知花花織は、旧美里村知花、登川地域などを中心に、村内に伝わった織物技術のひとつです。"知花花織"の知花とは現沖縄市の一地域をさします。花織の名称は、これまで俗に「美里花織(みさとはなおり)」と称されてきましたが、調査・研究の結果から、現在では「知花花織」を名称として使い始めています。知花花織の起源は定かではありませんが、19世紀後半には技術・技法がすでに定着していたと考えられています。しかし、去る大戦を機に一時途絶え、今日ではそのほとんどが見ることのできない織物です。現在、沖縄市で、百年以上前の染織品は数点のみ確認でき、非常に貴重な資料と言えます。そのことから、県内ではじめて市指定有形民族文化財に3件が指定され、文化財としての保存、活用が図られようとしています。又、2000年に知花花織復元作業所も開所され、伝統から現代へ地域独自の染織文化としてよみがえらせる試みが始まった織物です。