母はおかしなところがあった。
私が若い頃、お見合いで付き合った男性と勝手に次のデートを約束すると怒った。
いちいち母にデートの約束をしていいか?聞く。
勝手に約束してきて勝手にデートはダメなのだ。
また、帰ってきたらデートの報告をしなければならない。
どこへ行った?
何をした?
何を食べた?
どんな会話をした?
やっと結婚した主人とのデートはご飯を食べて帰るだけだった。
これといった会話もなかった。
なのに帰れば母がしつこく聞いてくる。
疲れてベンチに座った。
と、話したらベンチで何かあったと思われた。
手を握ることもキスをすることも会話もなかった。
あらゆることを監視され、あらゆることを報告しなければならなかった。
これには苦痛しかなかったのだ。