100日で習慣を変え、マインドセットを書き換える

迷いがなくなり、行動を加速させるマインドセットで新たな人生脚本を描く。

専門医からの伝言

2015-01-08 17:00:59 | お袋の認知症日記

お疲れさまです♪

今日の記事は少し長文になりますが、
先日の「最も近く寄り添うこと」を読んで頂いた、
専門医の友人から下記の
コメントを頂いたので紹介します。

 

コメントの中でご本人も仰っていますが、
全ての認知症患者に適応するということでは
ありませんが、希望の光になる
気付きがあれば嬉しいです。 

 

 


 


私自身は介護の経験がないので、
偉そうなことはまったく言えないのですが、
認知症患者を診ている医師として
少し発言させてください。

介護する側としては、
される側のことを親身に考えて
いろいろやってあげる、やってあげざるを得ない
という状況が毎日続くわけで、
心理的に本当に大変だと思います。

可能な限り、
デイサービスやショートステイを利用して
介護する側の肉体的心理的負担を軽減するとともに、
「年老いた」「呆けた」「親を」「介護してあげる」のではなく、
まだ正常だった頃の親子関係を演じるように、
「子どもと
して」「親であるあなたを頼りにしている」
「子供である自分を」「親として心配してほしい」
という心理的な接し方は、(いつもは無理でしょうが)
時に必要なのではないかと考えます。

アルツハイマー型認知症であれば、
レビー小体病や前頭側頭型認知症に比べれば、
人格性格の変化は大きくないはずで、
記憶障害、特に手順記憶の障害が中心のはずです。
すると20年前、30年前の
認知症ではなかった時期の親子関係を
「再現」しようと試みれば、
「認知症になってしまった今」のお母様ではなく、
何十年か前の正常だったお母様と
小橋さんの関係が少しの時間でも
築ける可能性があると思います。

そうすることで、
お母様にも「患者」ではなく「母親」としての、
子供を守ってあげなければ、という心理的な変化、
それに伴う行動の変化が生じる可能性があると、
自分が診ている患者さんと家族の関係を見て思います。

できないこと、
忘れたことをを何度注意しても、何回言っても、
認知症なのですからそれはほとんど意味がありません。
昔の、正常だった頃の話を、
写真を見ながらするとか、
何か昔の好きだった食べ物や趣味の話題をするとかで、
「介護する側」に対する「介護される側」の見方、
考え方が変われば、何か変わるかもしれません。

介護をするのは、本来家族の仕事ではなく、
家族は一緒にいて寄り添う立場のはずなのです。
介護事業も医療もその辺は遅れているというか、
思ってもなかなかできない葛藤があります。

最初から焦らずに、
ゆっくり試すように実践してみてください。

たとえば、小橋さんが子供のころの
お母様と一緒の写真などを見せて、
「これどこで撮ったんだっけ?」など、
答えられなくても、あまり興味を示さなくても、
眺めるようだったらまず成功、
ぐらいの気持ちでいいと思います。

それを少しずつ、回数や時間を増やしていくと、
「今」=H27年ではなく、「今」=S40年代という風に
お母様が、今を昔だと思うようになっても大丈夫です。
本当の認知症の方なら、
翌日には、またはその日のうちにそのことを忘れるか、
わからなくなります。
だ、その時間だけタイムマシーンのように
時間を巻き戻し、その時の親子関係を演じて
「介護してあげてる」感をなくす、
できればお母様が
「我が子を慈しみ育てている」気持ちを
思い出させてあげることが
変化のきっかけになるかもしれません。

これは、そういうことがあった、という
患者さんとご家族の事例から言っているだけで、
万人にうまくいくかどうかはわかりませんが、
脳の働きとしては昔の記憶は
保持されているはずなので何らかの良い反応が
得られるのではないかと思います。


 



以上がコメントを頂いた全文です。
もちろん、ご本人の許可を得た上で
掲載させて頂きました。 


あなたにも気付きがありますように





 

 


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