ジルとうなぎの 風に吹かれて気ままにキャンプ

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リン酸鉄リチウムバッテリーは並列接続できる?

2019-06-23 |  サブバッテリー

うちのジルには12V 400Ahのリン酸鉄リチウムバッテリー(LiFePO4)を載せている。

このリチウムバッテリーの特性を知りたいと、載せる前に色々実験した。

 

 

 

 

鉛バッテリーは車や昔からハム無線でも使っているので身近でその特性もおる程度は分かっている。

その経験からか、バッテリーとはこんなものというのが自分の中での常識としてあるが、

 LiFePO4 の充放電テストで以下の現象を見つけた。

① 充電中、満充電に近くなると4個のセルのうちの一つだけの電圧がぐんぐん上がりだした。

   セルの電圧が3.4Vを超えたところで急激に立ち上がる。わずか数分で3.4Vから3.7Vに上がった。

② 放電中、セル単体の電圧が3Vを切ったところからセルのばらつきが出始めた

これは前のブログにも書いて、LiFePO4の生バッテリーを扱う上での注意事項とした。

 

 

 

更に、もう一つ実験中に面白い現象に気が付いた。

LiFePO4を満充電して、放電テスト中のこと。

放電テストも色々あるが、キャンカーで使う場合を想定して

満充電から5Aを連続して放電させて2時間おきに電圧変化を調べた。

放電テストの大部分は13.3V~13.0Vの間に入るので電圧変化もわずかだ。

そのために測定は0.1mVが測れるものを使用した。

ゆっくり放電させるので、放電曲線としては、なだらかに右下がりが想像できる。

 

 

 

 

ゆっくり放電させていくとLiFePO4の端子間電圧は13.400Vから徐々に10mV程度づつ下がる。

2時間おきの電圧変化は10mV以下で思った通りだったが、120Ah程度放電させたときに、

2時間前の電圧よりも一変に40mVも下がった。

その次の2時間後はさらに80mV下がった。

 測定ミス? それともテスターのせいかと疑って他のテスターで調べたが同じだった。

 

これは、セル単体の放電曲線だが、測定で急に電圧が下がったのはこの範囲。
安定している範囲なのにこの現象は意外だ。

 

 

 

 

 

こんなことってあるのだろうかと驚いた。

どの程度の頻度でこのような現象が起きるのかは分からないが、

こんなドロップ現象があれば循環電流が発生してLiFePO4の並列接続は出来ない。

 

 

 

そこでメーカーや販売店など色々問い合わせたら、ほとんどがLiFePO4は並列接続が出来ないとの返事。

あるところからLiFePO4は化学変化のバラツキが大きいので並列接続は出来ないという返事をもらった。

しかし、中には6個までなら並列使用しても問題ないという販売店があるのには驚いた。

 

 

 

うーむ。これは困ったぞ。 

 

 

 

仕方がないので、昔のコネを使ってその道の専門家に問合わせた。

難しいことを色々説明してもらい、自分なりに納得。

 

 

問合せの結果

LiFePO4の特性として、低容量放電時に階段状に電圧変化が生じる頻度は比較的に多い。

リチウム電池も鉛バッテリーと同じように化学変化であり、セルによって化学変化は一様ではない。

LiFePO4はリチウムポリマーに比べ製造も簡単だが、大陸製のリチウムポリマー電池は日本の厳しい規格には通らない。

LiFePO4も国内メーカー(日本)の厳しい規格で製造されているとは思えない。

各セルのバラツキを補正するのに国内メーカーは高性能なBMSを開発しているが、簡単なものではない。

専門家の間では、市販されているLiFePO4は生バッテリーもBMSが付いたものも並列接続は出来ないというのが一般的。

ただし、鉛バッテリー程度のライフ(4~5年)で良いと言うことであれば、特性の揃ったLiFePO4に性能のいいBMSを使えば大丈夫かも知れないとの事。

 

 

 

今回、LiFePO4の一連の実験や調査で何となく分かったことは、

LiFePO4は基本的に並列接続は出来ないので、メーカーは色々な容量のものを作って対応している。

LiFePO4はサイクルライフが鉛バッテリーの5~10倍あって長寿命だが、新品を使っても並列接続は短命化となるようだ。

高価なLiFePO4を長く使うためにも長期的な並列接続は止めたほうが賢明のよう

どうしてもその必要がある場合は、多少電圧がさがってもダイオードを取付けて循環電流を阻止したほうがよさそうだ。

最近はMOS FETを使った理想ダイオードというのがある。

これを使えば一般的なダイオードよりも挿入抵抗を低く抑えることが出来るが、比較的に高価なのがネック。

 

快適化やトラブル事例はこちらに沢山あります。

 

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コメント (6)
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