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「やっぱりキイラもダメだったんだ・・・。」
と打ちのめされて就寝。
全般的に浅い眠りの後で、明け方に目が覚めて、
「もうこれで最後。これに耐えたらもうこんな思いしなくていいんだ。
・・・もう子猫を育てるのは嫌だ。」
と思いました。
名前札付きの首輪だって、拾った人にはずされたらおしまいだ。
キイラはどこにでもいそうな虎猫だし、いなくなったら見つけ出すのは、
パンダやキジより困難を極めるだろう―――。
就寝前に、もしかしたらラブカンに「お前も出て行け。」と言われたのかも・・・とも思いました。
もしそうだとしても、今までずっとラブカンに対しては、
子猫達の世話に追われて可愛がってあげる事ができなかった上に、
何かとガマンを強いて、つらい思いをさせて来たので怒れません。
ラブカンは自身も生まれた家を出て、私の家へと来たのです。
猫はそういう物だと、猫の世界の厳しい現実を教えたのかもしれません。
しばらくして、薄暗い中でうとうとしかかった頃、猫の叫び声を聞いたような気がしました。
ドアを打つような音もしました。
空耳だよ・・・と思いましたが、新聞配達ならば、続いて足音が聞こえる筈なのに聞こえて来ません。
急いでドアへと行き、開けてみると何とキイラが飛び込んで来ました!
ごはんを食べさせて、ふとんに入れて温めてあげました。
帰って来てくれて涙が出て来るほどうれしかったですが、
月曜日は眠くて仕方ありませんでした。
次の日、キイラはラブカンと写真のようにくっ付いていました。
(つづく)
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