか。

 彼の部屋は、二階にあるのだけど、前足で器用に窓をあけて、ひょいっと部屋に入り込んでは、澄ましているらしい。

 彼の布団のうえに、ねこ特有の、あの横座りをして、彼のギターに耳を傾けたり、いっしょにレコードを聴いたりして、ご機嫌になっているとか。

 夜寝るときも、いっしょにごろごろしたりして、まるで、彼といっしょに暮らしているかのよう ... ?

 ねこが大好きな私としては、彼が、うらやましい。

 いや、彼が大好きな私としては、「まる」 が、うらやましい (キャー) 。



 しかし。 私は、まだ、「まる」 には会ったことがない。

 写真で見た感じでは、とてもりっぱで、強そうなねこだ。

 どうやら、彼のアパアトの一帯を仕切っているボスのようで、よく、ちっちゃいねこを引き連れて、そのあたりをのしのし歩いているらしい。

 ううううん、けんかしたら、負けそうな気がする ... 。



 私と付き合うようになってから、わが家に泊まりに来る機会が増えた彼は、あまり 「まる」 にかまえなくなってしまった。

 わが家に泊まった翌日、じぶんの部屋に帰ると、あきらかに 「まる」 がやって来た形跡があるという。

 いつまで待っても、彼が帰ってこないので、怒って、部屋中暴れまわって帰ったという形跡が ... 。

 そんな話を聞くと、「まる」 がかわいそうだから、さみしいけれど、部屋に帰ってあげてね。 なんて、つい遠慮したくなる。

 今度、私が、***さんの部屋に泊まりに行くから、「まる」 を紹介してね。 なんて言っているのだけど ... 。



 先日、彼が仕事から帰ったら、「まる」 が部屋で待っていたそうだ。

 「おう、まる、来てたのか」 と声をかけると、すりすり、ごろごろ。

 「まる」 の頭をなでながら、彼が、

 「あのな、** (筆者の名) が会いたがってるぞ」 と、言ったら ... 、

 「まる」 は、ぷいっと横を向いて、ぴゅうっと部屋を飛び出して行ってしまったとか ... 。

 あああ。 完全に嫌われているらしい ... 。

 ねこってのは、敏感だから。 きっと、私の名まえを聞いただけで、ライバルだと察知したのか。



 「まる」 と仲良くできる日は、遠いのかもしれない ... 。







 ---
 [追記]:

 ちなみに。 彼には、ごはんを作ってくれる友だちがいる。

 彼が、「腹減ったー」 と電話一本かければ、「よし、わかった」 と言って、彼の好きな焼き魚かなんかを用意して待っていてくれるとか。

 私と付き合うようになってから、「おまえ、メシ喰いに来なくなったよな!」 と言われているらしい ..... 。

 うむむむ。 モテる(?)オトコは、つらいね?!







 BGM:
 Cat Power “You Are Free”

 (ねこぢから、です)

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「映画みたいな恋」 / いい波

2004年09月01日 16時03分40秒 | about him
 ここのところ、仕事が立て込んでいたり、趣味活動にうつつをぬかしていたり、はたまた、blog にばかり気を取られていて、ゆっくり映画を観る時間がなかった。

 なるべく、月に、二、三回は映画館に行き、週に一、二本くらいは、ヴィデオを観ることにしていたのだけれど、八月は、そんな余裕はなく ... 。

 九月は、のんびりとできたら、いいのだが。

 ところで。

 私は、以前まで、映画館の座席は、まんなかの列の、後ろのほうの席で観たい性分だったのだけど。 わが友人 (というか彼) が、まえの座席で観たいというので、それに合わせている。

 まえのほうの席だと、首が疲れそう、とか、スクリーン全体が目に入らないそう、とか、スクリーンの下のほうが見えなさそう、などという不安があったのだが、じっさいにまえのほうに座ってみると、スクリーンが近い分、臨場感があったり、細かいところまで見えて、いかにも映画館で映画を観ている、という気分になれるので、なかなかいいではないか、と思うようになりはじめた。

