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安倍首相の功績

2022-09-06 08:23:53 | 時事
 安倍首相の国葬に反対の方も多いのですが、賛成の方もいます。

 国葬というからには、歴代首相と比しても並外れた功績が、安倍首相にあったということなのでしょう。だって、戦後の首相達の中で、国葬の待遇を受けた総理は、吉田首相ただ一人だからです。沖縄返還を成し遂げた首相、佐藤栄作も、高度経済期の歴代首相も、国葬というほどの待遇にあやかってはいません。彼らを凌ぐ、凄い業績が安倍首相にあったというなら、確かに国葬というのも、納得がいきます。

 ところで、それは一体何なのでしょうか。安倍首相のやったことと言えば、大きなことは、アベノミクスただひとつでしょう。異次元緩和を行い、莫大な財政出動を行い、要するに金のバラマキを行い、中小企業を助け、また日銀が積極的に日本の民間企業の株を購入し(その額は40兆円)、日経平均をバブル期以上の値にまで釣り上げた。

 一方で、日本の債務は300兆円ほど増えてしまい、日銀は資産の70%(520兆円)が日本国債になってしまいました。その結果、今現在、日本政府は利上げができず、金利差から、かつてない円安が進行中です。今や日銀は、利上げをしても破滅、しないでも破滅の袋小路に陥っています。

以下は、日本経済新聞からの引用ですが

日銀が金融緩和の修正に動けば円安に歯止めがかかるのか。米連邦準備理事会(FRB)は年内に6回の利上げを見込んでいる。ある日銀関係者は「為替防衛のために利上げするなら米国並みに上げないと効果はなく、そのペースで日本が利上げしたら財政が破綻し円安が止まらなくなる」と話す。円安進行は利上げ耐性がなく、袋小路に陥りつつある日本の現状を映している。

日本経済新聞 2022年4月16日

 利上げをしなければ、日本円下落は今後も止まらず継続します。価値が急速に下がり続ける通貨は、ある時点で国際的な信用を失い、大暴落を始めます。

 かといって、利上げをすれば、日銀の資産の7割を占める日本国債の評価額が急落し(利上げをすると、利上げ前に発行された国債は魅力を失うので、市中価格が下がります)、日本銀行が債務超過に陥ってしまい、日本円の信認が危ぶまれます。また、日本政府の発行する国債の大部分は10年債ですから、1年経過するごとに利払いの歳出が段階的に上がっていきます。これは、政府の財政破綻の危機です。

 そして、中小企業への野放図な金のバラマキも、多くのゾンビ企業を産みました。競争原理で淘汰されてしかるべき生産性の低い企業を多く、無駄に存続させてしまい、ゾンビ企業の群れをつくったという指摘もあります。これは、評価が分かれるでしょうが。

 日銀が株の買いオペと称してやりまくった株価の引き上げも、健全なはずはなく、世界中の中央銀行の中で、このようなことを行っているのは、日本銀行、ただ一行です。もし株が下落方向に向かえば、どこかの時点で日銀は資産評価割れ、債務超過です。また、日銀はそれを防ぐために永遠に株を買い続けなければいけません。

 要するに、アベノミクスは、このようにいびつで、つぎはぎだらけのリスキーな経済政策で、到底、歴代首相の政策を圧倒するようなものではなかったことがわかります。

 そのうえ、今や誰もがご存知なように、統一教会との祖父からの三代にわたる親密な癒着です。既に2回ほど記事を書きましたが、被害者の数は数知れず、国家の機密は、統一教会の斡旋した秘書団を通じて外国のカルトにすべて筒抜け。今や真相が露見したせいか、各国政府要人もドタキャンの嵐で、現職の各国首脳の出席は、カナダのトルドー首相を除くと皆無なようです。

 一体、安倍首相の功績は、何なのでしょうね。

 もしかして、長期政権を担ったことによって、左翼台頭を防いだこと? いえ、それでさえ、彼の対抗馬の石破でも同じことはできたでしょう。それに、アベノミクスのリスクは言及した通りで、国家の経済を潰して10年だけ左翼政権を防いだというのは、本末転倒な話であり、お話になりません。大不況の中で、より過激な左翼政権が、やがて誕生するだけだからです。

 このように、安倍首相の業績のどこを眺めても、とても国葬が適当とは私には思えません。





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