67年も生きてきて一人の生活を経験したことが無いのだ。
結婚するまでは親元にいた。
一人暮らしを知らない。
32歳で結婚をし、結婚してから何年も主人は朝早く家を出て、終電で帰る生活だった。
そのころは隔週2日の休みだったと思う。
その休みも場合によっては仕事に行くのだ。
残業はほぼサービス残業だった。
主人が平日自宅にいるのは6時間ぐらいでしかなかった。
そのうち休みが週休2日になるもやはり忙しいと休日出勤もあった。
帰りの時間は終電ではなくなったし、そのうち7時前に家を出ることも無くなった。
職場では先生のパワハラにも合うのだ。
仕事のミスを怒る。
果ては腕などをつねるようで主人は時折あざを作って帰ってきた。
それでも辞めずに主人は定年まで働いた。
その後も5年間は再雇用で働いた。
酒もたばこもギャンブルもしない。
趣味はオタクだった。
アニメに特撮やSFなどが好きだった。
映画館にアニメや特撮を観に行く。
買ってくる本がSFマガジンと早川書房と創元社の本と漫画ばかりだった。
それらに興味のない私はこころのよりどころを芸能人に求めた。
子供のいない夫婦です。
私は主人と行く場所が親子連れてにぎわっていることが嫌だった。
そんな私も離婚もせずに34年と数か月寄り添っているのだ。