 現在の彼と付き合うまで、付き合ってきた人は、みんな 「後ろで観る」 派だった (あるいは、私の意見に合わせてくれていたのか ..... 。 私が拒否できないような圧力を与えていたのか ..... )。

 彼と出会わなければ、まえのほうの座席で観るという、別の観方を、知らないままでいたかもしれない。





 そういえば。 白いごはん。 私は、硬めに炊く派だった。 やわらかすぎて歯ごたえがなかったり、お米がつぶれてしまうのが、いやだった。

 しかし、彼は、やわらかめが好きな人だった。

 彼に合わせて、やや水分を多めにして、やわらかめに炊くようになった。

 そのうち、料理の本なんか買って来て、お米がおいしく炊ける とぎ方、なんてのを憶えたりして。

 その通りにといで、炊いてみたら、彼も気がついたらしい。 「今日は、ごはんがうまい」 なんて。

 お米は同じなのに。 とぎ方ひとつ変えただけで、こんなにちがうものなのか、と、びっくりした。

 そのうち、彼がおいしいと言ってくれるのがたのしみとなり、さらに欲が出て、土鍋などを買ってみた。

 以前から、土鍋で炊いたごはんはおいしいと聞いていたので、ためしてみたくなったのだ。 いざ、炊き上がったごはん、まるで、テレビ・コマーシャルのごはんのように、ふっくら、つやつや。

 格別のしあわせだった。

 このふっくら、つやつやのごはんさえあれば、海苔の佃煮だとか、ふりかけだとか、ちりめんじゃこなんかでもあれば、あとは、お味噌汁だけでも、よろこんで食べてくれる。

 保温がきかないので、すぐに食べなくてはいけないのだけど。 スイッチひとつ、タイマーで好きなときに炊ける、というわけにはいかないけれど。 いいお米でなくても、とぎ方と、鍋次第で、おいしいごはんが炊けるのだとわかって、うれしかった。

 「ごはんのおいしさ」 というのに、出会えたのも、彼のおかげかもしれない。





 彼は、いままで付き合ってきた人のだれにも似ていなくて、じぶんにとって、異世界の人だ。

 彼と知り合うまえまでは、「運命的な出会い」 みたいなものを、少なからず、信じていたが ... 。

 なんでも趣味の合う、まるで、じぶんの、分身のような? 王子さまみたいな? 映画のような、衝撃的な出会いを?

 音楽の趣味は似ているところがあるけれど、食べものの嗜好とか、生活習慣とかなんかが、あまりにもちがいすぎて、さいしょは、わたしたち、合わないのかな ... などと煩悶したこともあった。

 けれど、ふとしたことで出会ってしまった、この、偶然/運命への結末を、どうつけていいのかわからず、宿命に身をゆだねるかのように、無心に思いつづけてきたが。

 いま、こうして、考えてみると、じぶんの知らない世界を見せてもらえて、どきどき・わくわく、ときどきがっかり、まれにしょんぼり。 いろいろな意味で刺激を与えてもらえている。

 趣味・嗜好が合わなくても。 互いに良い刺激を、良い影響を与えられるなら、これもまた、悪くないのかもしれない。

 私も、なにか、彼に、いい波 を送れていると、いいのであるが。





 ※ちなみに。 お風呂の温度の好みもちがう ... 。 ふとん派かベッド派か。 たたみ派かフローリング派か。 そば派かうどん派か ... 。 ほんとに、ぜんぜんちがうなあ ... 。





 関連リンク:
 ・「美味しいお米のとぎ方 」

 ・「映画占い」
  (私は、「メリーに首ったけ」 で キャメロン・ディアス が演じた、メリー、だとか。 ... うむむのむ)
  (そういえば、むかし好きだった人が、キャメロン・ディアスが好きだって言っていたっけ。 ... とほほのほ)





 BGM:
 The Jam ‘Heat Wave’
 (The Supremes のヒット曲。 The Who もカヴァーしている。 少年ナイフも。 The Jam のアレンジが好きである)

コメント (8)
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