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武田百合子『富士日記(下)』内容と感想

2015-02-02 12:00:55 | 紙の書籍
中公文庫 武田百合子『富士日記(下)ー不二小大居百花庵日記ー』を読了しました。

内容と感想をざっくりと備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【目次】
昭和四十四年 七月 八月 九月 十月 十一月 十二月
昭和四十五年 一月 四月 六月 七月 八月 九月 十月 十一月 十二月
昭和四十六年 一月 四月 五月 六月 七月 八月 十月 十二月
昭和四十七年 三月 四月 五月 六月
昭和四十八年 四月 五月
昭和四十九年 六月 七月
昭和五十一年 七月 八月 九月
あとがき
解説 水上勉


【内容】
作家の夫、武田泰淳の取材旅行に同行したり、口述筆記をする傍ら、富士山麓の別荘で過ごす日々を綴った日記。


【感想】
日記だがあまり心情を書かず、淡々と日々の献立や買い物などのよしなごとが綴られている。これは著者の夫である作家の武田泰淳のアドバイスらしい。
上・中巻と違い、この下巻は武田泰淳の病気が影を落としていて物悲しい感じがする。悲壮感はそう感じないのだが、時折、ふつふつと文面に湧いてくる夫を思う言葉に、自分の父が闘病していた頃を思い出し胸が詰まる。そうなんだよなぁ。。と。
闘病している本人が一番辛いのだ。でも、その傍らで大切な人の苦しみを見ていることしかできないのも本当に辛いものなのだ。看病はできても、代わってあげることも治してあげることもできないのだから…。
十年余りの富士山麓山荘での日々。楽しいことも悲しいこともいろいろとあったのだろう。月日はきちんきちんとやってきて、変わらないものは何一つないのだな。。と思わせてくれる。


【余談】
ようやく上・中・下と三巻を読了。長かったな~。



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